芝生につく害虫の種類と駆除方法 ~ 早めのサインで芝生を守ろう!
青々とした芝生は、見た目もよく雑草対策にもなるため人気です。上にシートを敷いてお弁当を広げれば、ちょっとしたピクニック気分も味わえます。しかし芝も植物なので害虫がつくことがあるのです。芝生から害虫を駆除するための基礎知識をご紹介します。
青々とした芝生を守りたい!害虫駆除の方法は?
庭に広がる青々とした芝生は、見ているだけで気分がよくなる癒し効果があります。定期的に芝刈りもしながら、大切にお手入れしている方も多いことでしょう。しかし、そんな芝生を台無しにしてしまう害虫は意外と多いのです。
害虫が増えすぎれば芝生が傷むばかりか、ひどいときには枯れてしまいます。そうなる前に適切に害虫を駆除して、大切な芝生を守りましょう。芝生に害虫がついたか見極める方法や基本的な害虫の種類、駆除の仕方まで詳しくご紹介します!
芝生に害虫が付いたかも?そのサインとは?
どんなに大切に管理していても、害虫がついた芝生にはさまざまなサインが現れます。それらのサインに早めに気付ければ、すぐに害虫の駆除を行えるため効率的です。芝生の被害を最小限に抑えるためにも、害虫がついたサインを学んでおきましょう。
まだらに枯れる
水はキチンとあげているし肥料切れも起こしていないはずなのに、芝生がところどころ枯れはじめてまだら模様になってしまった。こんなときには害虫がついて、葉や根を食い荒らしはじめている可能性が高いです。芝生についた害虫を駆除するための対策を立てましょう。
根元に穴が開いている
コガネムシの成虫が潜り込み、卵を産みつけた可能性があります。幼虫が中から出てきた可能性も否定できません。放置したままでは芝生の根を好き勝手に食い荒らされるので、残さず駆除する努力が必要になります。
不自然に変色している
芝生の葉は害虫に食い荒らされると、葉が変色してしまうことがあります。食害の被害を受けた芝は、軽く引いただけで簡単に取れてしまうほど弱ってしまうのです。芝生が取れてしまった部分を中心に掘りおこしてみると、害虫が出てくることがあるので駆除しましょう。
鳥が来る
芝生につく害虫にも天敵がいます。その代表格が鳥です。鳥が頻繁に芝生をつつくようになったら、害虫がついている可能性があります。芝生に鳥がつついた穴が開いていても同様です。虫が開けた穴と違い、鳥が開けた穴は土を掘り返した跡がありません。
芝生に付く主な害虫
芝生に害虫がついたサインはわかりました。では一体どんな害虫がつくのでしょうか?芝につく代表的な害虫についても学んでおきましょう。
コガネムシ
サインのところでも登場した、芝生を荒らす害虫の代表格です。穴を掘って潜り込み、芝生の根を食い荒らします。そのため根がもろくなり、被害が進むと芝生が簡単にはがれるようになるので、被害に気が付いたら芝生をはがして駆除しましょう。
根が食い荒らされるため、水やりをしていても夏場などは乾燥害などの被害ももたらす害虫です。
シバツトガ
芝の葉や茎を食害する害虫で、芝生がまだらに枯れはじめたり、芝の密度がまばらになりはじめたりしたら、このシバツトガの被害を真っ先に疑いましょう。はじめのころは緑色のため目立ちにくいですが、大量発生すると芝生全体が枯れてしまうこともあります。
シバツトガは1年に3~5回も発生する厄介な害虫で、早春から晩秋まで被害が続く厄介者です。卵は生の米粒のような見た目をしているので、みつけたら駆除するようにしていると被害を抑えられます。
スジキリヨトウ
芝の葉先を好んで食害することから、刈り込みが高めの芝生でよくみかけます。芝生の先端を中心に枯れていたら、多くがこの害虫が原因です。はじめのころはアオムシのように緑色のためみつけにくいですが、やがて茶色の斑点模様になるため、みつけ次第駆除しましょう。
