銃規制も憲法も税金も州によってバラバラ! アメリカ各州の特徴をイラストとともに見開きで紹介
北アメリカ大陸中央部の48州にアラスカとハワイを加えた50州と、コロンビア特別区(通称:ワシントンD.C.)から構成されるアメリカ合衆国。
先日おこなわれた大統領選挙では、各州の選挙結果が日本でも大きく伝えられました。州によって支持する政党に違いがあったり、「スイングステート」と呼ばれる激戦州があったりして、興味を覚えた方も多いのではないでしょうか。
アメリカは各州が独自の州憲法や政府組織を持ち、それぞれでルールを決めています。たとえば、アルコールを強く規制する州があるいっぽうで規制の緩い州があったり、消費税が9%の州があるかと思えば、隣の州では0%なんてことがあったり……。さらに、歴史や気候、人のルーツなども一つとして同じではなく、それらすべてが州ごとの強い個性となって表れています。
「本当のアメリカを知るのは、いきなり全体を知ろうとするのではなく、それぞれの州について知らないと、巨大なモザイク国家の本当の姿が立ち現れてこない」(本書より)と、今回ご紹介する『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』には書かれています。本書は、各州の人口や面積、州都、主要産業といったデータから、歴史、有名な人物やスポット、食べ物、選挙人の数、支持の多い政党などをイラストとともに見開きで解説した一冊です。
アメリカの地図を見てみると、まず50州という州の多さに改めて驚かされます。ニューヨーク州やフロリダ州、カリフォルニア州などは日本人にもよく知られているかと思いますが、デラウェア州やロードアイランド州、ワイオミング州はどうでしょうか? 名前を聞いてもパッとその州の特徴が思い浮かぶ人のほうが少ないかもしれませんね。本書のように全部の州が一つずつ見開きでまとめられているというのは、なじみのある州もない州も万遍なくフラットに知ることができるのが良い点といえるかと思います。
たとえば先ほど挙げたデラウェア州のページを見てみると、場所は南部という位置づけ。マップに描かれたイラストから、「消費税が0%」「主要産業は化学製品でデュポン社の本社がある」「リホボスビーチというリゾート地がある」「養鶏が盛ん」といったことがわかります。DATA欄には「人口 97万3764人(千葉市くらい)」「面積 6446平方キロメートル(栃木県くらい)」と日本との比較も書かれていて、その規模を想像しやすいです。また、出身者には今年の大統領選挙で当選したジョー・バイデン氏の名前も! デラウェア州では1992年以降、民主党の勝利が続いているということで、これはバイデン氏を輩出した土壌であることと深く結びついているのかもしれません。
ざっと見開きを見ただけでも、これだけの情報がすぐに読み取れます。また、北東部や南部といったエリア別の歴史解説が挿入されているほか、巻末資料には大統領選挙のしくみ解説や面積ランキングなども掲載。とくに、死刑制度のある州・ない州、銃の保有を認めている州・禁止している州などの色分けマップは、各州の現在の状況がひと目でわかり興味深いです。
州ごとにさまざまな個性を持ったアメリカ合衆国。「はじめに」では、「バラバラなのがおもしろいのがアメリカなのですから、むしろパラパラ読んだ方がよかったりするんですよ」(本書より)なんてアドバイスも。一枚岩ではないアメリカ各州の姿を、皆さんもぜひ本書でご覧になってみてください。
[文・鷺ノ宮やよい]
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