自分の持っている「ノウハウ」は一切、出し惜しみしない。その理由とは?――『肉山』オーナー・光山英明の仕事論(4)
『肉山』など自身が経営する店に加えて、60店舗もの飲食店をプロデュースしそのすべてを繁盛させている光山さんに、これまでの半生と仕事論を聞く連載。第4回となる今回は、60店舗を超える様々な業態の飲食店をプロデュースし、成功させている手腕の真髄や、フランチャイズの契約金、ロイヤリティ、投資した場合の金利を激安にしている理由などに迫った。
プロフィール
光山英明(みつやま・ひであき)
1970年、大阪市生まれ。個人商店代表取締役社長。小学4年生から硬式野球を始め、上宮高校野球部では主将を務め、甲子園に出場。ベスト8に。卒業後も中央大学野球部に入部、吉祥寺周辺で寮生活。卒業後は大阪に戻り、卸酒屋に就職。9年半勤務後、上京し、2002年11月にホルモンと焼酎の店『わ』を開店。2012年11月には『肉山』を開店。予約1年待ちの人気店に育て上げる。飲食店を開業したり知り合いの相談にも乗り、これまで60店舗以上をプロデュース、そのすべてが繁盛店となっている。
直営店はスタッフにすべて任せる
──現在の仕事の内容について教えてください。
大きく分けて2つあります。1つは直営店の経営で、もう1つは飲食店のプロデュース業務です。
──現在、直営店は?
赤身の塊肉を焼いて提供する『肉山』吉祥寺店と赤身肉の辛々鍋の店「肉山の一階」の2店舗だけです。最初に開店した『わ』は店長に譲りました。
──まず直営店に関しては、具体的にどんな仕事をしているのですか?
もう今は両店ともスタッフに全部任せていれば回る状態なので、僕が特にやってることはないですね。『肉山』で現場に入って僕が肉を焼いていたのはオープンから4年間くらいです。
──直営のお店の経営方針を決めたり、スタッフを集めて会議などはしないのですか?
今まで1回もやったことないです。
──なぜしないのですか? しなくても大丈夫なんですか?
会議やミーティングで話す内容も特にないし、別にやらなくても問題なく回るので(笑)。
──従業員の教育やマネジメントなどは?
基本やりませんね。ただ、スタッフのグループLINEを作って、やり取りはしています。例えば吉祥寺の『肉山』本店のチームのLINEには、お客さんがアップしている肉の写真と一緒に「ええ感じやね、チャレンジしながらいろいろやってよ」みたいな感想や、「後半のお肉はもっと表面をカリッと焼いたほうがええよ」とアドバイスを送ったりはしています。今はこれで十分です。
60軒もの店をプロデュース
──ではプロデュースの方の仕事について教えてください。現在、光山さんがプロデュースしたお店は何軒あるんですか?
60軒くらいだと思います。業態は『肉山』系列店、ホルモン焼きの店、焼肉の店、焼肉とホルモンの融合店、天ぷら、餃子などいろいろです。
──プロデュースを始めたきっかけは?
2004年頃、僕が大阪から東京に出てきて最初に出したホルモン焼きの店『わ』に毎日のように来てくれてた、小野田君という常連のお客さんがいました。彼から「みっちゃん、俺も何か飲食店やりたいから協力して」って相談されたのが最初のきっかけです。最初は餃子が大好きだから餃子屋をやりたいと言っていたのですが、「脱サラ一発目で餃子屋と焼き鳥屋はやったらアカンねん」と止めました。理由は、餃子が1日500個売れるとしたら500個の餡を作って皮で包まなあかんわけじゃないですか。焼き鳥屋も同じ。500本肉を切って、串を打たなあかんわけですよ。これを毎日こなすためには職人としての高い技術が必要。俺らみたいな脱サラの素人では無理やと。だから「もし飲食店をやりたかったら、最初は俺のように職人の技がいらない、誰でもすぐできるホルモン屋をやった方がいいと思うよ」とアドバイスしたんです。これはいまだに間違ってないと思いますよ。それで「ホルモン屋をやるんやったらホルモンや酒の仕入れ先から経営の仕方まで俺が『わ』でやってるノウハウをそっくりそのまま渡すから、自分がやりたい場所でやってみたら?」と提案したんです。
その理由はもう1つあって、当時『わ』が連日満席ですごい人気やったんですよ。でもその理由ってホルモンとプレミア含めた焼酎が全品500円というシステムなのか、僕自身の人気なのか、わからんかったんです。当時僕自身もホルモン屋の大将として人気が出てきて、慕ってくれるお客さんも増えてきてたので。だからそれを知るための実験でもあったわけです。そしたら小野田君も「それでぜひやりたい」と答えたので、2004年にホルモンと焼酎の店「小野田商店」がオープンしたんです。要は人と場所が変わっただけ。大将が僕じゃなくて小野田君で、場所は吉祥寺の外れじゃなくて中目黒の駅からすぐ。
──他店のプロデュースって近年始めたのかと思っていたのですが、すでに2004年から手掛けていたのですね。結果は?
