【衝撃】炎上当事者が激白! エイベックスのまネコ騒動の裏側「毎日が地獄だった」
皆さんは「エイベックスのまネコ騒動」をご存じだろうか。2005年に発生した騒動であり、この騒動をリアルタイムで知っている人は30~40代以上と思われる。今回は、その騒動の中心にいた元エイベックス社員K氏が当時の裏側を激白。独占スクープとしてお伝えしたい。
・のまネコ騒動とは
事の顛末はこうだ。ルーマニアの音楽グループ O-Zone の楽曲「恋のマイアヒ」がエイベックスより発売され、「歌詞が日本語に聞こえる」という点が話題となり2ちゃんねる等で大ブレイク。その人気の波に乗り、二次創作で通称「のまネコ」が登場するアニメーションが個人により作られた。
・「のまネコ」グッズが作られ販売
エイベックスはアニメーションを作成した個人と連絡をとり、CDに「のまネコ」要素を取り入れて発売。また、複数のキャラクターグッズを作成し、あらゆる「のまネコ」グッズが作られて販売された。
・誰のものでもないネットキャラを商標登録するのか
しかし問題はここからだった。エイベックスが「のまネコ」「米酒」などの名称や図形を商標登録申請したため、2ちゃんねるユーザーをメインに多くの人たちが「のまネコは2ちゃんねるのモナーに酷似してる」「誰のものでもないネットキャラクターを商標登録するのか」とブチギレ激怒。大炎上となったのである。
・松浦勝人氏に放火予告事件
ただインターネット上で炎上しただけではない。当時はエイベックスの社長だった松浦勝人氏(現会長)に対して放火予告が発生。さらに松浦勝人氏の妻に対して「濃硫酸を浴びせる」などの脅迫が書き込みされ、事件へと発展した。
・元エイベックス社員K氏を独占インタビュー
そんなカオスな展開をみせた「のまネコ騒動」だが、今回、当時「のまネコ」事業を進めたメインスタッフの元エイベックス社員K氏を独占インタビュー。世間には知られなかった「のまネコ騒動」の裏側を激白してくれた。
・エイベックスのまネコ騒動の裏側
記者 本日はよろしくお願いします。
K氏 本題に入る前に、知っておいてほしいことがひとつあります。当時、エイベックスが何かするとインターネット上でアンチが文句を言ってくる流れがありました。エイベックスは叩く標的になりやすく、燃えやすい状況下で発生したのが「のまネコ騒動」です。
記者 ということは「のまネコ」事業は燃えやすいのをわかっててやったのですか?
K氏 そうですね。ですが徹底して問題ないように進めました。炎上したのは2ちゃんねらーたちの「モナーみたいなネットキャラを勝手に商標登録するな」という怒りが原因なのですが、法務部にしっかりと確認し、問題ないとお墨付きをもらいました。そのうえで、オリジナリティがあるキャラクターとして「のまネコ」を商標登録申請したのです。
記者 天下のエイベックスの法務部がオーケーしたのであれば、問題ないのは確かなのでしょうね。
K氏 そうなんです。著作権的に何も問題ない。「のまネコ」はモナーでもなければギコネコでもないし、シナモンロールでもない(笑)。ネットのキャラクターを盗作したわけでもないし、問題は「2ちゃんねらーの感情」という部分だけだと思っています。
記者 法的には問題なかったが、感情的な部分で2ちゃんねらーに叩かれて炎上したと。
K氏 はい、そうですね。でも世間の声は大切ですから、2ちゃんねらーの声はしっかり受け止めました。
・ネット上で社長に対する犯行予告
記者 なるほど。では当時の事を時系列的にお話をお聞かせください。
K氏 2005年にエイベックスから O-Zone のアルバムを出して、そこに収録されている「恋のマイアヒ」がインターネットで人気になりました。日本語じゃないけど「米さ米酒か」とか「飲ま飲まイェイ!」とか、空耳で日本語のように聞こえるから面白かったわけです。
記者 その空耳で「恋のマイアヒ」が大ブームになった2005年、どこに行っても曲が流れているほど大ブレイクしていたのを記憶しています。
K氏 そのブームのなか、個人が作った「のまネコ」の絵と「恋のマイアヒ」でアニメーションを作って、2ちゃんねるとかブログとかで大人気になりました。それを見た音楽制作担当が「面白い!」と思い、アニメーションを作った個人に連絡を取って許可を取り、CDのジャケットや特典動画に「のまネコ」を使用しました。そこまでは2ちゃんねらーも受け入れてくれる流れがあって問題はありませんでした。
記者 なるほど。
K氏 そこまでは良かったのですが、グッズを作るため「のまネコ」「米酒」などを商標登録したとたん「モナーを勝手に商標登録しやがって」という声が上がり、一気に炎上しました。ちなみに商標登録はエイベックスではない別の会社にやってもらいました。エイベックスが商標登録すると叩かれるのはわかっていたので、他社が商標登録する流れにしたのです。でも商標登録をするための提出書類を作成したのは私です。
記者 炎上することを見越して、エイベックスではない別会社に商標登録させたにもかかわらず燃えたと。
K氏 そうです炎上しました。エイベックスは燃えましたし、商標登録した会社も燃えましたし、のまネコを考えた個人も燃えました。すると個人の方は「利益はいらないから手を引きたい」ということに。
記者 エイベックスとしてはどのような対処をすることにしたのですか?
K氏 炎上してるけど時間が解決してくれるのを待とうという流れになってたのですが、「のまネコ」の商標登録で炎上してから、社長宅に放火予告や、社長の奥さんに対する傷害予告もありましたからね。それは事件ですから、スルーできなくなりました。
・商標取り下げとグッズ販売の中止が決定
記者 炎上のようすはインターネットで多くの人が知っていると思いますが、当事者側の心境はどうだったのでしょうか。
K氏 最悪でした。生きているのが辛かった。
記者 炎上し続ける日々で……。
K氏 毎日、出社したら担当の私ひとりが呼ばれて報告会議ですよ。社長と幹部がズラリと並んでいる会議室で、私がまとめた「インターネットに書き込みされた関連コメント」を見せて報告するのです。2ちゃんねるなどに書き込みされたコメントをキャプチャして報告。毎日、胃が痛い。辛すぎです。いや、社長や幹部も辛かったと思いますが、そんな毎日が2~3週間くらい続きました。
記者 毎日朝から報告会議を数週間も続けた!? 放火すると言われた社長も辛かったと思いますが、Kさんもかなりの重圧ですね。社長はかなり怒ってましたか?
K氏 怒ってましたが、私個人を責めるというより、インターネットを絡めたビジネスでこのようなトラブルを発生させてしまったことに怒っていました。プロのビジネスなのに騒ぎにしてしまったことに怒っていた印象があります。この会議で「米酒」と「のまネコ」などの商標取り下げとグッズ販売の中止が決定しました。
記者 でもKさんひとりが毎日呼ばれて報告会議をしていたということは、Kさんしか「のまネコ」事業をやっていたスタッフはいなかったのですか?
K氏 ほかにもいましたよ。私と上司で「のまネコ」を展開させていました。しかし上司は「すべてKがやったこと」と言い逃れして、責任を私にすべて私になすり付け。反論しましたが最終的に「Kが悪くて上司は悪くない」ということになりました。私がどう思っても会社の判断がすべてです。ちなみにその上司は会社をやめてどこかに行きましたが。
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