今年の夏も暑かった!『コミックマーケット76』その2「コミケットプレス30 レビュー」
前回の「その1」では、コミックマーケットというイベントについて簡単に説明しました。「その2」の今回は、コミックマーケットを主催する準備会から発行されている“本”についてのお話です。
コミックマーケットでは同人作品の頒布はもちろん行われていますが、コミックマーケット準備会側からも、当日のカタログや次回サークル参加申込書が販売されているのです。その中にあったのが今回ご紹介する『コミケットプレス』です。これは参加申込書に無料添付され、サークル参加者ではない一般参加者も100円で購入する事ができます。
コミケットプレスはコミックマーケット準備会とサークル、そして一般参加者がコミックマーケットについて話せるところを作ろうということで創刊されました。毎回コミックマーケットや同人に関わる特集が組まれ、他にも『はたらくおぢさん』と題された、スタッフ外でイベントに関わって働いているおぢさんの紹介(今回はスタッフ用のお弁当やケータリングのおぢさんでした。)や、他のイベント紹介、参加者アンケートに寄せられた質問への回答、投稿された4コマ漫画、前回のイベントから今回のイベントまでのトピックスなどなど、漫画と文章で30ページのボリューム。非常に読み応えがあるのです。
今回の特集では衆議院解散前に国会審議された児童ポルノ法改正についてわかりやすく解説。児童ポルノ法改正という言葉は聞くけれどそれが一体何なのか、取っかかりもないため自分たちにどう関係があるのかすらもわからない人への提言が述べられています。またちょうど今回が15周年の30回記念号ということなので、創刊からの情報がスタッフ対談という形式で掲載されています。これまで30回の特集のタイトルだけでも「自主規制」「税金マニュアル」「著作権って何だろう?」「子連れ参加を考える」などなど、同人活動と隣り合わせの問題が真面目に語られたり、「アンケート集計&スタッフ事務作業」「スタッフの天国な/地獄な一日」「コミケの取材を逆取材」といったコミックマーケットの裏側を見せたりと幅広く題材にされているようです。
毎回イベントの時にしか手に入れられないコミケットプレス。ファンは多いようで、これまでの総集編もコミックマーケット当日に別途販売されています。次回コミックマーケット77は12月29-31日の3日間、夏と同じ東京国際展示場(東京ビッグサイト)にて行われます。次回参加される方は、是非おみやげに1冊手にとってみてはいかがでしょうか。100円とはとても思えない、非常に内容の濃いボリュームですよ。
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