『女性自身』の『医師が提言する「いまやめるべき薬」』記事がWebで批判殺到→削除! 3月24・31日合併号に掲載

週刊誌『女性自身』(光文社)3月24・31日合併号に掲載された記事が『医師が提言する「いまやめるべき薬」、ウイルスに備えるために』と題されて2020年3月18日にWebに掲載され、Yahoo!ニュースなどポータルサイトにも配信。薬剤師の宇多川久美子氏に話を聞き、胃薬・抗生物質・鎮痛剤・解熱剤・ステロイドが「やめるべき薬」として挙げられるという内容ですが、ネットで批判が殺到。『女性自身』のWebサイトや配信先から削除される事態となりました。

帝京大学ちば総合医療センターの荻野昇医師(@Noboru_Hagino)は、記事の問題点を次のように指摘。

1. 医師が提言していない。
2. いま処方されているステロイドは継続が必要。
2-1. 突然の中止は、最悪の場合、生命の危険も。
2-1-1. いま医療現場の仕事を増やさないで。

最悪の記事。
ちょっと抗議に行ってくる。

荻野医師は、この他にも宇多川氏の主張の信憑性を問題視し、記事中の「お医者さんたちは、ひとり診療を終えるたびにお茶を飲んでいます。口内にウイルスが入ったとしても、胃まで流し込めば、胃酸の力で殺してしまえるからです」というコメントを否定。「漫然と処方されている不要な薬を減らそうという一般論には賛成ですが、個々の意見には疑問があり、一部、医療現場での仕事を増やす可能性があります」として不適切な記事と断じています。

ほかにも、多数の医療関係者が抗議の声を上げています。

何回も言うが、「人は新型コロナのみにて死するにあらず」だ。

この記事を間に受けて減薬した結果元々の病気が悪化したり死んだりしてもこのヤブ薬剤師も腐れ雑誌も絶対に責任はとってくれない。決して信用するべからず。

・ステロイドを長期に内服している方が急に中断すると副腎不全を起こします。最悪死に至ります。
・抗生物質は細菌感染の治療として処方されます。コロナに罹っても細菌感染の治療継続は必要です。
・お茶は美味しいです。以上。

医師ですが絶対に勧めません。大丈夫ですかこの雑誌?

根拠も乏しく、内容も全く賛成できない記事

著者は減薬系の書籍の著者のようですが、何でもかんでも減薬すればいいわけではありません

とくに生命活動の維持に必要な薬もあります

くれぐれも信じてめったやたらに減薬しないように
あなたが信用すべきは担当医です

誌面を見ると、『コロナウイルスに負けないために 今、やめるべき薬5』というタイトル。Web版と比較すると、薬師寺氏の「やめるべき」という薬の理由のコメントが掲載されています。

「風邪やウイルス感染には、抗生物質を飲んでも効きません。それどころか、抗生物質は腸内殺菌を殺す働きをしますから、腸のバランスをくずし、免疫力を下げることになります。胃薬と同様、今いちばん避けたい薬です」
「ウイルスは熱に弱いため、私たちは体温を上げることでこれと闘います。あまりに体がつらければ医療機関での診察が必要ですが、我慢できる範囲であれば、解熱剤の使用を控えてください。
 さらに、インフルエンザで発熱した場合、アセトアミノフェンという解熱剤しか安全が確認されていません。間違った解熱剤を飲むと、脳症を起こす可能性があるので、解熱剤の服用には十分な注意が必要なのです」
「ヒスタミン系は問題ないので、ステロイド以外の薬を選択できるようであれば、そちらに切り替えてほしいところです。
 また、花粉症やアレルギー疾患は、自律神経のバランスが乱れることで症状が悪化しますから、睡眠をしっかりとる、食生活に気をつけるなど、ふだんの生活習慣を見直す必要があるでしょう。(後略)」

 2020年3月19日午前の段階で、『女性自身』がWebの記事になぜ「医師が提言する」とタイトルに入れたことや、記事削除の理由についての説明はなされていません。人命に関わる内容の記事を扱っている以上は、掲載理由などの説明責任を果たすべきなのではないでしょうか。

※トップ画像は『女性自身』Webサイトより(現在は削除)

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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