今年の夏も暑かった!『コミックマーケット76』その1「コミケとは?」

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筆者を含めたいわゆる“オタク”には年2回のお祭りである『コミックマーケット』(コミケット、コミケと略される)。“同人活動”や“オタク趣味”などに興味のない方々も、一度は耳にした事があるのではないでしょうか。これはコミックマーケット準備会が毎年夏と冬、現在ではお盆と年末に合わせて3日間ずつ行われる世界最大の同人即売会で、基本的には出版社などを介さず、一部専門店を除いて一般的な流通に乗らない同人作品をサークルと呼ばれる作品制作者が直接頒布するイベントです。今夏も8月14-16日に東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開催されました。

“同人”という言葉は古くからあり、明治時代の頃から同じ趣味や志をもった仲間同士が集まっては、文芸の同人雑誌が作られたりしていました。かの夏目漱石や松岡子規も『ホトトギス』という同人雑誌に参加していたのです。近代になると漫画の同人雑誌が作られるようになり、主に学校の部活動やサークル活動で作られては仲間内で頒布が行われていました。

そんな中で登場したのがコミックマーケットです。コミケは1975年の12月に、同人誌即売に特化したイベントとしてスタートしました。このときの中心スタッフは4名。参加サークルは32、イベントの参加者は推定700人と記録されています。そこから現在まで、急増するサークルと参加者により会場の規模は大きくなり、イベントとしても巨大なものに発展していきました。イベント時には日本中、今では海外からも人が押し寄せ、今回の参加サークルは3日間で3万5000サークル、参加者は延べ56万人と、第1回と比べて参加サークルは1000倍以上、参加者は800倍にもなっています。

同人というと漫画雑誌などに掲載されている作品をモチーフに、パロディ作品にした二次創作を思い浮かべる方が多いかも知れません。しかしコミックマーケットにて頒布される作品はそれだけでなく、漫画や小説、ゲームや音楽、文房具やアクセサリーなどの小物、人形や服飾まで多岐にわたります。もちろん二次創作での作品は非常に多いですがオリジナル作品や評論作品を同人作品として頒布し、そこからプロ作家になる制作者も少なくないです。

まさにオールジャンル。もちろん一人でやることではなく何十万もの人が関わる事ですから、法律以外にも人に迷惑をかけないよう当然の制限はありますが“表現したい人”が最大限表現できる場なのです。本を作りたい人は本を出せる、ゲームを作りたい人はゲームを出せる。コスプレをして自分自身が作品になる事だってできます。

ただ、いざ参加してみたいと思っても情報が少なく、どうやって参加すればいいか戸惑う方は少なくないと思います。そこで、全ての参加者のためにコミックマーケットの前にはカタログという参加者向けの情報誌が発売されます。購入は任意ですが、そこにはサークル参加者のリストとともに、コミックマーケットの説明や参加者の心得など多くの有益な情報が掲載されていますので、是非ご一読をおすすめします。

イベント運営者、サークル参加者、一般参加者、全員がイベントを作る人となるのがコミックマーケット。誰もお客さんではなく全員で責任を持って作っているからこそ楽しいのだと思います。ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょう。「その2」ではコミックマーケットで主催側から当日に販売される本についてお話します。

イラスト: ピョコタン

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