オープンしてすぐ人気店になって15年経った今でも繁盛してます。だから僕のキャラだけじゃなくて、システムも人気の理由やったってことですね。ちなみに、小野田君も僕とは対照的な強烈なキャラで、お客さんに「こんな狭い店でちんたら食べられても困んねん、グズグズ食べてないとはよ帰れ」みたいなことを言っちゃうような人なんです。逆にその毒舌、塩対応が人気になって、それ目当てで通ってる常連さんも多いみたいなんです。でもそんなキャラでよう店主やれたなと思いますけどね(笑)。
1軒目はプロデュース料ゼロ
──プロデュース料はいくらくらいもらったんですか?
ゼロです。
──え! 仕入先やノウハウなど全部渡してあげたのに一銭も受け取ってないんですか? なぜですか?
さっき言った通り、当時は僕やから『わ』が流行ってると思ってたということもあって、果たして小野田の兄ちゃんで激戦区の中目黒で『わ』スタイルの店が成功するかどうか確信がもてなかったからです。だから友達やし、実験でもあったので、(プロデュース料は)タダでええからいっぺんやってみてということにしたんです。でも何年か後、小野田君は何かの僕のお祝いの会の時に、「小野田商店を出した時、何にも払ってないので」と言って100万円くれました。まあそういう人なのでいまだに仲いいです。
そしてある時、何かの媒体の取材で「フランチャイズというほどのものではないんですが、こんなことやってます」と今喋ったようなことを話したんです。それを読んだ、元々『わ』に通ってくれた常連さんが驚いて、「僕も飲食店をやりたいです。相談に乗ってください」と言ってくる人が増えて、それからポツポツ系列店ができていったんです。
プロデュースにもいろんな形がある
──現在、飲食店をプロデュースする時、具体的にどのようなことをするのですか?
プロデュースといっても、新規開店、リニューアル、立て直しのお手伝い、投資、顧問契約などいろんなパターンがあるんですよ。共通するのがお店のコンセプトを決めること。その後は基本的には店主に任せます。もちろん困ったことがあればその都度相談に乗ります。あとは開店資金がない人にはお金を貸したりもします。
───ひと口にプロデュースやフランチャイズといってもいろんな形があるんですね。具体例を教えてください。
例えば千駄木にある『肉と日本酒』の場合。3、4年前、三田の飲み屋で飲んでたら、千駄木にある『醍醐』という焼肉屋のオーナーだった尹さんから、店の経営について相談に乗ってほしいと連絡が来ました。いろいろ話を聞くと、「『醍醐』が毎月暇で、43席があまり埋まらず、スタッフにも裏切られて、もう閉めようかなと思ってます」と。じゃあ取りあえず店に行きましょうと三田の飲み屋からタクシーで『醍醐』に行ったんです。店自体はそれほど悪いとは思わなかったので、尹さんにこう言いました。「どうせ店を閉めるんやったら、今タクシーの中で閃いたアイデアを試してみませんか」と。
──そのアイデアとは?
