【編集部責任批評】Xbox360『バイオニックコマンドー』プレイレビュー
20億円もの開発資金を投じたものの、1週間での売り上げ本数がXbox360版とPS3版を合わせても1万本に満たなかったゲームソフト『バイオニックコマンドー』(カプコン)。ゲームの楽しさは開発費と比例するとは思わないものの、かなり気合を入れて開発したゲームであることは間違いない。
さらに、この『バイオニックコマンドー』を開発したベン氏(通称・ベンベン)は、幼少のころからカプコンのゲームの大ファンで、『バイオニックコマンドー』のファミコン版を夢中で遊んでいたという人物。夢を実現させ、実際にカプコンに入社して担当したゲームが、くしくも『バイオニックコマンドー』だったというバックストーリーも……。
しかし、最終的には『バイオニックコマンドー』が55万本も売れたことが、カプコンの発表により判明。今回は、そんな『バイオニックコマンドー』のプレイレビューを掲載したいと思う。
・やり込まないと快感が湧かない
『バイオニックコマンドー』は3Dアクションゲームで、主人公は遠方にまで射出することができるワイヤーの先端を建物や障害物に固定させ、単なるジャンプでは進むことができない場所に移動していく。ワイヤーは敵に対しても有効で、敵の胴体にワイヤーを射出して攻撃をすることもできる。移動中に武器が手に入るので、銃や鈍器などを武器として攻撃することも可能だ。
それらのことを繰り返しつつ、ステージの奥へ奥へと進み目的地を目指す。ステージよってはボスがいるので、ボスを倒したり、敵を全滅させるなどの条件を満たすことでステージクリアとなる。それが、『バイオニックコマンドー』の基本的なゲーム展開である。
『バイオニックコマンドー』は非常に丁寧に作りこまれたゲームだ。細部にまでこだわって描かれたグラフィック、そして効果音や映像の描写。どれをとっても素晴らしいクオリティである。しかし、このゲームはやり込まないとその楽しさを感じることができないゲームなのだ。ゲームをやり尽くしてゲームがスムーズに展開するようになると、非常に快感を得られるゲームとなっている。
カーレースゲームで、こんな経験はないだろうか? ドリフトをするポイント、加速するべきペイント、ライバルカーを追い越すポイント、すべてを把握した状態で独走することができると非常に気持ちいいものだ。すべてを知っているからこそ、最速で走ることができ、1位でゴールすることができるのである。
『バイオニックコマンドー』はまさにそれで、どこでどのように何をすればいいのか、自分の手と脳にインプットされている完璧な状態でプレイをすると、非常に気持ちよくゲームが展開していく。完璧に作られた美麗でリアルな世界を縦横無尽に突き進む。それができてはじめて、快感を得られるのである。
つまりこれは、良い意味での “覚えゲー” なのだ。覚えゲーとは、どこで何をすればいいのか知っていればどんどん進むことができるゲームを意味する。知らなければ不条理な死に方をすることもある。よって、何度も死ぬ経験をしながら覚えて進めていくゲームというわけだ。
しかしながら、『バイオニックコマンドー』はやや難易度が高めである。特に中盤にさしかかるあたりから、何度もゲームオーバーになってしまうというプレイヤーも多いことだろう。このゲームを評価するならば、人を選ぶ良作といったところか。誤解なきよう最後に付け加えておくが、ゲームとしてのクオリティは高い。4,000円くらいであれば、購入する価値のあるゲームといえよう。
<ゲーム情報・評価>
タイトル: バイオニックコマンドー
メーカー: カプコン
プラットフォーム: Xbox360/PS3/パソコン
プロデューサー: ベンベン
発売日: 2009年6月25日
定価: 7,340円(税込)
査定価格: 4,000円(税込)
総評: ★★★(星5つが満点)
(C)CAPCOM CO.,LTD. 2009 ALL RIGHTS RESERVED.
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