アウトプットが思うように出せない部下や同僚にイライラ…「仕事ができない人」の特徴と対応策とは?

アウトプットが思うように出せない部下や同僚にイライラ…「仕事ができない人」の特徴と対応策とは?

「いつもメールのレスポンスが遅い」

「同じミスを何度も繰り返す」

「どうでもいいことに時間をかけ過ぎる」

働き方改革が叫ばれる昨今、仕事の効率化が今まで以上に求められています。限られた時間でアウトプットを出す必要があるため、「仕事ができない人」を放置するわけにいきません。「仕事ができない人」との向き合い方に注目が集まるようになりました。

人柄は悪くない。でも仕事を任せるのは不安だ、という部下や同僚はどこにでもいるもの。そこで今回は広告代理店勤務時代に3000人以上のVIPと交流し、彼らの「仕事ができない人との付き合い方」を観察している気配りのプロフェッショナル・後田良輔さんに「仕事ができない人と円滑に仕事を進めるための対応策」について話をうかがいました。

仕事ができない人

仕事ができない人にイライラする原因は「ルールの不徹底」にある

仕事ができない人が職場にいると、日々イライラする場面に遭遇します。例えば「優先順位の低い仕事から取り掛かる」「毎回、会議に5分遅刻してくる」「企画書の数字に誤植が多い」などがその典型です。もちろん人間ですから誰だってミスはします。でもいわゆる仕事ができないと言われる人は、そのミスを繰り返す傾向があります。そしてその繰り返しのたびに、あなたや周囲のストレスが溜まっていく悪循環になっていきます。

私が付き合ってきたVIPたちはそんな悪循環を解決するすべを発見していました。それは「ルールを統一する」ことです。

例えば「野球」と「サッカー」のルール。野球は、攻撃と守備を交互に行いますが、サッカーは攻守が目まぐるしく動いていきます。あるいはサッカーは足でボールをコントロールしますが、野球は手でボールを扱うことができます。どちらが正しいということではなく、単純にルールが違い、そしてルールを参加者も観戦者も全員が共通認識しているからこそ、スポーツは盛り上がります。

このようなルールが実は仕事にも存在しています。しかしやっかいなのは、仕事においてのルールは「暗黙のルール」になっており、共通認識がなされていないことが多いのです。社会人だから仕事のルールぐらいわかって当然と考える人は、そもそも仕事ができる人です。仕事ができない人はこの暗黙のルールが理解できず、「普通ならこうする」という常識を、自分なりに解釈し行動しています。野球とサッカーのルールが異なるように、仕事におけるルールが異なっていたら、どんなに優秀な人でも評価はされません。仕事ができない人から受けるストレスは、このルールの不徹底から生み出されていることが多いのです

共通のルールを作るときは、主語を「私たち」にする

仕事ができない人から受けるストレスを減らすために、最も有効な方法は、共通のルールを作り、言語化すること。その際、使えるのが「主語を変えるというテクニック」です。 「私は会議の5分前に席に着く」→「『私たちは』会議の5分前に席に着く」

「私は仕事に優先順をつける」→「『私たちは』仕事に優先順位をつける」

「私は報連相を心掛けている」→「『私たちは』報連相を心掛けている」

上記のように主語を「私」ではなく「私たち」に変えて行動することをルール化しましょう。千差万別という言葉があるように、人はそれぞれの価値観で動いています。だからこそ「私たち」という視点で、チームとして何を大切にするのかをきちんと共有する必要があるのです。「これくらいできるだろう」というのはデキる人の独りよがりな考え方です。「自分とは違う考え方をする人がいるかもしれない」と考え、ルールを共通化するのが職場の生産性を向上させる第一歩となります。

「私たち」という言葉は、ストレスを減らす魔法の言葉です。ぜひ「私たち」というチームの視点でどうあるべきかと考え、ルールの統一化を図ってください。

仕事ができない人の傾向と対応策

次から典型的な仕事ができない人の特徴とそれに対しての対応策をお話ししていきます。簡単に取り組めるものばかりですので、ぜひ皆さんの日常に取り入れてみてください。

1.同じミスを繰り返す

「やるべきことを忘れる」「聞き間違える」など、同じミスを繰り返す人がいます。その原因は、自分は暗記できると思っているからです。そこで「私たちのルール」を使い、指示を受けた場合はノートにメモを取るということを皆で徹底しましょう。暗記は油断とミスの温床です。指示を出した人間の前で、相手に見えるようにメモを取り、それを音読して指示を復唱するということを私たち全員でルール化すれば、ミスを防ぐことができます。また万が一、それでもミスをしたらきつく注意をする理由にもできます。暗記ではなく、指示の見える化を意識してください。

2.時間にルーズ

「会議に遅刻する」「スケジュールが守れない」など、時間にルーズな人もいます。そのルーズさの原因は「自分のペース」のまま自由に行動することを許可しているからです。仕事における時間とは、本来その業務に関わる人間すべてで共通化されるべきものです。時間のルーズさに困っているなら、時間ルールにおいても「私たちの時間ルール」を設定しましょう。相手任せに自由に時間を管理せず、「私たちの会議の集合時間は5分前」「私たちの仕事の納期は〇日の×時まで」と共通の約束まで細かく決めてしまうのが有効です。

3.指示をもらわないと行動しない

「指示したことしかできない」「状況に合わせて行動するという発想がない」というのも仕事ができない人の典型事例です。実はこれに該当する人は「自分は仕事ができる」と勘違いしているケースが多いのです。ここでも「私たちの仕事の完了における基準」を共通化させましょう。「〇〇を終えたら『ほかに何かないですか?』と聞く」「イレギュラーな業務が増えた時に優先順位を確認する」など、できる人が当たり前にしているルールを、具体的なアクションまで明確にして「私たちのルール」にしていくのです。

VIPが行っている仕事ができない人へ一歩踏み込んだ対応とは

相手にやってほしいことをきちんと伝え、「私たちのルール」にすれば、それが回りめぐって、やがて自分のところに恩恵が還ってきます。この原則を知っているVIPたちはさらにもう一歩踏み込んだ対応を仕掛け、それを最大化していました。それは「相手に合わせた物の言い方を仕掛ける」という工夫です。不安で泣いている子どもを安心させるには、相手の目線までしゃがんで話しかけるのが有効なように、仕事ができない人にも相手が安心しやすい話しかけ方が存在します。相手が理解しやすい言葉やトーンで話しかけてみてください。相手の成長を助けたいという好意の意識を込めて話せば、なお効果は倍増します。人の好意や誠意は必ず相手に伝染します。この相手に合わせた物の言い方という神対応が、人の力を借り、仕事のパフォーマンスを最大化している人の極意です。

【まとめ】「共通ルールの徹底」を見直してみる

仕事ができない人が生まれる原因は、職場におけるルールの不徹底にありました。それぞれが別のルールで動いていたら、いくら能力が高い人同士でもトラブルが起こるのは当たり前です。人の常識は千差万別。チームの力を最大化するためにも、ルールの共通化を意識的に行ってみましょう。「大人なんだから常識でわかるだろう」というのは、昔のアナログ人間の発想です。仕事の円滑さは、ルール次第で180度変えることができます。ぜひ「私たちの共通のルール作り」を意識してください。

プロフィール

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。

著書に、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)『1秒内定面接術」』(インプレス)など。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界からキャリアの悩みをなくすこと」をミッションとする。

 

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