大元のコンセプトは「人を使わない店」。その理由は、店がうまくいかない大きな原因の1つがスタッフに問題があったからです。問題点があればどうやって潰すかを考えるのがコンセプト決めの出発点。つまり、問題点を潰す、もしくは問題点が今後問題にならないような仕組みを作ろうというところから始めるんです
人を1人使うのと5人使うのとでは、後者の方が不正をする確率が5倍になるから問題が起こる可能性が高くなりますよね。でも自分1人でもできるシステムなら問題は起こりえないし、使うのが1人ならもし不正されてもそいつだけだからすぐわかり、不正が生じにくくなります。だから最初の発想の出発点は「1人でやりくりできる店にするためにはどうすればいいか」だったんですよ。具体的には、誰が注いでも同じ味の酒しか置かない。だから置くのは日本酒と瓶ビールだけで、生ビールもハイボールもワインもなし。しかも注ぐのはセルフ。コースは3時間飲み放題で6500円のみ。予約は1日1組、20人以上のグループのみ。ご飯とスープもセルフ。肉は自分で焼く。こうすれば店主がやることは予約人数に合わせて肉を用意して当日出すだけだから1人でもいけそうじゃないですか。
で、みんなの反応を見ようと「こんなセルフの日本酒オンリーの焼肉屋をやろうと思うんですが、どう思いますか?」ってFacebookにアップしたら、アタリがエグかったんですよ。「なにそれええやん!」「絶対行きたい!」みたいな声がものすごく多かった。中には「こんなんどう?」みたいないいアイデアを出してくる人もいて、さらにいい店にするためのヒントになった。それをずっと尹さんと2人で見てて「これほんまにイケるんちゃう?」「やりましょう」となって、『醍醐』が『肉と日本酒』に生まれ変わったんです。
絶品黒毛和牛と新鮮ホルモン、日本酒が安価で堪能できる『肉と日本酒』
──オープン後は?
大人気になって、ほぼ毎日満席。ピーク時は毎月の売り上げも営業利益も『醍醐』時代の何倍にもなりました。予約は半年先までいっぱいになってます。こんな感じで予想以上にお客さんがたくさん来るようになったので、さすがに1人でやりくりするのは無理で、スタッフを雇ってます。
──リニューアル時に、出す料理そのものをガラッと変えたケースもあるんですか?
あります。日本橋の肉料理店『肉友』って、以前はベルギー料理の店やったんですよ。ベルギー料理といってもどんな料理かわからないから売り上げが低迷してた。でもシェフがめちゃくちゃええやつで、相談に来た時、何が一番のネックなの?と聞いたら毎日やってる1000円のランチで、週替りで7年間考え続けてきたけど、本当に億劫でしゃあないと。じゃあ問題あんねんやったらランチやめて夜に集中しよう言うて、まずランチをやめて、コンセプトもガラリと変えて肉をいっぱい出す店にしたんです。
──店名はFacebookで募集してましたよね。これもおもしろいなと思って見てました。
そうなんですよ。特典として、採用された人に3万円の賞金と、オープン時4名様無料招待をつけて募集したら、たくさんのおもしろい店名が集まりました。その中から選んだのが『肉友』なんです。肉の店やしシェフの名前が住友やから『肉友』で決まったんですが、この店名を出してきた人はシェフの名前を知らなかったんですよ。リニューアル後はすぐ毎日満席で売り上げも倍になってます。だからランチも復活させました。
──そういうアイデアって突然閃くんですか?
そうです。もちろん、普段からいろいろ考えてて、それが形となってそういう時に降りてくるんでしょうね。
お金を渡して通わせた店も
──これまで60店舗のお店をプロデュースして、全部が繁盛しているようですが、これまでうまくいかなかった店ってあるんですか?
