アニメ「藤本タツキ 17-26」初日舞台あいさつ!7人の監督が舞台に勢ぞろい/各コメントあり

「藤本タツキ 17-26」アニメ化!

「チェンソーマン」、「ルックバック」を生んだ藤本タツキ先生が17歳から26歳までに描いた、短編8作品が待望のアニメ化となりました。
映像化されたのは、漫画賞初投稿作「庭には二羽ニワトリがいた。」をはじめとしたこちらのラインナップです。

「庭には二羽ニワトリがいた。」
「佐々木くんが銃弾止めた」    
「恋は盲目」 
「シカク」
「人魚ラプソディ」
「目が覚めたら女の子になっていた病」
「予言のナユタ」 
「妹の姉」 

思春期の恋、暴走、狂気、絆を描いた多彩な物語が、6つのスタジオと7名の監督により鮮やかな映像となって動き出します。

作品は10月17日(金)より2週間限定で【Part-1】【Part-2】の2作同日公開。

初日舞台あいさつには監督が勢ぞろい

新宿バルト9で行われた初日舞台あいさつには、監督7名が登壇しました。全7名の監督陣が一同に会する機会は、この日1日限り。
司会はアニメ・サブカルチャーに極めて明るい吉田尚記アナウンサーのもと、各監督から藤本タツキ先生・初期作品をアニメ化する上でのこだわりについてお話しいただきました。

【登壇者】
長屋誠志郎 監督 (「庭には二羽ニワトリがいた。」監督)
木村延景 監督 (「佐々木くんが銃弾止めた」監督)
武内宣之 監督 (「恋は盲目」監督)
安藤尚也 監督 (「シカク」監督)
渡邉徹明 監督 (「人魚ラプソディ」、「予言のナユタ」監督)
寺澤和晃 監督 (「目が覚めたら女の子になっていた病」監督)
本間 修 監督 (「妹の姉」監督) 

各作品紹介

「庭には二羽ニワトリがいた。」長屋誠志郎監督

宇宙人との戦争に敗れ、人類は滅びた——とされている地球。そこで暮らす宇宙人の学生・陽平は、学校で二羽のニワトリを世話していた。だが、そのニワトリには秘密があった。
【STAFF】監督・脚本:長屋誠志郎 キャラクターデザイン:もああん 制作:ZEXCS
【CAST】小野賢章、桜井しおん、浦和希、斉藤貴美子、岩田光央

長屋監督:最初聞いたとき「短編集を全部アニメ化するってどういうこと?」と思いましたが、藤本タツキ先生の作品ということで、是非!と手を挙げました。藤本タツキ作品の主人公は痛みと共に在らねばならないという気持ちがありました。肉体的な痛みがあり、その後に精神的な痛みを感じて、力をぐっと解放するという“作法”を採り入れたつもりです。そういったところも観ていただけたら嬉しいです。

「佐々木くんが銃弾止めた」木村延景監督

春休みの補修、担任の川口先生に会いたい一心で参加した学生・佐々木。そこに突然の銃声が響く。教室に現れたのは、かつて川口先生に振られた男だった——。
【STAFF】監督:木村延景 脚本:内海照子 キャラクターデザイン:小園菜穂 制作:ラパントラック
【CAST】熊谷俊輝、安済知佳、岡野陽一

木村監督:通常の長編アニメーションの場合、1人の人間が全てをコントロールするのは難しいんですが、今回の場合は1本の20分とか30分の映像の痒いところ全てに手が届くんで、濃い作品が出来上がってくるんだろうな、という期待感がありました。原作を読んだ時は、不条理な話でありつつもパッションの出し方や直感表現がうまく、理路整然ともしていると感じました。バランスがすごく絶妙で天才肌、という印象の作品でした。

「恋は盲目」武内宣之監督

高校卒業の前日、生徒会長の伊吹は、想いを寄せるユリを下校に誘う。長年秘めてきた恋心を彼女に伝えようとするが、様々な障害が現れては、伊吹たちの下校を阻む!
【STAFF】監督:武内宣之 脚本:内海照子 キャラクターデザイン:もり ともこ 制作:ラパントラック
【CAST】堀江 瞬、若山詩音、森川智之、山本高広、諏訪部順一、能登麻美子

竹内監督:今回、自分の持ち味を出そうとも思いましたが、原作で描かれているもの──それはそのまま映像として使いたいな、とも思いました。今回の原作を読んだ時、表情の変化や姿勢といったものに対して、藤本先生ご自身が“縛り”をつけて描かれた作品だと自分は解釈したんです。十代の藤本タツキ青年が自分の作品にそういう縛りをつけてこの漫画を描くと決めた、と想像したので、それをフィルムにしなきゃいけないなと思っていました。

「シカク」安藤尚也監督

殺し屋としてその名を馳せている少女・シカク。吸血鬼・ユゲルは、3500年にも及ぶ不死の生活に退屈し、シカクに自分を殺すよう依頼する。
【STAFF】監督・脚本:安藤尚也 キャラクターデザイン:MYOUN 制作:GRAPH77
【CAST】花澤香菜、杉田智和

安藤監督:なるべく情報を入れず、影響を受けないように作っていました。最近ちょっと見たんですけど「すげえな」って普通に感じてます。特に印象に残っているのは、(寺澤監督の)「目が覚めたら女の子になっていた病」でした。これは本当に良かったですねえ(笑)。(寺澤監督:光栄です(笑))
藤本先生の作品は、セリフ回しがすごいなと思ってます。普通のアニメだったら絶対にこうしてないよね、みたいなところがおしゃれだなって思いました。原作通り、声優さんにもやっていただきました。