スジキリヨトウも1年で3~5回発生する厄介な害虫で、早春から晩秋まで被害が続きます。ただし、丈の長い芝生が好きなため、短めに刈り込むことで予防が可能です。また、葉先に白い米粒のような繭状の卵を産むため、これを駆除することでも被害を抑えられます。
タマヤナガ
通称ネキリムシと呼ばれる害虫で、昼間は土の中に潜り、夜になると動き出す夜行性のため、みつけにくいのが特徴です。殺虫剤が届きにくいところまで潜っているため駆除しにくく、さらに厄介な害虫といえます。
タマヤナガも1年に3~5回ほど発生し、春から秋にかけて長く被害が出る害虫のため、十分な対策が欠かせません。
農薬を使って駆除する
芝生はあくまで観賞用で子供が芝生の上で遊ぶことがない家庭や、芝の近くで家庭菜園を無農薬で行っているなどの理由がなく、農薬を使っても問題ない場合にはやはり薬での駆除がおすすめです。状況にあったおすすめの農薬をご紹介します。
すでに害虫がいる場合
ホームセンターに行けば簡単に購入できる「スミチオン」をまくのがおすすめです。スミチオンは害虫が触れるだけで殺してくれるため、深いところにいるコガネムシの幼虫を目安に希釈して散布すれば、まとめて害虫を駆除できます。
スミチオンは卵から成虫に至るまで効果があるだけでなく、人間やペットなどの動物に対して影響が少ないとされる農薬です。即効性と手軽さを兼ね備えた農薬ですが、取り扱うときには注意書きを守って使ってください。
害虫予防を目的とする場合
害虫が発生しやすい季節になったら、あらかじめ害虫を予防するための殺虫剤をまいておくのも有効です。粒状の「オルトラン」などの農薬は、植物に浸み込んで食害した害虫を殺す効果があります。
芝生が薬を吸い上げた後、その芝生を食べた害虫が死ぬという薬なので、即効性はありません。しかし、あらかじめ浸透させておけば、孵化した幼虫の食害が広がることなく駆除できるので、手間なく被害を最小限に抑えることができます。
無農薬で駆除する
小さい子供がいるなど農薬を使いにくい環境にある場合は、無農薬で対応するしかありません。芝生に害虫がつきにくくする方法にはどのようなものがあるのでしょうか?無農薬で害虫を寄せ付けない方法をご紹介します。
芝生を強く育てる
芝生は育つのに適した環境にないと、遊離アミノ酸や糖を溜め込む性質があります。この遊離アミノ酸や糖は害虫の大好物です。つまり害虫にとって不健康な芝生は、「美味しいご馳走」といえます。
そのため必要な養分を与えられて、日当たりのよい場所で育った健康な芝生は、害虫にとって「不味い芝」になるのです。ケイ酸やマグネシウムを豊富に含む苦土を与えると、光合成が促進されてたんぱく質が豊富に作られ、害虫が寄りつきにくくなります。
害虫の住処を減らす
芝を刈ったあとの刈り草や、枯れた芝などの積もった層を「サッチ」と呼びます。サッチは害虫の住処になりやすいので、熊手などを使って除去するのも害虫予防に効果的です。芝刈りの後など定期的にサッチを取り除いて、害虫の住処を減らしましょう。
害虫忌避剤をまく
農薬を使いたくない場合には、自然素材でできた害虫忌避剤をまく方法もあります。漢方素材でできたアルムグリーンや、唐辛子やニンニクなどのエキスを使った害虫忌避剤がおすすめです。害虫忌避剤としてだけでなく、芝生の活性剤としての効果も期待できます。
LEDライトも一考
庭の芝生にライトが当たる場合は、LED電球に変えるのも予防効果が期待できます。害虫は紫外線に集まる習性があるため、紫外線が出る通常の電球や蛍光灯に呼び寄せられてしまうのです。LED電球ならば紫外線がほとんど出ないため、害虫が集まりにくくなる効果が期待できます。
おわりに
芝生には意外と多くの害虫がつくため、適切に対応して駆除する必要があります。一番よいのは健康な芝生になるようキチンと手入れをし、害虫が寄り付きにくい芝生にすることです。愛情をこめて手をかけて、いつも青々とした美しい芝生を保ってください!
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