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生活保護に関する統計を見てみる(暮らしの経済手帖)

生活保護に関する統計を見てみる

今回は凡人オヤマダさんのブログ『暮らしの経済手帖』からご寄稿いただきました。

生活保護に関する統計を見てみる(暮らしの経済手帖)

今回は生活保護の受給世帯数や支給総額の変化やどういう扶助が多いのか、誰が受給しているのかといった統計を確認していきたいと思います。「誤解と偏見だらけの生活保護問題*1 」で述べたように生活保護の関して多くの人々は、基礎的な統計すら確認せずに、強い思い込みや先入観だけで「もっと保護費支給を厳格化しろ」とか「保護費はみんな酒やギャンブルにつかわれる」といった発言をしています。冷静に統計を確認してみると生活保護の実情が違った姿に見えてきますし、意外な問題点も気づくことでしょう。これまでこのブログサイトで書いてきた生活保護関連の記事も再度読み直していただけたらと思います。

*1:「誤解と偏見だらけの生活保護問題」2018年10月9日『暮らしの経済手帖』
https://blogs.yahoo.co.jp/metamorphoseofcapitalism/36765622.html

生活保護関連の記事

「生活保護制度はなぜ生まれた? 」2018年10月10日『暮らしの経済手帖』
https://blogs.yahoo.co.jp/metamorphoseofcapitalism/36766666.html

「生活保護制度の4原則と保護費の算定 」2018年10月11日『暮らしの経済手帖』
https://blogs.yahoo.co.jp/metamorphoseofcapitalism/36767300.html

生活保護に関する統計は厚生労働省がまとめております。
厚生労働省 「生活保護制度の現状について 」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000164401.pdf

まず生活保護受給世帯者数の変化からみていきましょう。
当たり前の話ですが、生活保護受給者・世帯の数は経済動向に大きく左右されます。戦後の高度経済成長期から平成バブル景気に至るまで日本経済は右肩上がりの経済成長を続けてきましたが、それに伴い生活保護受給世帯数もどんどん減っていきます。

年次推移

しかしバブル崩壊後の平成初期・1990年代から生活保護受給者・世帯が、みるみる上昇してしまいました。世界金融危機とそれに伴う「派遣切り」といわれる非正規雇用者の大量解雇が発生した後は受給世帯が急増します

生活保護受給者の推移

しかしながら平成25年に安倍自民政権が発足し、リフレーション政策の理論を基にしたアベノミクス*2 と云われる経済政策が実行されます。

*2:「異次元の量的・質的金融緩和政策」2018年1月9日『暮らしの経済手帖』
https://blogs.yahoo.co.jp/metamorphoseofcapitalism/36530812.html

参考記事 「リフレーション政策と雇用回復 ~投資が増加したかが重要~ 」
https://blogs.yahoo.co.jp/metamorphoseofcapitalism/36542990.html

これによって企業の投資意欲が促進され、雇用改善の動きがしっかり現れました。この前後から生活保護受給者・世帯の増加に歯止めがかかりはじめ、平成27年3月をピークに受給者数は減少に転じます。

次に年齢階層別の生活保護受給者・世帯数推移を見てみましょう。

日本の場合、生活保護受給者は65歳以上の高齢者が半分近く(45.5%)を占めています。

年次推移

生活保護をもらっている人間は働かない怠け者だというレッテル(スティグマ)が貼られがちですが、高齢で体が動かなくなり、就業が難しくなった人たちが受給している割合が高いと見るべきでしょう。老齢年金の支給額が低いために生活保護費で不足分を補填してもらっている人たちが多い状況なのです。
高齢者以外の生活保護受給者は平成23~24年より減少傾向です。行政による生活保護支給厳格化が効いたのでしょうか?

そして生活保護費の負担金実績は医療扶助が約半分を占めています。

実績額の推移

生活保護費の削減というと、受給資格の決定や保護費支払いの厳格化によって不正受給を取り締まれという話になりがちですが、金額面でいえば生活扶助などよりも医療扶助の方を注視すべきでしょう。後で取り上げますが、一部の悪質な医療機関によって生活保護受給者が過剰診療を受けさせられ、扶助を詐取されるといった事件が起きています。「患者を殺す劣悪なブラック病院*3 」という記事で終末期や認知症になった患者を抱え込み、超低コスト経営で診療報酬だけを収奪するような病院経営者が存在することを書きましたが、生活保護の医療扶助もその標的にされています。

*3:「患者を殺す劣悪なブラック病院」2018年9月4日『暮らしの経済手帖』
https://blogs.yahoo.co.jp/metamorphoseofcapitalism/36735808.html

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