「ブラックジャックによろしく原画展 」開催!!

「ブラックジャックによろしく原画展 」開催!!

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今回は、佐藤秀峰氏自らによる「ブラックジャックによろしく原画展 」設営レポートをお届け!

※すべての画像がごらんいただけない場合は https://getnews.jp/archives/252996 をごらんください。

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本日より「ブラックジャックによろしく原画展」が 中野のギャラリー Pixiv Zingaroさんで開始となりました。

この原画展は、「ブラックジャックによろしく」の二次使用フリー化を記念して行なわれるものです。
会場にはコピー機が置かれ、原画データを複製できるようになっています。

詳細はこちらをご覧くださいませ。
で、昨日はその準備で大忙しでしたよ。

約70枚ある原画を1枚ずつアクリルパネルに曲がらないように慎重にセットしてネジ止めし、壁に埋め込んだネジに引っ掛けていきます。
照明の位置を調節して、コピー機をパソコンを繋ぎ…。

僕は夕方まで「特攻の島」の作画をしており、途中からの参加でしたが、それでも結構疲れました。

撮影が完了したのが午後10時過ぎだったでしょうか。
朝から設営を進めてくださっていたギャラリーのスタッフの皆さん、Webスタッフのエビちゃん、ナミちゃん、本当にお疲れさまでした。
今度、ご馳走するね。

たくさんの皆さんのご協力で展示が成り立っていることを実感しましたよ。

完成。

こんな感じで1巻から13巻まで、生原稿がストーリーの流れに沿って展示してあります。

眺めていると、「このページは◯◯君が描いた背景だ」とか、「これを描いてる頃、今の仕事場に引っ越したんだったな」とか、「そう言えば、ベビーER編で 赤ちゃんが死ぬシーンを描いた翌週、子どもが産まれたんだったな」とか、当時の記憶がよみがえってきて、個人的にしみじみといたしました。

思い返すと…そうですね…。

週刊連載はもう二度と経験したくないです。

当時は編集部が連載を休ませてくれなかったので、毎日毎日18時間とか20時間とかひたすら睡眠時間を削って原稿を描いていました。
連載開始当初、同じマンションの1階に仕事場があり、4階に自宅があったのですが、何ヶ月もマンションから一歩も出ることが出来ずに仕事をしていて、久しぶりに駅前まで歩いたら足の筋肉がパンパンに張って、これはヤバイと思いました。
それからは毎日コンビニまでは歩くようにはなりました。

締め切り前になると、編集者から原稿の催促の電話がかかってきて、例えば「明日の朝9時が印刷所の締め切りがギリギリです」などと言われると、当然その日は一睡も出来ません。

「9時までは絶対に無理です」と言っても「皆、各持ち場で待機しているので、がんばってください」と言われるだけです。

お腹が減って深夜にコンビニに行くと編集さんが店内で立ち読みしている姿を見つけます。
前日から仕事場周辺で待機(見張って?)しているのです。
見つかると、仕事もせずにフラフラしてると思われるので、別のコンビニに向かいます。

朝5時頃から再び原稿を催促する電話が鳴り始め、1時間おきに鳴る電話にうんざりし「逃げないので、9時に電話してください」と言って、受話器を外します。
するとマンションの チャイムが鳴ります。
マンションの入り口に編集さんが立っています。

編集者に仕事場に上がり込まれ、原稿を待たれること程、落ち着かないものはありませんが、「先に出来た4枚だけ原稿をくれ」と言って、編集者は僕のイスの後ろに居座ります。
連載は各回20ページ。

作業を急ぐ間、編集者は印刷所や各方面に電話。
「キミのせいでこれだけ多くの人たちを待たせているんだぞ」というプレッシャーを感じさせる作戦でしょうか?

やっと4枚原稿が完成すると、編集者はまた電話。
Fax校了をして、印刷所までタクシーで向かいます。

時間はとっくに9時を過ぎていますが、印刷所に向かった編集者から電話が来て、「印刷所と交渉して夕方まで待ってもらえることになった」とのこと。
「4枚は入稿したので、ここで原稿を落とすと残り16ページは白紙のまま雑誌が店頭に並ぶことになるので、絶対に夕方までに間に合わせてください」などと言われます。
「だから無理ですってば」と何度も言いますが、聞こえないフリをされます。

もう3日くらい一睡もしていません。

遠くからドコドコと地鳴りのような音が聞こえてきて、それが地鳴りではなく、耳鳴りであることに気がつきます。
トイレに入ると、また電話がなった気がしますが、部屋に戻ると電話はかかってきていません。
もうちょっとで幻聴が聞こえそうな気もします。

夕方になり、編集者からの電話に「まだ出来ていない」と伝えるも、「印刷所に交渉して夜まで待ってもらえることになった」とのこと。

またマンションのチャイムが鳴ります。
頭から湯気が出ている編集者が立っています。
近所の銭湯で待機していたそうです。
そう言えば、僕は4日くらいお風呂に入っていません。

深夜になり、やっと原稿が完成すると、「“これで締め切りを落とさなかったら、佐藤さんも一応プロだよね”って編集長と話していました」と、褒められたんだか、バカにされたんだか、よく分からないセリフを残して編集者は去っていきます。

そして、僕は久しぶりの睡眠を手に入れ、5時間後には目覚めて、12時間後には次回のネームを完成させるのです。

これが毎週毎週何年も続き、僕は編集者に会いたくないので、マンション正面の出入り口は使わず、常に裏口から出入りする習慣が身に付きました。

…と、そんな環境で必死に描き上げた原稿達です。

会場では1点物のカラー原画のオークション販売を始め、

会場でしか手に入らない、全巻分の原画のマスターデータの販売もありますよ。
(製版所で数百万円かけてデータを作りました。本格的に二次利用したい方は、こちらがオススメです。)

今週の土曜日には会場でサイン会も行ないます。
22日14時から18時までです。

あまり告知していないので、お客さんもまばらかもしれませんのが、じっくりサインできるかな、と。
会場の中央にはコピー機が置かれ、原稿データをご自由にプリントしていただけるようになっていますよ。
会場内の写真撮影も自由です。


僕ね、あんまり絵が上手くないんです。

でも、魂を削って描いた自信はありますので、見ていただけたら嬉しいです。

本日から10月2日(火)まで。 ※水曜定休
Pixiv Zingaroさんはこちらです。↓

http://manga.getnews.jp/files/2012/09/0002.jpg

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