カレーのじゃがいも!種類で溶け方や食感、味わいがこんなに違う
人気定番料理のひとつであるカレーは、材料となるじゃがいもの品種によって、風味や食感が変わります。そこで今回は、じゃがいもの品種によってカレーの仕上がりにどんな違いが出るのか、実際に作って比べてみました。
じゃがいもの品種別、カレーの仕上がりの違い
今回使った品種は、メークイン、とうや、キタアカリ、男爵の4種類です。じゃがいも以外は同じ材料、同一のレシピでカレーを作って比較してみました(VEGEDAY調べ)。
●メークインを使ったカレー
[品種の特徴]
メークインは、長卵形でくぼみの浅い形状で、淡い黄色の果肉が特徴。粘質系の代表品種で、煮崩れしにくのでシチューや肉じゃが、煮もの、炒めものなどによく用いられます。
[じゃがいもの状態、食感]
煮崩れがほとんどないため、煮込むことでの状態への影響がほとんどなく、メークインの持つ果肉のなめらかな食感がそのまま楽しめます。
※じゃがいもの味わいや食感を、独立した状態でしっかりと感じたいのであれば、最も煮崩れのないメークインがおすすめです。
[カレールーの味わい、食感]
じゃがいもが煮崩れないため、ルーへの影響がほとんどなく、カレーそのものの味わいが楽しめます。ルーの食感は、さらさらとしています。
●とうやを使ったカレー
[品種の特徴]
とうやは、大つぶの丸形でくぼみが少なく、果肉は黄色で、粘質のあるなめらかな食感が特徴です。煮崩れが少ないので、シチューや煮もの、ポテトサラダなどに向いています。
[じゃがいもの状態、食感]
角(周囲)だけ少しだけ煮崩れますが、ほぼ形は残っている状態。食感はなめらかで、たんぱくな味わいです。
※メークインの独立した食感と比べると、角が溶けた分だけ少しルーに馴染んだ感じがありますが、溶けなさ過ぎず・溶け過ぎずのちょうど中間。
[カレールーの味わい、食感]
煮崩れが少ないので、カレールーはスパイシーな味わいです。ルーの食感はさらっとしつつも、軽やかなとろみが感じられます。
●キタアカリを使ったカレー
[品種の特徴]
キタアカリは、明るい黄色の果肉で、粉質のため、ホクホクとしながら、なめらかな食感が特徴です。栗じゃがとも呼ばれています。
[じゃがいもの状態、食感]
角や側面など全体的に煮崩れていますが、煮込んだ後も、ホクホクとした食感と粘り気が感じられます。
※メークインやとうやと比べ明らかに溶けやすいので、果肉の特徴を感じつつも、ルーに溶け込んだ食感が好き、という方におすすめです。
[カレールーの味わい、食感]
ルーの味わいへの影響は少ないです。食感は、煮崩れ方が大きいためサラサラ感はなく、なめらかな感じです。
●男爵を使ったカレー
[品種の特徴]
男爵は、球形の形状で果肉は白く、粉質なのが特徴です。ホクホクとしており、粉ふきいもやマッシュポテト、コロッケなどに最適です。
[じゃがいもの状態、食感]
角も側面も大きく煮崩れし、煮込む前と比べるとかなり丸みをおびた状態に。煮崩れせずに残った部分の食感はほろほろとしており、ルーの水分が感じられました。
※4種類の中で最も煮崩れるため、ルーにしっかり馴染んだ状態のじゃがいもが好き、という方におすすめです。
[カレールーの味わい、食感]
溶け込みが大きいため、ルーの味わいにじゃがいもの甘みが加わり、スパイシーさが軽減されます。食感は、じゃがいもの粒が感じられるため、ぽってりとした感じです。
メークインととうやは煮崩れしにくく、キタアカリと男爵は煮崩れしやすい品種です。実験を経て、品種によって、カレールーの味わいやとろみなどにかなり違いが出ることがわかりました。
最後に
じゃがいもの特徴を知って品種を使い分け、カレー以外でもいろいろな料理で楽しんでみてください。
[じゃがいも]茹で方や保存法、品種別レシピの紹介
じゃがいもはビタミンCが豊富。炭水化物を多く含みますが、米やパンにくらべて低カロリーです。緑色になった皮や発芽部分には有害なソラニン という物質が含まれるので、その部分は厚めに皮をむき、完全に取り除いてから使いましょう。
最終更新:2022.12.27
文:アーク・コミュニケーションズ
写真(撮影):清水亮一(アーク・コミュニケーションズ)
写真(撮影協力):吉田めぐみ
監修:カゴメ
参考文献:『新・野菜の便利帳 おいしい編』板木利隆監修(高橋書店)
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