『バンブルビー』はなぜ泣けるのか? プロデューサーに聞く物語のポイント「お互いが成長過程だから通じ合える」

過去5作品の全世界での累計興行収入が43億7700万ドル(約5000億円)突破の世界的大ヒットシリーズ『トランスフォーマー』。そのシリーズ最新作『バンブルビー』が大ヒット上映中。こちら最高に最高な作品なので、ぜひ上映終了前に駆けつけていただきたい!

待望のシリーズ最新作は、シリーズきっての人気キャラクターのバンブルビーが主人公。作品の舞台は、シリーズ一作目となる『トランスフォーマー』(’07)でバンブルビーがサムと出会う以前の1980年代にさかのぼり、これまで語られることの無かったエピソードが初めて明かされます。監督は2016年のアニメーション映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』で世界中を感動させた、天才トラヴィス・ナイト監督。

【関連記事】『バンブルビー』トラヴィス・ナイト監督に子供たちの“理想のトランスフォーマー”を見てもらった「想像力は宇宙より広い!」
https://getnews.jp/archives/2135582 [リンク]

そして、本作のプロデューサーはロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ氏。『トランスフォーマー』シリーズ全作でプロデューサーを務めてきた、映画『トランスフォーマー』の生みの親といってももはや過言では無い方なのです! ボナヴェンチュラ氏はさらに、ワーナー・ブラザース社・副社長時代には、『マトリックス』『ハリー・ポッターと賢者の石』などを世に送り出してきた経歴を持っている、ハリウッドを代表する映画人。そんなボナヴェンチュラ氏が考えるトランスフォーマー、バンブルビーの魅力とは?

――『バンブルビー』最高に大好きな映画なのですが、なぜこのタイミングで「バンブルビー」単体の映画を作ろうと思ったのでしょうか?

ボナヴェンチュラ氏:ありがとう! 『トランスフォーマー』シリーズは、もうある意味の着地点を迎えたと思うんです。なので、全然違うアプローチで、新しいシリーズ作品を作りたかったんです。実は、『トランスフォーマー/最後の騎士王』(2017)の制作に入る前から『バンブルビー』の構想はありました。

――その時点でトラヴィス・ナイト監督の起用は決まっていましたか?

ボナヴェンチュラ氏:脚本家は決まっていて、というか、脚本家のアイデアを読ませてもらって「これは素晴らしい!」と思ったんだけど、映画の方向性が決まってから、トラヴィス・ナイト監督にお願いしようと思ったんだ。『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』がとにかく素晴らしくて、アニメーションでありながらも、すべての感情を描き切っていて本当に感動しました。なので、彼は実写映画初挑戦でありながら、ドラマを作るということに関して何の問題もないと思ったんです。アクションシーンであったり、彼が経験していない事は僕らで全力でサポートをしようと思いました。

――なるほど。トラヴィス監督に経験が無い部分はサポートするので、その分ドラマに集中して欲しいという。

ボナヴェンチュラ氏:そうですね。これまでのシリーズにはたくさんのオートボットたちが出てきて、それが楽しみでもあったけど、コアなファンでないと楽しめない部分もあったと思う。今回は、バンブルビーに敵役のディセプティコンという3体しか出てこないので、シンプルに伝えたいメッセージが描けたのではないかな。

――確かに、登場キャラクターが少ない分、それぞれの個性が際立っていた様に思いました。バンブルビーというキャラクターを描く上で特に気をつけたことは何ですか?

ボナヴェンチュラ氏:バンブルビーは最も人間らしいオートボットだと思うんだ。そしてオプティマス・プライムの様な完全無欠なキャラクターと違って、良い意味で足りない部分、成長過程の部分が主人公のチャーリーと通じると思った。だからこそ2人は通じ合えて親友になれるんだ。

――なるほど。どちらが上とかではなくて、お互いの欠けている部分を補う様な。だからこそ多くの人がこの作品に感動するのですね。

ボナヴェンチュラ氏:そうですね。これまではずっと青年が主人公でしたが、女の子を主人公にすることで、また違った葛藤や親密さが生まれたと思います。バンブルビーとチャーリーが、お互いを必要としているという物語は、誰もが共感出来るとてもエモーショナルなものなのだと思います。

――今日はとても楽しいお話をありがとうございました!

『バンブルビー』ストーリー
父親を亡くした哀しみから立ち直れない思春期の少女チャーリーは、18才の誕生日に、海沿いの小さな町の廃品置き場で、廃車寸前の黄色い車を見つける。自宅に乗って帰ったところ、その車が突如、変形《トランスフォーム》してしまう。驚くチャーリーを前に、逃げ惑う黄色の生命体。お互いに危害を加えないことを理解した瞬間、似たもの同士のふたりは急速に距離を縮める。チャーリーは記憶と声を失い“何か”に怯える黄色の生命体に「バンブルビー(黄色い蜂)」と名前をつけて、かくまうことに決める。ボロボロに傷ついたバンブルビーと、心に傷を抱えたチャーリー。思いがけない友情が芽生えるのだが、しかし、予測不能の事態に巻き込まれていくのだった。

(C)2018 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS, and all related characters are trademarks of Hasbro. (C)2018 Hasbro. All Rights Reserved.

  1. HOME
  2. 映画
  3. 『バンブルビー』はなぜ泣けるのか? プロデューサーに聞く物語のポイント「お互いが成長過程だから通じ合える」

藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。