Panasonic LUMIX GX7 Mk3のレビュー

パナソニックの入門者向け小型ミラーレス一眼カメラ「LUMIX GX7 Mk3」のレビューをお送りします。
私は普段、EOS R をメインカメラとして使っているのですが、旅行や野球観戦といった他の荷物も持ち運ぶ必要があってカメラ機材をできる限りコンパクトにしたいと思うようになり、その為に LUMIX GX7 Mk3 を購入しました。
LUMIX GX7 Mk3 はマイクロフォーサーズマウントを採用したミラーレス一眼カメラで、現時点での価格は 8 万円前後と比較的手を出しやすく、また、標準ズームレンズキットだと 12-32mm のレンズが付属しているので、買ってすぐに撮影を開始できます(レンズはしょぼいですけど・・・)。
価格や製品グレードからすると LUMIX GX7 Mk3 はエントリー機に分類されると思いますが、写真と動画の両方で完全なマニュアル撮影が可能ですし、4K@30fps 動画を撮影可能。
連写スピードは最高 9 コマ/秒とそこそこ速いので、バシバシ連写する方のニーズを満たせるスペックを備えていると思います。
入門者や初心者だけでなく、カメラ歴の長い方でもたぶん満足する一台だと思います。
LUMIX GX7 Mk3 はマイクロフォーサーズ機ということで、イメージセンサーのサイズがフルサイズ機や APS-C 機よりも小さいことから、有効画素数は約 2,030 万画素とやや小さく、その為、背景があまりボケない、ボケ味が悪い、夜景撮影や暗所での性能が悪い、といった規格上の弱点はあります。
とはいえ、そこそこいいレンズを用いれば画質はフルサイズ機と遜色ないレベルを達成できると思いますし、マイクロフォーサーズ機だと背景がボケにくいと言われていますが、余裕でボケますよ。
▲ サンプルショット - 稲佐山から望む長崎市内の夜景LUMIX GX7 MK3 の売りの一つが 「Dual IS 2.0」 です。
Dual IS 2.0 というのは 5 軸ボディ内手ブレ補正とレンズの手ブレ補正を組み合わせて手ブレを軽減する仕組みのことで、カメラとレンズの両方が Dual IS 2.0 に対応していないと作動しません。
個人的な感想になりますが、この Dual IS 2.0 の利きは凄いです。
次の動画は終始 LUMIX GX7 Mk3 を手持ちして撮影しました。
ソフト(FCPX)のスタビライザーを 0.3 ほど適用しているので、純粋な手ブレ具合はお見せできませんが、ソフトの手ブレ補正機能で手ブレをほぼ無くせましたし、カメラブレもあまり目立たない映像に仕上がっていると思います。
オリジナルの映像はもっとブレているのですが、ソフトで修正できないほどのカメラブレが Dual IS 2.0 によって起きづらくなっていた点を私は高く評価しています。
もっと分かりやすく言いますと、EOS R + EF24-105 F4L IS USM で撮影した動画よりも LUMIX GX7 Mk3 で撮影した動画の方がブレ補正という点においては編集しやすかったということです。
今ご紹介した Dual IS 2.0 は望遠撮影時にも利きますが、300mm を超えるような画角で撮影する時というのは手ブレよりもカメラブレの影響が大きいので Dual IS 2.0 の効果を実感することは殆どありませんでした。
手ブレはきっちりと補正される感じです。
私が LUMIX GX7 Mk3 を購入した理由の一つが 4K(30fps)動画に対応している点です。
4K 動画は 100Mbps のビットレートにしか対応していないので、スペックに基づく画質はごく平凡なものとなりますが、やはり 4K の映像は 「綺麗だなぁ〜」 と思いましたね。
カメラの価格や製品グレードを考慮すれば、LUMIX GX7 Mk3 の動画画質はとても満足できますが、やはりエントリー機ということもあって、例えば LOG 収録だったり、XAVCS や ProRess での記録といった高級機種では定番の機能には殆ど対応していません。
また、カラーサンプリングは 8bit なので 10bit カラーのきめ細かな鮮やかさ、リアルなグラデーションを得るのはとても難しく、映画のような映像作品を制作する為の素材撮り機としての用途には向かないでしょう。
ちなみに、フル HD のビットレートは 25Mbps です。
それでも、LUMIX GX7 Mk3 には 20 種類のシーン、24 種類のフィルター、10 種類のフォトスタイル、さらに、ハイライトとシャドウの調節機能が備わっているので、画作りの自由度はかなり高く、例えば Instagram に投稿する写真を撮影する目的なら LUMIX GX7 Mk3 は十分適任だと思います。