基本的にないです。でも最初の頃苦労したのが、2006年に新橋で開店した小料理屋『をん』です。京都の日本料理屋で修行した親戚が東京で店をやりたいと言うので、僕が資金を出して、オーナーとして店のメニューや価格帯、雰囲気などのコンセプトを決めて開店しました。7000円のコースで軽くお酒を飲んで1万円弱という客単価に設定しました。でもしばらく経ってもお客さんが全然来ないんですよ。本当にゼロの日が毎日続きました。当然毎月赤字。当時、『わ』がかなり繁盛していたのですが、その利益がどんどん消えていくんですよ。よく「1軒目で成功しても2軒目でたいがい潰れる」というじゃないですか。まさにこれかと思いました。このままでは店主のモチベーションが下がる一方やし経営的にヤバイと思って、知り合いに「これで『をん』に行って食べてきて、そんで感想を教えて」って頼んだんです。店から毎日売り上げの報告が来くるのですが、「今日はお客さん3人で4万1000円でした」って。そのうちの2人が僕がお金を渡して行かせた人なんですけどね(笑)。行ってもらった人はみんなおいしかったと言うので、「これでとりあえずしのいでいたら、いつか誰かが見つけてくれてパッと広まるやろう」と思って繰り返していたんです。そしたら半年から1年くらい経ったある時、たまたま『東京カレンダー』が『をん』の記事を載せてくれて、それからもち直していったんです。
激安ロイヤリティ・金利の理由
──今もプロデュースの相談ってたくさん来るんですか?
あんまり来ていません。そもそも仲間の相談しか受けないということと、現在は『肉山』系列以外は基本的にプロデュースやフランチャイズの募集はしてないので。
──なぜですか?
今手掛けているフランチャイズの店で手一杯ということが1つと、あまり増やしてもしゃあないかなと。例えば今、『たれ山』という店と『タレ焼肉 のんき』というタレ焼肉系のお店2つとフランチャイズ契約してますけど、もう新しくタレ焼肉系のお店はやらないと決めてます。もし誰かが新しくタレ焼肉の店を開店した時に、タレの味がどちらかの店寄りになったらやらしいじゃないですか。だからやらないです。やればお金になるでしょうけど、人を嫌な気持ちにさせたり、損させてまでやりたくないということです。
──『肉山』系列店のフランチャイズ契約の内容は?
加盟金が250万円、月のロイヤリティが3万円です。
──今は『肉山』以外のプロデュースやフランチャイの相談は受け付けてないということですが、一応、他の契約パターンについても教えてください。
『わ』ブランドが加盟金なしの、月のロイヤリティが月1万円。赤身+ホルモンの融合ブランドが加盟金なし、月3万。また、店長が希望したらお店の看板と売り上げを譲って、売り上げに応じて元の給料の倍くらいを設定して、差額を月額固定でいただく直営譲渡という形式もありました。
あとは開店・運営資金が足りない人に少し金利を乗っけてお金を貸して、経営が軌道に乗ってから返済してもらう投資のようなケースもあります。天ぷら店の『旬恵庵 あら垣』や餃子店の『やまよし』がそうで、例えば『旬恵庵 あら垣』の場合は開店資金として1500万円くらい出して、約5年かけて1600万円くらい返ってくるだけです。中野の餃子店『やまよし』も似たような感じです。ただ、投資の方もさすがにそんなにお金がないので、今後できたとしても1年に1軒か3年で2軒くらいかなと思ってます。
──加盟金もロイヤリティも金利も通常ではありえないほど安いですよね。なぜこんなに安くしてるんですか?
確かにいろんな人から「安すぎなんちゃう?」ってよく言われます。でもそれらを高くしちゃうと、店が潰れる可能性が高くなっちゃうんですよ。こんなに高くはしてませんが、仮にロイヤリティや金利を含めて毎月40万円を僕に返さなアカンとします。そしたらオーナーはまず先に40万を確保せなと思うから、食材の質を下げたりして、どんどん目の前のお客さんをないがしろにする。そうなると当然お客さんは来なくなって、潰れてしまいます。これが最悪のケースで、みんなが不幸になる。だから金利やロイヤリティは最低限、損をしない程度にしているわけです。
──とはいえビジネスとか投資と呼ぶにはあまりに利益が少ないですよね。うまみもないのになぜやるんですか?
