フジテレビが「所持金10万円のホームレス」を密着取材 サクセスする若者に異論続出

 

9月13日放送の『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)の内容が、物議を醸しています。この放送回のタイトルは「東京でビッグになりたい〜所持金10万円の上京ホームレス」というもので、密着されたのは、大学を中退して今年2月に熊本県から所持金10万円のみで上京した22歳のケイタさん。

ホームレス生活の波乱万丈を自身のSNSに実況し続けていたところ、同番組スタッフが声をかけたようで、4月4日から密着がスタートしました。

「ビッグになりたい」「前澤さんを超える社長になりたい」と豪語する彼の、密着スタート時のツイッターフォロー数は16人で、所持金は約4万6千円(スマホ通信代は親持ち)。

それでも本人は楽観的な様子で、土曜日に孫正義社長に会うべくソフトバンクにアポなし訪問したり、付近に電通を見かけてそのままアポなし訪問しようとしたりする様子や、社長と鉢合わせることを目論見、高級ホテルのリッツカールトンで飲み物を飲む様子が、カメラを通じて伝えられました。

関連記事:手越祐也は知っていた? 『イッテQ』スタッフが24時間テレビでねつ造! 日本人よ、チャリティー番組にだまされるな!! | TABLO

そんな中、路上で声をかけた人から「人脈を広げるにはセミナー等に参加せよ」とのヒントをもらい、4月6日に「第19回赤坂100人名刺交換会」に参加することに。交換会終了後には3万円を切っていた所持金を懐に、屋外のベンチに横になって夜を明かした彼は、SNSの投稿を一時ストップ。同月13日に更新を再開し、所持金を1万円切ったことをカメラの前で伝えつつ、続けて、「2万円、FXの口座に入れた」「1週間ぐらいで結構増えた」と告白したのです。スマホの取引画面には、

「残高 179,390」

「証拠金 0」

の文字。ディレクターは思わず「マジで!?」「15万勝ったってこと!?」と声をあげます。FXは名刺交換会で、ある社長に勧められたと言い、ケイタさんは「気づいたら増えちゃってた」「簡単やなー! あはは」と高らかに笑うのでした。そしてディレクターと2人でスマホのチャートを眺め、利益が出て歓喜。SNSでも「FXを始めてみたものの、なんとここまで増えるとは」と、喜びをあらわにします。

その後、名刺交換会で出会った実業家だという男性から「よかったら、しばらくウチにいる?」と言われたことを話したケイタさん。番組スタッフは、出演NGだという実業家男性へ書面取材。回答によると「変わったひとが好きだから声をかけた」「ケイタ君のような可能性を感じる人を放っておく方がどうかと思います」とのこと。ケイタさんはベイエリアの高級タワーマンション群の隙間へと吸い込まれてゆくのでした。

さて、7月に密着を再開すると、ケイタさんは10万円のフェンディのシャツに、11万円のドルガバのスニーカーを着用。「景色が輝いて見える」と空を仰ぐのです。そしてFXの残高はというと、

「残高 2,972,000」

「証拠金 0」

10分の距離をタクシー移動し、タクシー内で「思い通り以上になった」と話し、スタッフを驚かせます。そしてベルサーチ銀座店で約5万のネックレスを購入したところで、この日は密着終了。ケイタさんはSNSに戦利品をアップしますが、番組ナレーションは「ケイタさんにとってビッグになるって、こういうことだったんでしょうか」と、違和感も漂わせていました。

8月21日、久しぶりに密着を再開した際のケイタさんは、21万円のフェラガモのバッグに14万円のプラダの靴、8万円のベルルッティのTシャツ姿で登場し、熊本に帰ると言います。しかしその理由については、「ひとりの時間で何ができるか、故郷の方で考えようかと思っていて」と要領を得ない口ぶりで語るケイタさん。

そしてSNSに「培ったトレードスキルとノウハウを生かして、億男を目指します」と書き込み、飛行機で熊本へ。帰省にも密着したディレクターが、改めてケイタさんに「ビッグとは」と問うと、「遊ぶ時のお金の使い方がすごい人。シャンパン、バンバンみたいな」「(1晩で)500万とか使ってみたい」「(それが)僕のいうビッグ」とキッパリ。そして夕食は熊本のアーケード街で共にし、ケイタさんは生肉を食べていました。

その後、実家へ行き母親にこれまでのサクセスを話すと、「怖いね」と一言。妹もケイタさんのTシャツをつまみながら「9万? わからんわー」「非現実的すぎて何も思わんな」と眉間にシワを寄せます。ケイタさんが母親に金銭援助を匂わせても「今はいいよ」と、クールに拒否。ディレクターも母親のクールさが気になったようで尋ねると、「小さいときにギューが足りなかったのかも」と目に涙を浮かべ、金に執着するケイタさんの深層心理を慮るような姿が印象的でした。

さらに父親にも同じくサクセスを伝え、今後もFXで生計を立てる意思を明かすと、父親は真剣な眼差しで言います。

「誰かが儲かるってことは、誰かが損してるってことやけん。誰かを幸せにするってことに繋がればいいね」

そして番組は、ケイタが涙声で「育ててくれてありがとうございます」と語り、父子の愛情物語として綺麗にまとめるのかと思いきや、9月に再び上京したケイタさんとスタッフが再会。「自分を高めるのは東京かな」「FX界のナンバーワンをとる」「前澤さんとご飯を食べたいです」と、ホテル暮らしをするケイタさんの近況を伝えて密着レポートを締めくくるのでした。