動画の場合、LOG 収録ができなくても、カメラの中でハイライトを下げてシャドウを上げることでコントラストを下げて撮影することができ、明暗の差が激しいロケーションでも適正露出の範囲内でうまく収録することができます。
一括りに、マイクロフォーサーズ機といっても市場には様々な機種が売られています。
私がなぜ LUMIX GX7 Mk3 を選択したのかと言いますと、ボディはコンパクトだけど、画質や性能もそこそこ良い方がいい、という考えがあって、デザインや価格も考慮した結果、LUMIX GX7 Mk3 が私のニーズに最も相応しいと判断したからです。
LUMIX GX7 Mk3 を購入した一番の理由はコンパクトさとデザインです。
ボディのサイズは幅 124mm x 高さ 72.1mm x 奥行 46.8mm と EOS R より一回り以上も小さい上に、質量は 450g と 230g も軽いのです(フルサイズ機と比較するのはアンフェアですけど・・・)。
また、マイクロフォーサーズ用のレンズは小さくて軽いものが殆どですので、カメラ機材全体をコンパクトにまとめることができ、持ち運びが楽で長時間の撮影を楽にこなせます。
写真のレンズは LEICA DG 12-60mm F2.8-4 です。
このレンズの質量はたったの 320g。
ボディとレンズを合わせると 770g なので、フルサイズ一式のほぼ半分の重さになります。
背面モニタは 3 インチのタッチパネルで上に約 90 度、下に約 45 度傾くチルト液晶です。
自撮りの際に液晶を見ながら撮影することはできません。
電子ビューファインダーは背面に装備しており、上に 90 度回転します。
LUMIX GX7 Mk3 で気に入ったのが背面ボタンやダイヤル等の操作系です。
コンパクトなカメラながらも、電子ダイヤルは 3 つ、カスタムボタンも 3 つ、そして、AE ロックボタンや AF/MF 切り替えスイッチといった実際の撮影でとても便利な機能ボタンも装備しており、個人的にですが、撮影時の操作のしやすさはメインの EOS R より優れていると思っています。
ダイヤルは、シャッターボタンの周りに一つ、背面に一つ、そしてモードダイヤルの付け根にも露出補正用のダイヤルが付いており、EV 補正を多用する私にとってはとても実用的な仕様です。
私は屋外だとシャッタースピード優先 AE で撮影することが多いので、EV を変更して露出を上げ下げしています。
この時の変更操作は(割当変更等無しに)ダイヤルを回すだけなので超楽です。
LUMIX GX7 Mk3 の弱点はグリップが浅すぎることでしょうか。
カメラを上から見ると、グリップが非常に浅いですよね。
確かに撮影していても 「もう少しグリップ感が欲しい」 と思っています。
でも、別売の外付けグリップを使うという対処法があります。
これを装着すればグリップの問題はほぼ解消しますが、外付けグリップを装着すると、底部のバッテリー & カードスロットカバーが塞がれてしまうので、しょっちゅう脱着することになってしまいます。
やや面倒ですが、慣れれば大した問題ではありません。
もう一つ、私が気に入っているのはコネクタカバーですね。
多くのカメラは、はめ込み式のカバーを採用していますが、LUMIX GX7 Mk3 はシャッター式となっており、カバーを外すという概念がありません。
カバー部分を少し押すとシャッターのようにボディ内に引き込まれるので、USB や HDMI のコネクタを挿す時にカバーが邪魔になることが全くないのです。
また、LUMIX GX7 Mk3 は USB 充電に対応しています。
カメラが起動中は充電されないので、いちいちカメラの電源を切る必要がありますが、ここさえ注意していれば、例えば、長時間の野球観戦の場面でもバッテリーを交換する作業が無くなります。
ちょくちょく充電すればバッテリー切れは起きません。
そのくらい USB 充電機能は実用的なのです。
LUMIX GX7 Mk3 の総評です。
画質や性能をある程度妥協できるのなら、欠点らしき部分は無いと言え、どの場面でもメイン機さながらに使える一台だと思いました。
安価なオールラウンダーというような表現が適しているかもしれません。
しかし、細かな機能をフルサイズ機と比較すると、例えば、露出周りのカスタマイズ項目が少なかったり、動画やストロボ連動のオプション機能は最小限に留めてある、というような内容なので、プロやハイアマチュアの方のメイン機としては適さないでしょう。

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