ハッカー集団がコミケで怒りの清掃活動をするも不発

ハッカー集団がコミケで怒りの清掃活動をするも不発

3日間で56万人もの入場者を集め、震災前とほぼ同程度の賑わいを回復した『コミックマーケット82』。その盛況の裏側で、あの『アノニマス』が暗躍していたのをご存知だろうか。

 

アノニマスといえば、情報の自由に対する敵とみなした官公庁や企業のサーバーに大規模なクラッキング攻撃をしてダウンさせたりするなどの活動で知られる国際的ハッカー集団。そんな彼らが、「表現の自由を守るため有明で抗議活動を行う」との“犯行予告”を行ったと聞いて、記者は現地に飛んだ。表現の自由に関してはこれ以上ないほどフリーダムな同人誌即売会で、いったいどんな活動を仕掛けるというのだろうか?

 

8月10日の15時すぎ。“犯行予告”があった有明の『やぐら橋』付近は、アノニマスの活動を警戒するために集まってきた警察官が配置され、何やら物々しい雰囲気に包まれていた。とそこに現れたのは、例のガイ・フォークスマスクを被ったアノニマスのメンバーと思しき黒服の男たち。いったいどんな活動を始めるのかと思ったら……白いゴミ袋を取り出してそこらに落ちているゴミを拾い集めたぞ?

 

数人しか参加者のいない規模の小ささと、あまりにも平和的な抗議活動に、警戒中の警察官も拍子抜けしてしまったのか、特に静止するでもなく遠巻きに見守るのみ。また、NHKの取材班も来ていたのだが、彼らの顔には明らかに“ガッカリ”な表情が浮かんでいた。

 

実はこれと同様の清掃活動は今年の7月に渋谷でも行われており、その時は50人以上のアノニマスメンバーが参加し、テレビのニュースでもその模様が紹介されるほど大きな注目を集めていた。しかし今回の参加者ははほんの数名で、しかもコミケ会場という場所柄、“アノニマスのコスプレ”としか見えなかったためか、戦利品を抱えて家路を急ぐ“大きなお友だち”からの注目度も低め。ユニークで紳士的・平和的な抗議活動を通じてメディアへの露出を狙ったアノニマスの目論見も、今回ばかりは外れてしまったようだ。

ハッカー集団がコミケで怒りの清掃活動をするも不発

アノニマス日本支部の公式ハッシュタグとされる『@Operation_ACS』のツイート「【緊急行動】明日8月10日。我々は表現の自由を弾圧するACTA協定の批准を阻止するため、有明で清掃行動を行う。賛同する同志は、仮面を持て。我々は全ての者の表現の自由を守るため、徹底して闘う。期待せよ。」に応じて参集したアノニマスメンバー。記者が確認した3人はコミケ会場のコスプレ広場で集合してから、やぐら橋へ移動していた。やっぱりこれってただのコスプレイヤーなんじゃ……? NHKの取材班が一応撮影はしていたが、実際にニュースで使われることはなかったようだ。

 

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