映画クロスレビュー:超絶大ヒット映画の続編『アナと雪の女王2』はキッズも楽しめる?
いよいよ11月22日より公開となる『アナと雪の女王2』。試写会で一足お先に映画を観てきた記者たちによるクロスレビューをお届け!
【ストーリー】命がけの妹アナによって、閉ざした心を開き、“触れるものすべてを凍らせてしまう力”をコントロールできるようになったエルサは、雪と氷に覆われたアレンデール王国に温かな陽光を取り戻した。そして再び城門を閉じることはないと約束した。それから3年――。
深い絆で結ばれたアナとエルサの姉妹は、王国を治めながら、失われた少女時代を取り戻すかのように、気の置けない仲間たちと平穏で幸せな日々を送っていた。しかしある日、エルサだけが“不思議な歌声”を聴く。その歌声に導かれ、仲間のクリストフやオラフと共に旅に出たアナとエルサは、エルサの持つ“力”の秘密を解き明かすため、数々の試練に立ち向かう。果たしてなぜ力はエルサだけに与えられたのか。そして姉妹の知られざる過去の“謎”とは? 旅の終わりに、待ち受けるすべての答えとは――。
監督:ジェニファー・リー、クリス・バック
製作:ピーター・デル・ヴェッコ
歌曲:ロバート・ロペス、クリステン・アンダーソン=ロペス
アナ:クリステン・ベル、神田沙也加
エルサ:イディナ・メンゼル、松たか子
クリストフ:ジョナサン・グロフ、原慎一郎
オラフ:ジョシュ・ギャッド、武内駿輔
(C)2019 Disney. All Rights Reserved.
密度は高いけど重くはない「2」。畳みかける展開と完成度を体感してほしい
満を持して登場した「アナ雪」、タイトルはまさかのナンバリングで「2」の文字。最近の映画タイトルには珍しい感もありますが、観て納得しました。1があるからこその2となっているのはもちろんなのですが、1の内容を超えかねない密度の仕上がりです。情報量そこそこ多いです。けど、疾風のような軽やかさで駆け抜けていきます。
思い返すと前作って、「Let it go」のイメージもあって全体的に軽やかな印象ありませんでしたか? しかしテーマを掘っていこうとすると1もそこそこ骨太なんですよね。そこは今回も一貫しているので、前作以上に繰り返し観られる内容だと感じました。エルサやアナのキャラクターとしての描かれ方はかなり緻密です。あと(今はこんな言い方しかできないのですが)観終わった人と、オラフのアレやクリストフのアレについて、話したいです。
正直、今までのディズニーには無かったかもしれない要素や試みが随所に見られるのではないでしょうか。1があってこの2があることで、物語全体の完成度が格段に上がった作品だと感じました。
臨場感もすばらしく、まるでアトラクションを体験しているかのような“勢い”は是非体感してみてください。
(オサダコウジ)
レリゴー旋風以降に生まれた娘を連れていけるか、という視点で見ると……
大人になっておてんば感の薄れたアナが、エルサ、オラフ、クリストフらとアンサンブル曲『サムシング・ネバー・チェンジ』を歌う多幸感あふれる序盤。「あぁ、エルサが城に戻ってから、さぞハッピーな時間を過ごしてきたんだろうなぁ」と空白の3年間に思いをはせてさっそく目頭が熱く……。解禁済みのメイン楽曲『イントゥ・ジ・アンノウン』も、今作で背負うエルサの心情が乗っかると5億倍くらい感動的に聞こえます。
……ですが、中盤以降はというとダークな予告編を見て抱いた不安が的中。ん~、レリゴー(に相当する楽曲)歌う気マンマンで劇場にかけつけたキッズたちにとってはテーマが重すぎやしないか?
冒険の目的が前作よりやや難解なのはさておき、全体的に画面が暗いシーンや不穏な音楽使いが多く、いくつかショッキングな展開も。基本的にアナの視点で一直線に冒険が進んだ前作と違い、今作ではストーリーがいくつかの視点で分岐するうえに過去の話も盛り込まれるので、どうしてもプロットが複雑化しちゃうんですよね。
もうすぐ3歳になる『アナ雪』大好きっ子の娘と見るつもりでいたのですが、集中力が続くのはもう少し上のお兄さん、お姉さんからかなぁ。というか、2歳児が繰り返し見たくなる前作が素晴らしすぎたワケですが。コメディリリーフとしてのオラフは健在で、前作以上の笑いを届けてくれることは書き添えておきます。歌とオラフの場面だけで十分楽しめちゃうかも?
ディズニー伝統のファンタジー世界をド直球に掘り下げ、キャラクターのアイデンティティーの問題や、それを探し求めた先の選択を描いた本作。終盤の感動的シーンでは見事に泣かされちゃったし、大切な1本として娘がこの作品に出合う日が楽しみです。
(よしだたつき)
良い意味で泣けなかった!(個人比) 笑いと爽快さを強く感じた続編
『アナと雪の女王』の劇場公開が6年近く前ということに、まずは一番驚いているわけですが。東京ディズニーリゾートでも定番のキャラクターとなり、映画の影響で幼稚園・小学生女子の好きな色が水色や紫に変わった……とも言われている社会現象的な大ヒットだった『アナと雪の女王』。当時筆者も想像していたのとは違うストーリー展開に驚き、涙し、登場人物たちの大ファンになったわけですが、本作『アナと雪の女王2』は涙することはなく、最後まで爽やか爽快な気持ちで鑑賞しました。
それは感動が薄いとか、思った通りの展開だった、というわけでは全く無く! 今『アナ雪』を見返すと少しだけ感じてしまう独特の“ウェット”さが本作には無くて、「愛」を描いているにも関わらず終始カラッとしていたからなんです。ここに関しては、筆者と真逆の意見を持つ方もいるとは思うのですが、個人的にはそう感じました。
また、ポスターが公開になった時にちょっと寂しい印象を与えていた様に思った落ち葉や、突如現れた新キャラクター「サラマンダー」も、なるほど!という役割を果たしていて、こちらも素晴らしかったです。そしてこれだけは言わせてください。オラフが超活躍! お楽しみに。
(藤本エリ)
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