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刑罰の執行から思うこと(鈴鹿久美子のオフィシャルブログ)

刑罰の執行から思うこと

今回は鈴鹿久美子さんのブログ『鈴鹿久美子のオフィシャルブログ』からご寄稿いただきました。
元のタイトルは「今朝の報道 刑罰の執行から思うこと」(2018年07月06日執筆)です。

刑罰の執行から思うこと(鈴鹿久美子のオフィシャルブログ)

こんにちは。
ブランディング戦略家の鈴鹿久美子です。

 
今朝(2018年07月06日)の死刑執行のニュースには驚きました。
そろそろあるとは言われていましたが、

一連の事件で死刑が確定した13人のうち7人の死刑が執行されました。
対象とされた7人の選定理由について上川陽子法務大臣は「答えを差し控え」ました。

 
一連の事件の重大性と社会的影響力、

そして、今朝の7人の死刑執行という事実にどう向き合うか、

事実、私もニュースを見ながら

事件が起きた当時についてや

死刑執行の是非を考えるうちに

眩暈を感じるほど当時を生々しく思いだしました。

 

自分自身の考えを整理するためにも

大学時代に学んだ刑罰の在り方と死刑制度の是非について

世界の潮流も含め改めて考えたいと思いました。

今日は少し長いです

そしてまとまっているとは言い難いのですが

今日の今日だからこそ大切だと思うことをまとめてみました。

長文駄文私的見解お許しください。

また、死刑制度の是非については、
国会においても議論が深まっているとは言い難く、
有権者である国民の側から発信すべきこともあるのではないかと考えます。
私自身改めて自分の考えを問い直すこともしてゆきたいと思いました。

日本における死刑制度

日本において死刑が確定してから執行されるまでは約5年。
刑事訴訟法475条により法務大臣の署名捺印によって死刑確定後六か月以内に執行されることになっています。

今回は、2018年2月に一連の裁判が全て確定したことからこの「6ヵ月以内」が執行されたものと考えられます。

女性の法務大臣として印象に残っているのは、第83、84代千葉景子法務大臣。

死刑廃止論者でしたが、法務大臣の職に就いた後、所属していた「死刑廃止議連」を脱退し、
法務大臣として、
法の安定性(存在する法律が社会秩序維持に資する価値を維持するために必要と考えられる法の価値)に鑑み
死刑執行に大臣として署名し、その責任を果たすと死刑執行の現場に立ち会ったことが議論を呼びました。

・刑法第9条
 死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。

・第11条
 死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。

死刑には様々な方法があり、
日本も歴史を経て現在の絞首刑となっていますが、これについても議論がされています。

「死刑」は憲法が禁止する「残虐な刑罰」か否か

死刑は、日本憲法が禁止する「残虐な刑罰」にあたるかについて議論があります。

・日本国憲法第36条
 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。

1946年にあった尊属殺(現在は廃止された刑法規定)事件で最高裁に上告した被告人と弁護人らが、
「人道的な殺人」が存在しない以上、時代に依存した相対的基準を導入して「残虐」を示すことが
「生命の尊厳」を損ねるとして訴えました。
しかし判決は「社会公共の福祉のために死刑制度の存続の必要性」は承認され、
その「残虐性」に関しては、「火あぶり、はりつけ、さらし首、釜ゆでの刑のごとき残虐な執行方法」な方法を指すとされ、
絞首刑はそれには当たらない、とされました。
この最高裁判決が現在の死刑制度存置の根拠となっています。

何が残虐で、どうすると残虐でない死刑の執行方法があるのかについては、
米国の一部の州などで実施されている薬物による死刑が挙げられることがあります。
日本というと、侍の切腹を「ハラキリ」と揶揄し死刑存置国として残酷な国だと言われることがあるのは
こうした執行方法の比較から生れるものです。

世界から見た日本の刑法

日本の刑法典の特異なことのひとつに、
平成16年に改正されるまで強盗罪の方が強姦罪より罪が重かったことが挙げられます。
これは「人」より「物」の方が重要だったというほど日本は物資に乏しい国だったことの表れであると解釈される学者もいます。

この法改正の際、私は政策秘書として実際に改正作業に関わらせて頂き、
学生時代からの疑問だった刑法典の改正が実現したことを感慨深く思いました。

 
性犯罪に関しては、平成29年6月8日に更に改正され、性別に関わらず刑罰を科すこともできるようになりました。
人権に関する解釈がやっと社会に浸透したと評されたりもしました。

 
この平成16年の法改正と前後して、私は議員の随行で国連の「女性差別撤廃条例」批准後5年経過後の報告会に出席しました。
この時、日本の刑法が世界から見たときにどれほど野蛮に映るのか、南アフリカの方に厳しく指摘されたことを思い出します。
折も折、日本では時の法務大臣が、輪姦事件に関して「大学生はそのぐらい元気があった方が良い」と発言したことに関しての
法的制裁措置がないことについて、世界中から激しいブーイングを浴びたことも忘れられません。

死刑制度存置国

日本が承認している全世界の国の数は196か国、国連加盟国数は193か国です(外務省)が、
承認していない国も含め198ヶ国で見ると、死刑存置国は56ヶ国、事実上の廃止も含めると死刑廃止国は142ヶ国です。
この数字が多いか少ないかについては議論があり、死刑執行数を発表しない国もあることから、
人数比からすると5割と評する見方もあります。

EU加盟条件としての死刑廃止

人権思想発祥の地である欧州では、欧州評議会で、1982年、平時の死刑の廃止を規定する第6議定書を採択し、
2002年に第13議定書において「戦時を含むすべての状況における死刑の完全廃止」を規定しました。
宗教的背景も違う日本と一概に比較することはできませんが、その理由については以下のように述べられています。

欧州連合(EU)基本権憲章には、「何人も死刑に処されてはならない」と規定され、死刑廃止はEUの加盟条件です。

その理由は、人権的観点のみならず、死刑の「不可逆」に重きを置いているからと言われています。
冤罪の場合など、取り返しがつかないことになるからです。

欧州連合は「刑罰を科す」ことの目的を、犯罪を理解させ社会構成員としての役割を認識し、
最終的に社会復帰させることとしています。
日本の死刑以外の刑罰もこの点は同様で、社会復帰を目的とした教育刑として刑罰は課せられます。
ただ、死刑は「執行」されるまで、刑罰が実現されてはいませんので、死刑執行までの間は「刑務所」ではなく、
刑が確定してない人が入る「拘置所」にいることになります。

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