「人魚ラプソディ」渡邉徹明監督

海辺の町に暮らす少年・トシヒデの宝物は、海の底に捨てられている人魚のピアノ。ある日、いつも通りピアノを演奏していたトシヒデは、隠れて聴いていた人魚の少女・シジュと出会う。
【STAFF】監督:渡邉徹明 脚本:小林達夫 キャラクターデザイン:島崎望 制作:100studio
【CAST】菊田千瑛、幸村恵理

「予言のナユタ」渡邉徹明監督

ケンジの妹・ナユタは「世界を滅ぼす」と予言された悪魔の子として、周囲の人々から忌み嫌われていた。ある日ついに、ナユタが大事件を起こしてしまう…。
【STAFF】監督・脚本:渡邉徹明 キャラクターデザイン:東島久志 制作:100studio
【CAST】咲々木瞳、松岡洋平

渡邉監督:2作品担当させていただきましたが、どちらもすごく頑張って作りました。
(吉田尚記アナ:「人魚ラプソディ」は作画枚数が1万枚を超えたと伺いました)
海中でピアノを弾いてるだけでえらい枚数かかったので、製作にすごく怒られました。お金使いすぎて。「予言のナユタ」は「人魚ラプソディー」とは対照的な作品なので、わかりやすく逆方向でアプローチしました。別の人間が作ったのかな、という風に見えるよう、いろいろ工夫して作りました。この2作品はどちらも割とシンプルなお話で、思いのすれ違いみたいなところがあります。ただ、いずれもタツキ先生の“変態性”みたいなものが散りばめられているのが、先生の作家性に繋がってるのかなと思いました。今回僕はそれをなるべく原作のまま、広げていきました。

「目が覚めたら女の子になっていた病」寺澤和晃監督

ある日、目が覚めたら女の子になっていた少年・トシヒデ。クラスの男子たちの嫌がらせの標的にされてしまったトシヒデを助けたのは、恋人・リエの兄・アキラで…。
【STAFF】監督・脚本:寺澤和晃 キャラクターデザイン:徳岡紘平 制作:スタジオカフカ
【CAST】榊原優希、河瀬茉希、山下誠一郎

寺澤監督:すごい緊張感はあったんですけど、自分の表現で新しいものをやりたい欲求がすごく強い時期でもあったので、ぜひ取り組ませていただきました。今回は劇中で、とあるアーティストさんの曲を新録までさせていただきました。ああいう朗らかな世界観みたいなものも、久しぶりにみんなに味わっていただけたら面白いのかな……と思っています。
「チェンソーマン」だったら“悪魔と人間しかいない世界”というファンタジーなんですが、原作の設定自体にものすごい説得力があるんですよね。そう思えちゃうかも?という世界の構造みたいな要素が原作にちゃんと落とし込まれている。それは本当にすごいことだなと思いました。ですので「目が覚めたら女の子になっちゃってた」っていうのはどういうことなのかな、ということを、よく考えながら作りました。

「妹の姉」本間修監督

ある朝、光子が美術学校に登校すると、玄関に自分の裸の絵が飾られていた!それは光子の妹・杏子が描いた作品で、1年間も学校に飾られることに。屈辱を晴らしたい光子は…。
【STAFF】監督:本間修 脚本:米内山陽子 キャラクターデザイン:佐川 遥 制作:P.A.WORKS
【CAST】中島瑠菜、中井友望、今井朋彦

本間監督:やっと見てもらえるんだなっていうことに結構ワクワクしています。感想とかどんどんツイートしていただけたら嬉しいなと思ってます。当初は大変な企画の話が来たな、と思い、襟を正す思いで必死に作らせていただいたんですけれど、──同時に「ルックバック」を(同時期にどこかで)作っているという情報も入ってきていたので、「おぉ、ど、どうするか……」みたいなことは、ずっと思いながら向き合っていました。結果、全然違うものになってはいるので、そういったところも楽しみにしていただけたらいいなと思います。
この「妹の姉」は、目の表情とか、何を見ているかっていことがすごく繊細に表現されている作品だと思っています。なんか目線が交わらないことが多かったり。藤本先生の作品は「どこ見てんだろう」ということについて、考えさせられてしまうところがあると思いますし、特にこの作品はそれが主題の近いところにあると感じています。それがこの作品らしさなのかな、と思って取り組ませていただきました。

「藤本タツキ 17-26」概要

10月17日(金)より2週間限定【Part-1】【Part-2】2作同日公開

原作:藤本タツキ 『藤本タツキ短編集 17-21』『藤本タツキ短編集 22‐26』(集英社ジャンプコミックス刊)

制作統括:FLAGSHIP LINE
製作:「藤本タツキ 17-26」製作委員会
配給:エイベックス・ピクチャーズ

【公式サイト/公式SNS】
公式サイト:https://fujimototatsuki17-26.com
公式X:@17_26anime_PR

©藤本タツキ/集英社・「藤本タツキ 17-26」製作委員会

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オサダコウジ

慢性的に予備校生の出で立ち。 写真撮影、被写体(スチル・動画)、取材などできる限りなんでも体張る系。 アビリティ「防水グッズを持って水をかけられるのが好き」 「寒い場所で耐える」「怖い場所で驚かされる」 好きなもの: 料理、昔ゲームの音、手作りアニメ、昭和、木の実、卵

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