正しいクレーム電話のかけ方
いままで買った商品すべて満足した人なんて、まずいないと思います。「まぁ仕方ないか」というレベルから「我慢できねー。金かえせ!」「損害賠償しろ!」と言いたくなるようなケースまでいろいろあるのではないでしょうか。
そこでそういった感想(感情?)を販売店やメーカーに電話すると、“クレーム電話”になるわけですが、クレーム電話の掛け方も最初にいくつか決めておかないと、どうにも収集がつかなくなることがあります。
今回は、クレーム電話を掛ける前に整理すべきポイントを紹介していきたいと思います。
1)何が不満なのか?
購入した携帯電話が、ブチブチ切れてしまう。1か月ほったらかしにしたスマホが、勝手にネットに接続されてパケット代が上限になった。発送したメール便が、相手に届いてないのに『配達完了』となっている。買ったばかりのプリンタのカスレがひどい……などなど、いろいろな不満があると思いますが、不満があるからと言って、スグに電話を掛けてはダメです。まずは、不満に思える箇所を、箇条書きにまとめてみましょう。そうすると、製品の性能以上の機能を求めている場合があるかもしれません。そういった要求に対しては、当然、相手は話なんて聞く気がありませんから、どんな電話をしても「すみません」「もうしわけありません」としか返事しません。
まず、なにが不満なのか整理して電話を掛けましょう。
2)どこに電話をかけるべきか?
最近は、販売店の補償期間も長くなったので、販売店に電話を掛けたほうが有利なことも少なくありません。メーカーに電話を掛けても、OEM生産だったり、製造が海外だったりすると、技術的な返事はほとんど期待できません。やはり「すみません」「もうしわけありません」と嵐が通過するのを待つだけの返事になるでしょう。そんな時は、販売店に電話を掛けて“味方”になってもらいましょう。
販売店の補償を期待する場合、決して怒ってはいけません。メーカーに電話掛けたけど、ひどい仕打ちをされた、可哀想な被害者の立場で電話をしたほうが良いでしょう。
その場合「いつもその販売店で購入している」とアピールすることを忘れてはいけません。うまくやると、販売店がクレームに協力してくれる場合もあります。個人と販売店では購入規模が違うので、対応に雲泥の差が出てきます。ネット通販の場合は……、ほぼ無理ですけど。
ただ、販売店の補償内容は免責や上限があります。超過した場合、販売店は相手にしてくれませんので、補償内容を十分に確認しておきましょう。
3)書類はすべてそろっているか?
最近はユーザー情報が残っていることが多いので、ユーザー番号やシリアル番号だけで内容を理解してもらえることが多いのですが、それをアテにしていると、相手に上手く丸め込まれてしまいます。購入時に入っていた書類、保証書はもちろん、マニュアルや、パッキング情報、できれば購入時のチラシまで取っておきましょう。
携帯電話など、契約が発生する場合、契約書は必須です。というのも、筆者が携帯を契約したとき、サインしてない契約書が封筒の中に入っていて、危うくわけのわからないオプション代金を引き落とされそうになりました。詳細は割愛しますが、そんな詐欺まがいの代理店も存在しています。
契約書が発生していなくても、購入日時や、補償内容の確認など予め知っておいたほうがいいでしょう。でないと、相手の言いなりになって、販売店の補償期間内なのに、必要のない修理代金をメーカーに払ってしまうことになりかねません。
4)何をしてほしいのか?
そして最後に、一番大事なことがこれ“相手にどうして欲しいのか?”です。
・交換を希望するのか?
・返金してほしいのか?
・修理して欲しいのか?
・修理期間の代替機はどうするのか?
・損害賠償してほしいのか?
あらかじめコレを決めてない場合、電話は“クレーム担当”につながれて、適当にあしらわれてしまいます。損害賠償を持ち出すと、クレーム電話では対応できませんので、裁判するしかありません。当然、相手にも事情があるので、そのまま希望が通らないこともあるでしょうが、それでも上手い着地点を提示してもらえると思います。
クレーム電話を掛ける場合に、一番まずいのは“1円でも得しよう”と思って欲張ることです。クレーム電話は、あくまで“交渉”です。自分の要求を通すばかりでは、まとまる話もまとまりません。うまい落としどころ見つけられるように、歩み寄ることも忘れないでください。
では、健全なクレーマーライフ(?)を!
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