ひとり旅こそ写真にこだわろう。旅写真がグッと良くなるテク4選

ひとり旅こそ写真にこだわろう。旅写真がグッと良くなるテク4選

旅の思い出作りに欠かせないものといえば、写真。どうせ撮るなら、きれいで楽しい写真を残したいものです。東日本を旅して、素敵な写真を撮影してきてくれるびゅうたびのライターの皆さんに、「すぐに試せる」「簡単」なテクニックを教えてもらいました。

【目次】
食べ歩き写真を、おいしそうに撮りたい
ひとり旅の写真、風景ばかりで寂しいかも
おしゃれな色味の写真を撮りたい
流行中のフィルムカメラ、難しいの?

 

食べ歩き写真を、おいしそうに撮りたい

楽しい旅先での食べ歩き。せっかくの食べ物をおいしそうに撮影したいけど、なかなかうまくいかない……という方は多いのでは。人が多い観光地では、食べ物を置く場所も、キレイな背景もなかなか見つかりません。

例えば、おいしかったソフトクリームも、普通に撮影するとこんな感じに……。
某観光地のローズソフトクリーム(編集部撮影)

某観光地のローズソフトクリーム(編集部撮影)

そこでお手本にしたいのが、観音クリエイションさんの写真。
撮影:観音クリエイション

撮影:観音クリエイション

食べ物の全体像はしっかり捉えながらも、にぎやかな雰囲気だけ残し、背景をきれいにぼかしたこの写真。どうやって撮影しているのか、観音クリエイションさんに聞いてみました。

食べ歩き写真の撮影方法

びゅうたび編集部背景をぼかしながら、食べ物だけはっきり写っている写真は、どうやって撮影しているんですか?

観音クリエイション自分で食べ物などを持って撮影する場合は、
① 食べ物を持った左手を限界まで伸ばし、
② 右手にカメラを持って右脇を締め、
③ 息を止めてシャッターを切っています。
レンズの明るさを示す「F値」を1.4まで解放することで、背景だけきれいにぼかすことができます。
撮影時の姿勢

撮影時の姿勢

観音クリエイション同行者がいる時には、手で食べ物を持ってもらうと雰囲気が出ます。
撮影:観音クリエイション

撮影:観音クリエイション

旅に行く時の機材は?

びゅうたび編集部おしゃれな食べ歩き写真は、こうやって生み出されていたんですね! 使っている機材は、特殊なカメラやレンズですか? 観音クリエイションいいえ、普通の単焦点レンズ(焦点距離が固定されたレンズ)です。取材に持っていく機材はこんな感じです。 取材時の機材(観音クリエイション)

カメラボディ:FUJIFILM ミラーレス一眼 X-Pro2(写真右)
レンズ:FUJIFILM 単焦点標準レンズ XF35mmF1.4 R(写真右)
サブカメラ:RICOH GR III(写真左)

びゅうたび編集部とてもコンパクトですね!  ほかに「買ってよかった!」と思えるオススメの機材はありますか?

観音クリエイション今のカメラにつけている、ARTISAN & ARTISTの「イージースライダー」が、とても良かったです!
ARTISAN & ARTIST イージースライダー

ARTISAN & ARTIST イージースライダー

観音クリエイションカメラストラップなのですが、指一本で長さを調節できるので、移動する時には揺れないように短く、撮影する時には撮りやすい長さに即座に変更できます。旅先での撮影にはオススメですよ!

ひとり旅の写真、風景ばかりで寂しいかも

気ままに楽しめるのが、ひとり旅の魅力。ただ、ひとりだと自分の入った写真を残しづらいという欠点も……。

そこでお話を聞いたのが、2012年から「彼女がいる風の写真」をひとりで撮り始め、海外でも有名になった地主恵亮さん。びゅうたびでも、楽しげな写真と共に、ひとり旅の様子を伝えてくれています。
撮影:地主恵亮

撮影:地主恵亮

ひとり旅でも、自分がしっかりと入った写真を撮影している地主さん。一体どうやって撮影しているのか、聞いてみました。

ひとり旅の撮影、どうやってるの?

びゅうたび編集部びゅうたびの記事に載っている写真って、ほとんど地主さん自身が写っていますが、どうやって撮っているんですか? 地主恵亮三脚とタイマーを使用しています。シャッターが下りるまでに移動して、まるで誰かに撮影してもらっているかのような笑顔をキープです。 三脚&タイマーで撮影する様子

