これで解決!リフォームの「想定外」あるある
初めてのリフォーム。不安で動きだせないのはわからないことが多いから。事前に下調べして、つまずきそうなポイントを把握しておけば、安心して進められるはず。経験者の声を参考に、リフォームの”想定外”をつぶしておこう。
1 準備や工事期間中の”想定外”
(画像提供/PIXTA)
狭い空間、荷物の移動にヘトヘト 思った以上にストレスがたまる
準備や工事期間中に多いのは、仮住まいや住みながらの工事にまつわる想定外。在宅での工事は一見、引越し不要で楽に思えるが、狭い空間で家族のプライバシーがなくなったり、水まわりが使えず、コインランドリーや銭湯通いなどの不便を強いられることも
▽▽▽経験者のつまずきポイント▽▽▽
扉やブルーシートでリフォームする部屋を区切っていたけれど、工事期間中はリフォームしない部屋もホコリっぽい状態に。住みながらのリフォームだったので、仕事から帰宅して毎日掃除をするのが大変だった
(茨城県・38歳・女性)仮住まいの手配はリフォーム会社がやってくれたが、その後、自分で引越しの荷物をまとめるのが大変だった。あまりに物が多すぎて……。最終的には断捨離できて良かったけれど、もっと早くから粗大ゴミに出すとか、計画的に整理を進めておけば良かった
(千葉県・50歳・男性)工事期間中、風呂やキッチンが使えないときが一番大変だった。始める前は「短期間だから」と軽く考えていたが、子どももいるし、毎日洗濯はあるし、普段通りの生活ができずストレスがたまった
(京都府・42歳・女性)
これで解決!>>計画的に準備 短期の賃貸利用も視野に
リフォームは長年ため込んだ持ち物を見直し、整理する良い機会。不用品の処分などはプランの相談と並行して、少しずつ整理を進めよう。短期間のリフォームでもホテルや短期賃貸マンションを利用すれば、リフレッシュできてストレスになりにくい。
2 お金にまつわる”想定外”
(画像提供/PIXTA)
「この際だから」で気付いたときは予算オーバー
何にいくらかかるかは始めてみないとわからないことも多い。大きなお金が絡むので、相談しているうちに感覚がまひしてくることも。「せっかくやるならついでにここも」「どうせ変えるならハイスペックな設備に」など、積もり積もって予算オーバーになる危険性あり
▽▽▽経験者のつまずきポイント▽▽▽
太陽光発電、オール電化……やりたいことをどんどん追加していったら、あっという間に予算オーバー。「一生に一度のリフォーム」という思いもあり、どれも削ることができなかった
(千葉県・50歳・男性)2社しか見積もりを取らなかったので、どっちの金額が妥当なのかわからなくなってしまった。せめてもう1社見積もりを取って3社で比較すれば「適正価格」がわかりやすかったように思う
(愛知県・43歳・男性)システムバスや建具などいろいろな商品を見せてもらったけれど、値段の高いものはやっぱりすてき。いろいろと目移りして、結局高いものばかり選んで、貯蓄を取り崩すことに。初めに決めた予算を守ろうという強い意志が足りなかった
(兵庫県・51歳・女性)
これで解決!>>予算を正直に伝え冷静にコスト調整を
予算オーバーは不安だが、それを恐れて最初に伝える予算を低くし過ぎても、期待どおりのプランにならない可能性も。リフォーム会社には、最初にここまでが上限という予算を正直に伝え、どこに重点的に予算を割くか、設備、材料の選び方の相談に乗ってもらおう。
3 会社選びの”想定外”
(画像提供/PIXTA)
どれも同じ?リサーチ不足で決められない
簡単に決められるようで、みんな意外にてこずっている会社選び。ネットのクチコミが気になってそこから先の一歩が踏み出せない人、選択肢があり過ぎて何を基準に選べばいいのかわからないという人、どの会社も同じに見えて決められないという人も
▽▽▽経験者のつまずきポイント▽▽▽
工事の実績や提案プランの内容など、どの会社もいいところがあり、迷ってなかなかきめられなかった
(奈良県・61歳・男性)地元の工務店から大手リフォーム会社までいろいろ選択肢があるが、それぞれ何が違うのか、自分の場合はどんな会社を選ぶのが正解なのかがわからず、ファーストコンタクトまでずいぶんと時間がかかってしまった
(千葉県・50歳・男性)デザインが私好みだったのでお願いするつもりで話を進めていた会社があったが、担当者の連絡が遅く不安に。いったんそう感じると、プランの不備ばかりが目につくようになり、結局、やめて別の会社に依頼。つくづくリフォーム会社選びは難しいと感じた
(東京都・24歳・女性)
これで解決!>>タイプの違う会社で比較 相性も見極めて
規模や運営母体の違う3社程度でプランと相見積もりを取ると特徴や違いがわかりやすい。気になる会社があったら資料をもらって会ってみよう。また、会社選びでは担当者との相性も重要。プランの説明をじっくり聞いて、自分と合う会社を見つけよう。
4 プラン検討中の”想定外”
(画像提供/PIXTA)
動かせない壁、窓、配管 思ったプランにできない!?
プランの想定外といえば、やりたいプランができないと言われること。建物の工法や構造上の制限で希望の間取りにできなかったり、建築基準法やマンションの規約など、法的な制限で希望の設備や材料が使えないといった想定外もある
▽▽▽経験者のつまずきポイント▽▽▽
キッチンを移動させて、リビングをもっと広く開放的にしたかったが、排気口や配管の位置は動かせないことを後から知り、希望する間取りにできなかった。マンションのリフォームはいろいろ制約があって難しいと感じた
(埼玉県・45歳・女性)外装、内装、床材の色を一度に決めなくてはならず混乱した。そもそも小さなサンプル帳を見ただけで決めるのは無理。壁と床の色のバランスがちぐはぐな仕上がりになって、やり直したい気持ちになった。CG写真などで部屋全体のイメージが確認できれば良かったのに
(千葉県・46歳・女性)1人でいろいろなショールームに出掛けてみたが、住宅設備や部材選びの基準がわからず、決めるのに苦労した。もう少し具体的に絞り込むなり、下調べするなりしてから見に行けば良かった
(北海道・65歳・女性)
これで解決!>>現場調査がポイント プロの力を借りよう
間取り変更や設備・素材選びで希望がかなうか、土壇場で想定外が起きないようにするには、最初の現場調査がポイントになる。家の状態を正確に調査してくれる会社にお願いしよう。また、技術レベルのしっかりした会社を選ぶことも基本。施工実績を確認しよう。
ここまで4つのリフォームの想定外あるあると、その回避方法を学んできた。せっかくリフォームで理想の暮らしや家を実現するのに、その途中で疲れてしまったら本末転倒。ストレスなく、後悔なくリフォームを進めたいなら、想定外に備えておくのが賢明なようだ。
構成・取材・文/木村寿賀子
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