参考記事:フジテレビ最凶のヤラセ疑惑 『ザ・ノンフィクション』出演者が陰湿な捏造を告発 『テラスハウス』木村花さん事件はまだ終わっていない | TABLO

これに疑念を抱いたのは、ネット民たち。あまりにもできすぎたサクセス話について、こうした疑問を呈したのです。

「コロナで取材進まずネタ切れで焦って飛びついたのか、企画ごとオプザイル系に嵌められちゃったね」

「当初はホームレス状況と銘打ってツイッターやってる馬鹿を一本釣りして取材開始したんだけど、名刺交換会で馬鹿が取材中としたオブザイル集団が、衣装も貸してサクセスストーリーに仕立て上げたのを、まんまとCXのプロデューサー以下みんなハメられて、オプザイルの狙い通り放送しちゃったのかな、らしいってw」

「証拠金0円でトレードってどういうことですか!? そんなやり方があるなら僕も知りたいです! 何がノンフィクションだよ。フィクションだらけじゃねーか」

「ケイタがTV取材を受けていることを知りながら居候させておき、かつTVのインタビューには答えずアンケート回答したタワマン男。そしてアンケートから漂う異臭」

「これに憧れてFX始める人が出ないことを願うばかり」

「市場最大のXMステマの可能性捨てきれないね。あんだけ無知だと何でもやると。一攫千金狙った若者の馬鹿さは計り知れない」

「見た目も悪くない。FXの広告塔には良いね」

「ケイタのフォロワー爆増中! これからSNSで海外FXの勧誘が始まり、何百人、何千人の被害者が出るわけだけど、フジテレビさんどうすんのマジで」

「FXは余裕で稼げますていう宣伝でしかない内容で笑う。ケイタのSNSに人集めて、最終的にアフィリエイト目的なのか」

FXでの成金ぶりに、拒絶反応を示すひとが続々と現れました。

「とはいえ、実際に番組全編を視聴すると、ディレクターはケイタさんのサクセスについて違和感を漂わせる構成をしており、手放しで『FXはすごい』という論調のようには見えません。一方で、『まさかケイタさんのサクセスを真正面から素直に見つめ、鵜呑みにするピュアな人などいるわけがない』といった番組側の過信もチラリと出てしまっているように思います。現にツイッターには、『俺もFXやります!』『行動力があってすごい』といった前向きなコメントも溢れていますからね」(制作会社スタッフ)

番組終了後には、フォロワー数が1万人を超えたケイタさん。知名度急上昇とともに、「ケイタさんが使っている口座」だとしてアフィリエイト経由のURLを貼り付けたツイートが出回ったり、彼自身が持続化給付金の不正受給に加担していた可能性も浮上したりと(自身のSNSで釈明)、ざわつき始めたケイタさん周辺。ビッグになるのは、一筋縄ではいなかいようです。(文◎じゅる王)

あわせて読む:月に100万円稼ぐ主婦もいる!? ポイントサイトで稼ぐ『ポイ活』が今アツい! 見逃せない“おトクな副業”情報 | TABLO


関連記事リンク(外部サイト)

日テレ24時間テレビに重大なヤラセ疑惑 タイで行った“東日本大震災の死者を弔う祭り”は金を払って人々を集めたデッチ上げだった!
タピオカ・ミルクティーを飲み続けた結果、死を覚悟した女性 今から恐ろしい話をします
加藤紀子(46)の美しい水着姿に明石家さんまも感嘆 なぜこんなにすごいスタイルを維持できるのか? と話題

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. フジテレビが「所持金10万円のホームレス」を密着取材 サクセスする若者に異論続出
TABLO

TABLO

TABLOとは アメリカが生んだ、偉大な古典ミステリーの大家レイモンド・チャンドラー作品の主人公フィリップ・マーロウの有名なセリフがあります。 「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」 人が生きていく上で、「優しさ」こそ最も大切なものであることを端的に表現した言葉です。優しさとは「人を思いやる気持ち」であり「想像力を働かせること」です。弱者の立場に立つ想像力。 「人に優しく」 これは報道する側にも言えることだと思います。 現在、ヘイトニュース、ヘイト発言、フェイクニュースがネットの普及に従い、増大しており、報道関係者の間では深刻な問題となっています。そこには「人に優しく」という考えが存在していません。 なぜ、ヘイト(差別)ニュースがはびこるのか。「相手はどういう感情を抱くのか」という想像力の欠如がなせる業です。ヘイトによって、人は人に憎悪し、戦争が起き、傷ましい結果をもたらし、人類は反省し、「差別をしてはならない」ということを学んだはずです。 しかし、またもヘイトニュースがはびこる世の中になっています。人種差別だけではありません、LGBT差別、女性差別、職業差別等々、依然としてなくなっていないのだな、ということは心ある人ならネットの言論にはびこっていることに気づいているはずです。本サイトはこのヘイトに対して徹頭徹尾、対峙するものです。

ウェブサイト: https://tablo.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。