Self Isolation Issue :「今後の行動が僕の周りの大切な人たちを守ることである」清水文太/How to Survive – Bunta Shimizu
フィジカルには距離を置かねばならない現状に際し、アイデアや情報のシェアでポジティヴに自宅での時間に向き合うための「Self Isolation」特集。アーティスト/クリエイターによるいまの状況への向き合い方やオンラインで楽しめる情報などを随時アップデートしていく。
自身がファッション・アイコンであると同時に、愛と毒を内包するような独自のスタイリングや詩作のような言葉と音を組み合わせた音楽活動など多様なクリエイティヴで注目される清水文太。みんなが違っていて、それぞれの人間に正しさがあるという思想を根底を持つ彼は、自分の行動が与える影響を自身で判断した動きをいちはやくとり、それをSNSで公開。危機に対面した時の分断を懸念しながらも、ポスト・パンデミックをよりよい未来とするべく建設的な時間を過ごしている。
ーー新型コロナウィルス感染症(COVID-19)で生活、クリエイティヴそれぞれの面でどのような影響が出ていますか。
清水「僕自身、多ジャンルでの仕事を任されることが多いのですが、どの分野も関係なくキャンセル・延期が相次いでいます。僕の周りの友人も、どんどん仕事が無くなり、余裕がある状況ではないと感じている」
ーーこの側面で新たに気づいたこと、心がけたいことがあれば教えてください。
清水「何が大切か、そして今までの当たり前なことがいかに素晴らしいことであったのか、そして、今後の行動が僕の周りの大切な人たちを守ることであると改めて気づきました。皆であつまって、他愛のない話をして、海辺へ散歩して(僕は海沿いに住んでいます) ご飯を食べて、朝まで語り尽くせぬくらいの話をするような、友人知人との時間。
『僕がもし新型コロナウイルスにかかっていたら』相手にうつしてしまうかもしれないと、大切な年上の友人や、僕のことを守ってくれた家族のような存在、大切な人となるべく会わないようにしたり。反対に考えれば、人生において誰が大切か、何が大切であったかを必死に考えることのできるいい期間となりました。仕事もプライベートも含めて」
ーーロックダウンに向けての精神的、物理的対応があればお聞かせください。
清水「そのような事態になったときは、なるべく周りの人との連絡を絶やさないようにしたい。ZOOMなどの映像アプリなどもあるので、なるべく活用して社会との分断という状態にならないようにしたい。そうすることで、互いの状況がわかるし、ロックダウンによって起こる閉塞感を緩和できると思う。『また会おうね』って伝えられるし」
ーー自身の活動を鑑みて、室内でどのような創作が可能だと思いますか。
清水「ポスト・パンデミックの世界をより良くするために、僕であれば、今仕事で来ているものを在宅で進めつつ、スタイリング・ディレクション案を考えたり、サイトを作ったり、楽曲を作ったり、これからやる企画の流れを作ったり、新たな目論見を考えたり。色々やることは尽きない。エネルギーをきちんとチャージしながら、やれることはやる。
また、創作とは違うベクトルだが、本を読んだり、普段時間をゆっくり取らなければすることのできないことをするのは、良いかも。
僕は最近樹村みのりさんの漫画が好きなのですが、今は『歪んだ鏡』という漫画を読み終えました。彼女はコマ割りが魔法使いみたいに斜めから飛んできたりする。内容も社会や人間心理に踏み込むものも多く、世の中のこと、将来のことを予想して描いていると読者側からして感じます。
僕、音楽もつくっているのですが“言葉”と“城”、この2曲は対にして作ったんです。樹村みのりさんの漫画を読んでいると『こんなこともあるけれど、こんな理不尽なこともあるけれど、それでも人間だから前を向かなきゃ』というメッセージが隠れている気がします。そこに僕の曲は親しいものを感じました。( このサブスクリプション配信限定のアルバムは、なにより聴くと体力使うので、こんな機会だからこそ聴いてほしい気持ちもある)
色々、やることはいくらでも存在しますね。やっぱり。今は、確定申告のレシートを集めています、ギリギリですね、頑張ります(笑)」
ーーオンラインの活用方法や1人でもできる施策など、良いアイデアがあればシェアをお願いできますでしょうか。
清水「上に記したZOOMもそうですが、人とコミュニケーションをとる方法があるから、せっかくなら使ったほうがいい。そして、いま経営危機に陥っているお店もすごい多い。そういう人らに向けたオンライン支援サービスとか、あったらいいのかなと思います。飲み屋だったら、オンライン飲み会で投げ銭にして渡すとか、でもこれはコンサルティング的な話になるので、敢えて書きません(笑)」
ーー新たにチャレンジしてみたいことはありますか。
清水「チャレンジというか、今生活において行っていることは運動と食事ですね。生活が荒れている時期もあったので(人生がそもそも荒れてることもしばしば存在したのですが(笑))とりあえず、筋トレ道具を買い本格的にトレーニングを始めたり、自炊も始めて、自分で食事を作ることの有意義さを学んでいます。
あと、一般教養的な勉強も始めた。学びたくて。将来的に大学(通信かな)も行きたいし、いい機会かなと。せっかく、こういう状況なのなら、全力で今までやれていなかったことをやりたい。この文章を書き終わったら、模様替えもしよっと」
ーー事態が好転し、COVID-19が収束したらしたら何をしたいですか。
清水「また、皆と会って笑い合いたい」
ーー政府の施策は満足できるものだと思いますか。もしNOであればどのようなことを提案したいですか。
清水「今の政策もそうだけれど、この情報を小出しにして皆を混乱させている状況はとても危険な気がします。どれが本当かわからなくなるから。そして、この状態が続くと(法律的に自粛要請、という形しか取れないのかもしれないけど)“どうしても仕事に行かなければならない人”と“家に絶対いなさい!”という人の分断が起こってしまうことがとても危ない。そうならないように、まず企業・個人事業主向けの支援ができたらと思います。
当たり前のことしか言えないのですが、その当たり前なことができたら、今ある懸念がすべて解消されるはず。その舵取りをしている安倍総理、東京都であれば小池都知事のことを応援しています。だって、彼らを選んだのは結果的に国民だ。だから、今は最善の策をとってもらうように、お願いしたいと僕は思う」
清水文太
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