【日曜版】「ヒヤリ・ハット」って何?
皆さんには、こういう経験はないだろうか。
「手が滑って、危うく包丁を足の上に落としそうになった。」
「時間をかけて作ったデータを誤って保存せずに閉じてしまった」
「赤ちゃんを体の前でかかえていたが、うっかり階段から転びそうになった」
また、たとえば、製造業や医療関係者であれば、
「使ってはいけない薬品を間違えて加工するときに使ってしまったが、少量だったので事なきをえた」
「患者に薬を処方したが、患者側がいつもとは違う薬だと気がついて、服用しなかった」
よく「運良く」とか「たまたま」といった言葉が頭について、「運良く大惨事には至らなかった」とか「たまたま大きな事故にはならなかった」といったように、重大な災害や事故にはたまたまならなかったものの、そのまま大惨事になってもおかしくなかったニアミスの発見のことを「ヒヤリ・ハット」という。まさに、ヒヤっとしたり、ハッとしたときの体験だ。この言葉を失敗学関係の書籍などで目にしている人も多いのではないだろうか。
このヒヤリ・ハット、だが、もともとは、「大きな事故の裏に30倍の軽度の事故と300倍のヒヤリハットが存在する」というハインリッヒの法則から、その重要性を訴えられているが、実際には、事故が起こった後の再発防止策を講じている企業でも、案外この「ヒヤリ・ハット」までを共有しようとしている企業は少ないのが現状だ。
日々、流れるニュースを見ていると、一視聴者としては、亡くなった人が1人などの場合は「運が悪かった」などと不謹慎にも思ってしまうことも少なくないが、実際に現場にいる人たちの中には、ヒヤリ・ハットしたことがある人もいたのかもしれない。
会社でも、家庭でも、ヒヤリ・ハットを報告しあって、その段階でできる限りの対処をしていくことが重要かもしれない。
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