三脚&タイマーで撮影する様子

びゅうたび編集部地道な努力によって撮影されていたんですね! この写真なんかは、カメラと地主さんの距離が、すごく離れているようなのですが……。
撮影:地主恵亮

撮影:地主恵亮

地主恵亮タイマーにより10秒後に1回、その後2秒ごとに2回、合計3回シャッターが下りる設定にしました。タイマーを設定して約15秒の間に全力で走ってフレームに収まり、自然な感じを装って撮っています。 びゅうたび編集部走るのも大変ですが、立ち位置を定めるのも難しそうですね。 地主恵亮自分の立ち位置が多少前後しても大丈夫なように、F値を8とかにしておくと、ピントがシビアでなくなるので、より自由になれます。世界で最も自由で楽しい15秒間です。撮影後に確認すると、私はこんなにも自由だったのか! と感じます。 びゅうたび編集部確かに、写真から楽しさと開放感が伝わってきます。なかなか自分のこういう姿を写真に残せる機会ってないですよね。 地主恵亮ひとり旅でも自分を写すことで、後で見返した時に、「こんな服を着ていたんだな」など、自分の変化に気づけます。三脚を使って撮影すると風景が広く写り、どこに行って、どんな状況だったかなどがわかるので、さらにいいと思います。 びゅうたび編集部ひとり旅だからこそ、誰にも気兼ねすることなく撮影できるのがいいですね。地主さんは、どんな機材を持っていくんですか?

旅に行く時の機材は?

地主恵亮これが取材用の機材一式です。  取材時の機材(地主恵亮)

① カメラボディ:LUMIX GH5
② レンズ:LUMIX G X VARIO 12-35mm/F2.8
③ レンズ:LUMIX G X VARIO 35-100mm/F2.8
④ レンズ:OLYMPUS 超広角ズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
⑤ バッテリー:カメラにセットしたものも含め、純正品を4本
⑥ スマホ固定:Zacro スマートフォンホルダー
⑦ ライト:Wsiiroon LED 懐中電灯
⑧ 室内三脚:Manfrotto ミニ三脚 PIXI ブラック MTPIXI-B
⑨ メイン三脚:Velbon ファミリー三脚 EX-440

地主恵亮これらを着替えと一緒に35リットルのリュックに入れています。あとはノートパソコンを持っていって、旅先でも毎日バックアップを取っています。消えたら泣いちゃうので! びゅうたび編集部こんなに! これだけの数のものが、リュックに入るんですか?

地主恵亮専用のケースなどを使うと荷物が多くなるので、カメラはニットキャップ、レンズはもふもふの靴下で保護してリュックに入れています。メーカー的には推奨する持ち運び方ではないと思うので、万が一の事態が起きた時は自己責任で! ただ、私の場合は今のところ、壊れたりしたことはありません!
ニットキャップと靴下で保護

ニットキャップと靴下で保護

びゅうたび編集部旅慣れた人ならではの収納術ですね!

おしゃれな色味の写真を撮りたい

SNSで目立つのは、鮮やかな色味のおしゃれな写真。中でも、旅先で撮る海や空など、青がきれいに出ている写真は人気があります。

ぱっと目を引く、色味がきれいな写真は、どうやって撮影すればよいのでしょうか? #ぽんずブルーと呼ばれる、透明感のある青色の写真で人気のぽんずさんに聞いてみました。
撮影:ぽんず

撮影:ぽんず

旅先で見つけたきれいな色を写真に残すには?

びゅうたび編集部旅先できれいな風景を撮影するために、どんなことに気をつけていますか? ぽんずデジタルの強みは、あとから色と明るさを大幅に補正できることです。なので、いろんな景色を撮りたい旅先では、その場で細かく設定を変えるよりも、レタッチする前提で「いいな」と思った風景はどんどん撮るようにしています。 ぽんずあとは、水平と垂直を保つこと、なるべくまっすぐ正面から撮ること。画面のバランスだけは、あとから補正するのが難しいので。 びゅうたび編集部まずは構図、色は後から補正、という撮り方ですね。補正はどんなふうに行っていますか?

ぽんず帰宅したらAdobeの写真編集ソフト「Lightroom」で補正を行います。透き通った印象の写真が好きなので、レタッチ(画像の修整)の際には明るさを補正することがほとんど。やりすぎかな? と思うくらい、思い切って明るくしてみて、そのあと徐々に程よい明るさに戻していきます。影になっている部分を補正して、暗い部分を少なくすることもあります。
@yuriponzuuより

@yuriponzuuより

ぽんず特に、青の色味にこだわってレタッチしています。ポイントは、Lightroomの補正機能の中でも「色温度」を使った補正ではなく、「カラーミキサー」を使うこと。人の肌など青くしたくない部分はそのままで、選んだ色だけ補正することができます。 びゅうたび編集部元の写真もきれいですが、補正することで、さらに印象的になりますね!  機材は、どんなものを持っていきますか? 取材時の機材(ぽんず)

カメラボディ:FUJIFILM X-T3(写真左)
レンズ:FUJIFILM XF35mmF1.4 R(写真左)
レンズ:FUJIFILM XF10-24mmF4 R OIS(写真中央)
レンズ:FUJIFILM XF90mmF2 R LM WR(写真右)

ぽんずこんな感じです。FUJIFILMがとても好きで、このカメラもお気に入りです。 びゅうたび編集部旅のお供にするには、カメラもお気に入りだとうれしいですよね。そのほかに、何か工夫をしていることはありますか?

