声がだせない少女が取った電話の相手は……!? マンガ「とある間違い電話の話」が優しさに満ちていた

声が出せない真白さんと心が読める心崎さんの交流を描いた矢村いちさん(@yamuraichi)の『声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている』。2020年4月20日にTwitterに投稿された「とある間違い電話の話」では、真白さんのもとに間違い電話がかかってくるというストーリーです。

七草ハナと名乗る相手の電話を、無言で切るのはどうかと思って聞く真白さん。その後一週間も(!)電話の相手をしていたといいます。心崎さんが電話番号を見ると同じ市内。「あそこの七草さん家か」とあっという間に特定します。

ハナさんと同居している夫婦は、家の中でずっとハナさんが独りなのを心配していますが、お互いに仕事があってままならない様子。そんな中、真白さんと心崎さんがハナさん宅を訪れます。

「かわいい声してるね」と、なぜか談笑する流れになる真白さんとハナさん。「なんで真白さんの電話に?」と聞く心崎さんに「色んな電話にかけてみたのよ」といい、心崎さんのことを「心配でついて来たのね。優しい」といい、真白さんも「それな!」と同調。思わず「やめんか!」と恥ずかしがります。そして、夜に夫妻が帰ってきて、「お二人のことは聞いています」と伝える真白さん。「お母さんも私たちの愚痴ぐらい言いたいよね」と思う娘さんですが……。

笑顔で「大好きだって」と伝える真白さん。「独りぼっちにして嫌われているかと思ってた」という娘さんに、ふたりはハッとさせられます。「外に友人を作れば、二人の荷が軽くなるんじゃないかって」と思う真白さん。ハナさんが「本当にいい子よね」と感じるのが伝わり、心崎さんは「まさかな」と思うのでした。

その後、夫妻が時間を持てる仕事に転職してこのお話は締められています。ハナさんも「心が読める」人だったという描写に、読者からは「最高」「みんな優しくて暖かい」という反応のほか「心の声には声色がついてるのか」「心を読める人は一定数いる?」という考察に花を咲かせる人も多数いました。

この作品について、「元々2人のキャラデザ、設定が別々にあって、声がだせない少女と心の声がきこえる少女が出会ったらどんな物語になるかな、と考えたのがきっかけ」で着想したという矢村さん。「今回だけに限らず、感想はとても励みになります。実際、感想をこんなに頂かなかったらこのシリーズをこんなに書き続けられたか分からなかったです」とコメントしてくれました。

『声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている』はTwitterとは別エピソードが『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で現在連載中。「単純で凡庸なことだけど人に対する優しさを伝えたい」という矢崎さんが描く優しい世界に浸りたいという人はぜひチェックしてみてください。

※画像はTwitterより
https://twitter.com/yamuraichi/status/1252148380089778177 [リンク]

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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