日本のAI開発会社が、同一人物トラッキング技術で世界最高精度を達成

カメラに映った群衆の中の、特定の人物をAIが追跡する——こんなSFのような技術はすでに実現されている。問題は、どれだけ高い精度でそれができるか。つまり、どれだけ人間違いをしないかが問われる時代になっている。

AI開発を行う会社「Ridge-i(リッジアイ)」は、同一人物をトラッキングする世界最高精度の技術を開発。科学とテクノロジーの国際カンファレンス「International Conference on Knowledge and Innovation in Engineering, Science and Technology」で認定され、第7回大会で発表する予定だ。

同一人物かどうかをAIがその場で見極める

現在実用化されているほとんどの人物認識技術は、顔写真の事前登録が必要だ。登録がないと、AIはその人が分からず、追跡もできない。

だが、同社が開発した「同一人物トラッキング」を組み込んだAIは、登録なしで、その場で人物の顔・姿・身体各部の特徴を覚え、識別・追跡していくことができるのだ。人物がカメラの画角から外れても、再び映った時に同一人物であると認識する。マスクや帽子で顔が隠れていたり、服装が変わるなどしても、身体の特徴から同一人物と見極めるというのだから大したもの。

実はこの「同一人物トラッキング」、各国の企業や研究機関で開発されており、違ったプログラミングによる様々なモデルがある。そして、モデルによって人物特定の精度にも差が出る。

Ridge-i社は2020年6月、自社モデルの評価実験を行ったところ、精度96.8%をマーク。これが現在世界にあるモデルの中で最高と認められ、国際カンファレンスで発表されることとなった。

商業施設のマーケティングなどに活用できる

信頼性の高い「同一人物トラッキング」は、不特定多数が集まる商業施設やイベント会場などでの、人の流れの詳細な解析に活用できる。

例えば、小売店やイベント会場に入った人の数だけでなく、個別の客がいつ、何回来店/入場したかを知ることが可能だ。また、店内POPなどを見た客が、その後店内をどう巡回し、レジに向かったか否かを調べることもできる。

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Techable

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