ぽんず色味はすべてLightroomで補正しているため、色彩を鮮やかにしたり、光量を調整したりするレンズフィルターは使用していません。撮影時に光をきれいに入れたいときには、プリズムを使っています。
プリズム

プリズム

レンズの目の前にプリズムをかざすようにして写真を撮ると、プリズムが光を反射して、虹のようなキラキラした効果を得ることができます。
プリズムを使用した写真

左端の虹のようなものがプリズムの反射した光

ぽんずプリズムはネット通販でも手軽に購入できますが、プリズム以外にも、ガラスのコップや透明なピアスなど、身のまわりのアイテムで代用できます。 びゅうたび編集部旅先で、その場にある素材でいろいろ試してみるのも楽しそうですね!

流行中のフィルムカメラ、難しいの?

最近、注目を集めているフィルムカメラ。びゅうたびの記事でも、フィルムカメラで撮影された素敵な写真が増えています。
撮影:もなみん

撮影:もなみん

宮城県で白石川堤一目千本桜を撮影してくれたもなみんさんも、フィルムカメラ愛好者のひとり。フィルムカメラの魅力や、旅先での使い方などを聞いてみましょう。

フィルムカメラの良さは?

びゅうたび編集部フィルムカメラで撮影された写真には、独特の雰囲気がありますよね。どんなところが魅力ですか? もなみん(Mona)デジタルカメラには出せない、ざらっとした粒子感が、どこか懐かしくて好きです。デジタルほど完璧な仕上がりじゃないからこそ、写真を見た人にさまざまな解釈の余地を与えてくれるのが、フィルムカメラの良さだと思います。 びゅうたび編集部前回の記事では、どんな機材を持っていきましたか?

デジタルとフィルム、旅先での使い方の違い

もなみん(Mona)前回の旅では、デジタルカメラとフィルムカメラを持っていきました。 取材時の機材(もなみん)

デジタルカメラボディ:SONY α7(写真右)
フィルムカメラ:Canon AutoboyS(写真左)

もなみん(Mona)Canon AutoboySはコンパクトフィルムカメラで、文字通りサイズもコンパクト。オートフォーカス・自動巻き上げと使い勝手もよく、旅に連れていくのにぴったりなんです。 びゅうたび編集部フィルムはSDカードよりも撮影できる枚数が少ないですが、一回の旅に何本くらい持っていくんですか? もなみん(Mona)持っていくカメラの数にもよりますが、36枚撮りフィルムが1日に5~6本あったら安心します。テンションが上がるとたくさんシャッターを切ってしまうので、多めに持っていきます(笑)。 びゅうたび編集部フィルムカメラで撮った写真は、整理方法もデジタルとは違いがありそうなのですが、どうやって整理していますか? もなみん(Mona)フィルム写真でも、お店に現像を頼むとデータ化してくれるんです。だから、デジタル写真のようにスマホとハードディスクに取り込んで、管理・編集しています。お気に入りの写真は、プリントしてもらうのもうれしいですよ。 びゅうたび編集部フィルムカメラで撮影した写真も、パソコンで編集できるんですね! データで管理できるなら、フィルムカメラに挑戦するハードルが下がります。旅から帰ってきて現像した写真を見るのも、とてもワクワクしそう。

旅の写真を、もっと素敵に

今回教えてもらったテクニックは、旅先で取り入れやすいものばかり。次の旅では、これまでよりもグレードアップした写真を撮影して、素敵な思い出を残しましょう。

教えてくれたびゅうたびライター

観音クリエイション観音クリエイション
ヒップホップのトラックメイカー。1985年生まれ。大阪府出身。作曲のほか、写真を撮ったり文章を書いたりして生きています。ものごとを全力で楽しむのが得意です。楽しんだことをそのままアウトプットするブログ「mozlog」を個人で運営。
Twitter:https://twitter.com/kannnonn
mozlog:https://kannnonn.com/

地主恵亮地主恵亮
1985年福岡生まれ。基本的には運だけで生きているが、取材日はだいたい雨になる。2014年より東京農業大学非常勤講師。著書に「妄想彼女」(鉄人社)、「インスタントリア充」(扶桑社)がある。

ぽんずぽんず
コピーライター・フォトグラファー。会社勤めの傍ら、旅をしています。そろそろ世界一周に行こうとたくらみ中。Twitterとnoteで、毎日発信しています。
Twitter:@yuriponzuu
note :@yuriponzuu
Instagram:@yuriponzuu

もなみん(Mona)もなみん(Mona)
普段はフィルムカメラメインで撮影し、インスタグラムに公開。たいていワンピースを着ています。
Twitter:@and_monami
Instagram: https://www.instagram.com/ry.mona/

掲載情報は2019年9月5日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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旅するメディア「びゅうたび」は、ライターが現地を取材し、どんな旅をしたのかをモデルコースとともにお届け。個性たっぷりのライター陣が、独自の視点で書く新鮮な情報を、臨場感たっぷりにご紹介します。

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