1つは僕自身が飲み歩きが好きなので、自分でも行きたいと思える楽しい店が増えればいいと思うからですかね。あとは自分がプロデュースしたり投資した店が人気店になったら楽しいですよね。だから損しない程度にちょっとでも増えて返ってくればいいかなという感じですかね。
会ったこともない人に金利なしで大金を振り込む
──投資といえば、光山さんが支援した伊藤良明さんが2016年9月にパリに出店した「L’ARCHESTE(ラルケスト)」というお店が、2017年2月にミシュランの1つ星を取りました。開店後5ヶ月の星獲得は史上最短。この時は電話1本で1000万円も振り込んだそうですね。詳細を教えてください。
信頼する知人から紹介されて伊藤君と電話で10~20分くらい話したらええ感じやったので支援を決めました。『あら垣』みたいに僕が開店資金を出して、それを何年かかけて返してもらうっていう形ですね。ただ、『あら垣』と違うのは金利はなしという点。最初はパリの店に来た場合にだけ特典を設けますと言っていたのですが、行く予定もつもりもなかったから実質特典なしやなと。でもこの間パリのその店に行ったんですよ。めちゃくちゃええ店でした。その時初めて会ったけど人柄もよかったし、ええ人にお金出したなと自分で自分を褒めました(笑)。
──もはや投資でも何でもないじゃないですか(笑)。なぜ会ったこともない人にぽんと1000万もの大金を出せるんですか? 若い人を応援したいという気持ちですか?
まあそんなんも言いたくないですが、僕もそういう歳になったんちゃうかなと。あとは直感と流れです(笑)。元々支援する人がたくさんいたんですが、バタバタと降りて資金が足りなくなった。実はそれも予想できてたんです。で、電話でどういう店でどんな料理を出したいのか、店のコンセプトや価格帯を聞いた時、フランスで店をやったこともないんですが、イケるんちゃうかなと思った。だから「ええわ、足らん分は俺が全部出したるわ」って。電話で「1000万振り込んだ」って言うたら彼もびっくりしてましたけどね。わははは!
支援する人としない人の分水嶺とは
──そりゃ誰でもびっくりしますよ。光山さん、豪快すぎますって(笑)。でも当然相談に来た人全員を支援するわけじゃないんですよね。
もちろんです。基本的に知り合いの相談しか受けませんが、知り合いでも断ることもあります。
──それはどういうところで判断するんですか?
それが自分でもわからないというか、言葉ではうまく説明できないんですよね。直感です。1つの目安としては、これ言うともっとわかりにくくなってまうんですけど、顔で判断してるんですよ。人相判断。会った瞬間に支援するかどうかはだいたい決まってます。
──でもフランスのシェフの伊藤さんには会ってないじゃないですか。
そうなんですよ。でも伊藤君もFacebookで顔を見た時にええ顔してると思ったんです。あと、行動では気遣いができない人はダメですね。例えば人にお願いするにもかかわらず、手土産の一つももたずに来る人。そういう発想の人は飲食店やったらアカン。お客さんを楽しませられないから絶対流行りません。
──では相談に来る人で、成功しそうな人の特徴は?
まず、オーナーには現場に入ってもらいたいのでパワーがある人。あとは僕のコンセプトを素直に受け入れて実践できる人ですかね。その上で、新しい業態になったら勉強する熱心さ。そして前にも話しましたが、ミスをした時はすぐ反省して改善すること。これはすごく大事です。これでうまくいったのが『肉と日本酒』と亀戸の『リトル肉と日本酒』。店長が日本酒のことを勉強して、めちゃめちゃ詳しくなって、今は焼肉と日本酒といえばあの店になってますもんね。ちなみに『リトル肉と日本酒』の店名は、千駄木の『肉と日本酒』の小規模版という意味と、亀戸に「亀戸リトル」という少年野球のチームがあって、そこからパクったんです(笑)。
──支援すると決めた人にはすごくよくしてあげますよね。仲間になった人は幸せにしてあげたいという感じですか?
そんなかっこよくないですよ。こそばゆいのでそんなんもいちいち言わないですけど、結果的にはそうかもわからないですね。でも、僕の場合はフィールドが狭いかもしれないですね。僕らの仲間に入ったらめっちゃ奥行き深いですが、なかなか入れないから。たまに気まぐれでパチンコみたいにふわ~っと開くんですけど、すぐ閉まるので。わははは!
ロイヤリティなどのありえない安さはみんなが幸せになるために。『わ』命名の際に込めた志は約20年の時を経ても少しも色あせてはいなかった──次回はなぜ光山さんは自分の利益はそこそこに、他人に与えまくるのか。その理由に迫ります。 取材・文:山下久猛 撮影:守谷美峰
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