“睡眠時の呼吸の乱れ”を計測できるようになった睡眠センサーパッド『Withings Sleep(旧Nokia Sleep)』レビュー

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仏Withings社は、睡眠センサーパッド『Withings Sleep』に、睡眠時の呼吸の乱れを計測可能にするアップデートの提供を開始しました。ふだんよく眠れているとは思うのですが、いびきをかいてしまう筆者。睡眠時の呼吸状態が気になるので、製品をお借りしてレビューしてみました。サンプルは旧名称の『Nokia Sleep』ですが、製品は『Withings Sleep』と同じものです。

『Withings Sleep』は、ベッドのマットレスの下に敷いて使用し、Wi-Fiに接続してユーザーの睡眠を記録する睡眠センサーパッド。USBコンセントで給電した状態で使用します。最初はWithingsの『Health Mate』アプリをインストールしたスマートフォンとBluetoothでペアリングしてセットアップし、本体をWi-Fiに接続します。あとは毎晩計測した結果が、Wi-Fiを経由して自動で『Health Mate』と同期される仕組み。

体の動きや心拍、呼吸やいびきを感知することでユーザーの睡眠を網羅的に記録、睡眠の質とパターンを分析します。計測データは『Health Mate』から、睡眠サイクル、睡眠時心拍、いびきパターン、そして計測結果の6種類の指標から算出する“睡眠スコア”として確認できます。

基本的な睡眠の状態を確認

『Health Mate』では就寝から起床まで、「起きている状態」「とても浅い」「浅い眠り」「深い眠り」の4段階で睡眠サイクルを確認可能。ある日の睡眠スコアは76で、「安らかな夜」という判定でした。

睡眠スコアを算出する指標は、「睡眠時間」「深さ」「規則性」「睡眠の中断回数」「眠るまでの時間」「起きるまでの時間」の6つ。それぞれについての評価が色で表示され、タップすることで詳細を見ることができます。この日の結果のように6時間半寝られたらいい方だと思うのですが、睡眠時間の評価は中程度。7時間以上寝ないと良い評価になりません。近年、6時間睡眠でも睡眠負債が貯まるので、7時間睡眠が望ましいと言われていますよね。

新たに追加された「呼吸の乱れ」

さらに画面をスクロールさせると、「呼吸の乱れ」という項目が表示されます。こちらがアップデートで追加された機能。ゲージが赤いゾーンにあり、この日は少し呼吸の乱れが高めだった模様。Withingsは、「呼吸の乱れ」を『Withings Sleep』が検出する“呼吸パターンの中断”と定義しています。“睡眠時無呼吸”の医学的な診断ではなく、計測した心拍数、呼吸数、いびきのパターン、睡眠中の体の動きなどを参考データセットの値と比較することで、“呼吸の乱れ”と判断しているそうです。

呼吸の乱れの推移を確認することもできます。高い乱れは月に3回ほど見られますが、だいたいは中程度の乱れで収まっているようです。常に中程度の乱れがあるのは、いびきをかくので仕方ないのかも……。

その日の睡眠中の平均心拍数といびきの時間も表示され、タップすることで詳細を確認できます。計測値のように睡眠時の心拍数が73bpmというのは若干高めで、60bpmより低いのが良好な心血管健康度の指標になるそうです。この日の睡眠サイクルと比較すると、深い眠りに入っている時間帯は、60bpmに近い心拍数を記録しているようです。

いびきの時間は2時間48分。詳細を見ると、回数は19回、就寝中のいびきの割合は43%と出ました。ちょっと回数が多いし時間も長いかな……。マットレスの下に敷いたセンサーパッドがいびきを検出できるのが不思議だったのですが、本体のマイクがいびきの音を検出できるようです。『Health Mate』アプリの設定でマイクはOFFにできますが、その場合はいびきの検出はできなくなってしまいます。

“スリープマスター”プログラムで“社会的時差ボケ”の解消に挑戦

筆者の睡眠中には、いびきによる呼吸の乱れがあることが分かりました。では、睡眠の質を高めるためにどうするのか。『Health Mate』には、ユーザーの健康状態の改善に役立つ各種のプログラムが用意されています。その中の一つ、“スリープマスター”プログラムに参加してみました。

“スリープマスター”プログラムは、規則正しい睡眠を取ることを学ぶプログラム。8週間にわたってデータを取り、改善のアドバイスを受けます。ここで重要になるキーワードが「社会的時差ボケ」というもの。「Social Jetlag」を訳したもので、仕事や学校など社会的な制約のある平日の睡眠と、制約のない休日の睡眠の差によって引き起こされる就寝・起床リズムのずれのことを指します。

「平日は寝足りないから休日は長時間寝よう……」と思って実践している人は多いと思いますが、そうすることで体内リズムが乱れ、週明けに眠気や日中の疲労感を感じる原因になる場合も。“スリープマスター”プログラムでは、平日から週末まで一貫して規則正しい睡眠を取れているかどうかを検証して評価してくれます。

たとえば、ある日の睡眠は就寝時刻と起床時刻の週末とのずれが合計1時間を切っていたため、“社会的時差ボケ”は「低」という評価に。「素晴らしい! あなたの毎日の睡眠週間は安定を続けてます」とほめてくれました。

毎週の数値の推移を見た評価も。ずれの数値が上昇傾向にある場合は「就寝時間を早め、アラームを設定し、定期的な運動を行うように努めてください」とアドバイスされ、ずれが減少した際は「素晴らしい!」とほめてくれます。毎日、漫然と数値を記録するだけでなく、このように経過を見て評価されると「今日は早く寝よう」など、具体的な行動に移しやすくなるのではないでしょうか。

8週間経過した総合評価は「素晴らしい! あなたの健康は改善しました!」でした。これを機に、“社会的時差ボケ”の少ない生活を心がけていきたいと思います。

『Withings Sleep』にはこのほか、ウェブサービスや機器を連携させるサービス『IFTTT』に対応。スマートホーム連携により、ベッドに入ったら消灯、起床時に室温を変更などの定型アクションを設定することができます。睡眠状態を知ってアドバイスを受け、快適な睡眠環境を整えたいという方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。『Withings Sleep』は、1万4990円(税込み)でAmazonで販売中。

スリープセンシング&ホームオートメーションパッド – Sleep | Withings
https://www.withings.com/jp/ja/sleep

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宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

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