新刊著者にきく:7月9日発売『放送禁止』(角川学芸出版) 長江俊和さん

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『放送禁止』というテレビ番組をご存じだろうか? フジテレビ系列で2003年から不定期に放映されている知る人ぞ知る番組であり、昨年劇場版も制作公開された。そして今年、2009年7月11日には劇場版の2作目が公開となる。最新作のタイトルは『ニッポンの大家族 Saiko! The Large family 放送禁止 劇場版』。今回そんな『放送禁止』に関連する書籍が発売されるとの情報をえて、『放送禁止』シリーズの企画・制作者であり新著の著者である長江俊和さんにお話をうかがってみた。

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■この本を出版するきっかけは?

2003年からフジテレビの深夜に放送していたのですが、そこで紹介しきれなかった“真実”を、本のかたちで発表しようと思いました。また、7月にカナダの女性映像作家、ベロニカ・アディソンが撮ったドキュメンタリー『ニッポンの大家族Saiko! The Large family 放送禁止劇場版』が公開され、ドキュメンタリーというもののあり方を世に問う時期だと考えています。

■この本の読みどころは?

とにかく、細部まで目を凝らして、読み込んでください。本文には、実際に撮影された映像も掲載しています。ちょっとショックな内容も含まれていますが、よく読むと、必ず、見えてくる“真実”があるはずです。

■どんな人に読んで欲しいですか?

メディアに葬られてしまった真実を知りたいと思うひと、また、フィクションやノンフィクションを超えた新しいドキュメンタリーのかたちを体験したいひとたちに読んでほしいです。

■フェイクドキュメンタリーという手法を何故選択したのですか?

ドキュメンタリー作品に携わっていて、ドキュメント映像の迫力を、ドラマや映画の映像表現の手法として応用できないかな、と思ったのがきっかけです。

■長江さんが推薦するフェイクドキュメンタリー作品を教えてください

殺人鬼を密着取材したというベルギー映画の『ありふれた事件』は好きです。最近のものでは、『REC』や『クローバーフィールド』は面白かったですね。フェイクドキュメンタリーといえるかどうか微妙なんですが、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』などのラース・フォン・トリアー監督の諸作もお薦めです。僕がやったものでは『Dの遺伝子』というテレビシリーズの『生物災害』の回や、DVD作品『実録心霊シリーズ・私たちは呪われた』という作品がありますので、機会があれば是非見てください。

■最後に一言お願いします

映像では伝えきれないものがあります。本のかたちで、所有して、読み返して、はっと気づくときが必ずあるはずです。本のカバーや帯にも目を凝らしてみてください。隠された真実が見えてくるかもしれません。事実を積み重ねることが必ずしも“真実”に結びつくとは限らないのです。

どうもありがとうございました


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取材メモ:
フェイクドキュメンタリーという言葉をはじめてきいたという方は、どうかそのままの状態でこれらの映像作品を一度ご覧になってください。きっとこれまでにない新しい感覚を味わうことができると思います。
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深水英一郎(ふかみん)

深水英一郎(ふかみん)

トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

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