おニャン子クラブ解散から25年 今年も思い出の地に集う人たち

おニャン子クラブ解散から25年 今年も思い出の地に集う人たち

1987年9月20日、おニャン子クラブが解散した。ラストライブの会場となったのは代々木第一体育館。あれから25年、今年もその思い出の地に集まる人たちがいる。
おニャン子クラブのファンであった人たちだ。解散の翌年から、会場付近でライブの映像を流し、あの頃と同じように声援を送ったり、一緒に歌ったりして思い思いの時間を過ごすのである。
主催しているのは『おニャン子クラブ FINAL LEGEND 実行委員会』。彼らはどんな目的で、また、どんな思いを持ってこのイベントを続けているのか、主催者のひとりであるMさんに話を聞いた。

-このイベントが始まった経緯を教えてください。

Mさん:現在のスタッフは元々イベントの参加者でした。解散1周年後の9月20日、私は代々木体育館に向かいました。特にイベントの告知がされていたわけではなく、ただおニャン子が解散した日に代々木体育館に行きたかったのです。するとそこには同じようなファンが大勢いて、やがてテレビとビデオを持ち込んだ人によって、ファイナルコンサートが流されたのです。
小さなテレビに向かって汗だくになりながら声援を送り、肩を組み涙を流す。客観的には異常な空間でしたが、そこにある“みんなが作ったおニャン子クラブ”は、一年前に解散したおニャン子クラブの歴史が今も続いているかに感じられました。

-参加者数はどのくらいなのですか?

Mさん:カウントしていないので正確にはわかりませんが、おそらく10周年の時が最も多くて、300人以上はいたと思います。出入りが自由なため時間帯によって増減が激しいですが、毎年100~200人は参加しています。

-今年ははどのような会になりそうですか?

Mさん:去年に続いて渋谷BOXX(代々木体育館横のライブハウス)で開催します。ここは、今年で取り壊しになり、来年以降開催できる見込みがないため、これまでの集大成となるようなものとして、いつかまた開催できる時までみんなが楽しみに待っていていただけるようなものにしたいと考えています。

-来年以降はなくなってしまう可能性があると。

Mさん:ただ、イベントがなくても9月20日におニャン子クラブのことを思い出して代々木に来るファンはいるだろうし、そんな人たちと「どうせ会うならみんなで楽しいことやりたいね!」という感じでイベントが出来るのが最高だと思っています。

-25年間で一番の思い出はなんでしょう?

Mさん:何度かメンバーが参加してくれたことです。去年は、国生さゆりさんと我妻佳代さんが来てくれました。ファンの思いだけで続いてきた場所に個人的に顔を出してくれるメンバーがいることはこの上ない喜びです。

-25年間続いた一番大きな要因はなんだと思いますか?

Mさん:皆さんの協力だと思います。誰かがリーダーシップを取ればそれを面白く思わない人も出てくるのが世の中だと思いますが、代々木で会う人達はそういうのがありません。
実際にイベントを形にするのには結構大変なことなのですが、実務以外で余分な気苦労をしなくて済むのはすごく助かります。

-AKB48をはじめとした現在のアイドルブームをどう見ていますか?

Mさん:私はもともとアイドルが好きだったわけでは無く、おニャン子クラブだけに引っかかった人間です。現役で今夢中になっている人には頑張って欲しいですね(笑)。本気で夢中になったものがある人間は、他の人の大切なものを尊重できるようになります。それがたとえ一般的にはくだらなく見えるものでも。

-最後に、あなたにとっておニャン子クラブとは?

Mさん:集団行動が苦手で個人主義、そんな私が初めて連帯感の喜びを感じたのがおニャン子クラブでした。コンサート、イベント、追っかけ、そして代々木のイベント。おニャン子クラブを通じて私は多くの大事なものを学んだと思います。私にとっておニャン子クラブは、あの季節だけの思い出ではありません。仲間と共にこれからもおニャン子クラブの思い出は増え続けていくでしょう。

-ありがとうございました!

今回、Mさんのお話を伺い、おニャン子クラブファンの一人として、あの頃の熱い気持ちがよみがえってきた。
たった二年半という短い期間であったにも関わらず、その活動を終え四半世紀が過ぎてもなお、その輝きはファンの心を長く照らし続ける。あらためてアイドルという文化の素晴らしさを感じずにはいられない。
あの日置き忘れた気持ちを取り戻すため、私も今年、代々木に行ってみようと思う。

おニャン子クラブ解散25周年ビデオコンサートは、9月20日、渋谷BOXXで開催。

※画像は『9.20 おニャン子クラブ解散25周年ビデオコンサート開催のお知らせ』ホームページより http://www.nyahoo-jp.com/info/20120920/

※この記事はガジェ通ウェブライターの「プレヤード」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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