紀伊半島の名物「さんま寿司」は『日本書紀』にも登場する郷土料理
「秋刀魚寿司」(さんまずし)をご存じだろうか。
その秋刀魚寿司は、和歌山県南部の特産品の1つ。さらに広く三重県の志摩半島や奈良県南部の十津川村などで見かけることもある。過去、祭りやお祝い事の時に出されてきたという。その他の場所で見かけることは、ほぼない。
今回、秋刀魚寿司を見つけたのが、白浜に近い上富田町にある「道の駅くちくまの」だった。2015年4月に道の駅として登録されたので、比較的新しい。熊野古道の「中辺路街道」と「大辺路街道」の分岐点に当たる場所とのことで、くちくまの、という名称とのこと。
道の駅の入口に、秋刀魚寿司の張り紙を見つけた。
1パック350円。高いのか安いのかよくわからないが、せっかく現地まで来たので買ってみた。外のベンチでいただいた。
簡単に言うと「押し寿司」である。秋刀魚(さんま)がゆず風味の甘酢で味付けされていて、口の中に入れるとほのかにゆずのさわやかな味が広がった。さんまもやわらかくてクセもなく、食べやすい。シャリとの相性も抜群によい気がした。
1パック4切れ、意外とすぐ食べることができた。しかもその後、腹持ちも良かった。もしまた売っていたら、確実にリピートしそうだ。
調べると、三重県熊野市の「さんま寿司保存会」が制定した「さんま寿司の日」(1月10日)があるという。熊野市にある産田(うぶた)神社の祭礼にちなみ、さんま寿司を食べるのが由来とのこと。『日本書紀』にも記述があるというから、由緒正しい郷土料理なのだろう。
地域によって、調理方法や味も違うという、秋刀魚寿司。次はぜひ食べ比べてみたいところだ。
道の駅くちくまの(全国「道の駅」連絡会)
https://www.michi-no-eki.jp/stations/view/7997
(Written by AS)
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