佐藤千亜妃、カヴァーライブ【VOICE】をビルボードライブにて開催 ソロ曲も披露された特別な一夜の模様をレポート
佐藤千亜妃のソロカヴァーライブ【佐藤千亜妃 Special Cover Live VOICE3 ~Luxury Banquet~】が、11月28日ビルボードライブ東京にて開催された。
きのこ帝国のフロントマンとしてヴォーカル、ギター、作詞・作曲を担当する佐藤千亜妃。今年7月には、砂原良徳を共同プロデューサーに迎えた初のソロ作『SickSickSickSick』をリリースし、個人としても表現の幅を広げている。そんな彼女のカヴァー・ライブシリーズ【VOICE】が、この度ビルボードライブにて開催。3回目となる今回のライブでは、自身のルーツとなったカヴァー曲はもちろん、きのこ帝国やソロの楽曲も交えたスペシャルなステージとなった。
オープニングナンバーを飾ったのは、Lily Chou-Chou「飽和」。佐藤のメランコリックな歌声と、今にも消えてしまいそうな優しげなピアノの音色が、白昼夢の世界を創り出していく。「今日は来てくれてありがとう」と軽く挨拶をしながら、【VOICE】では毎回カヴァーされているUAのナンバー「甘い運命」へ。先ほどまでの張りつめた空気とは打って変わり、柔らかなグルーヴで観客をもてなした。
続いては、今年7月にリリースされた最新EPより「太陽に背いて」と、宇多田ヒカル「Automatic」。ビルボードライブのステージにぴったりのクールな曲の連続に、オーディエンスは静かに身体を揺らしていた。
この日のセットリストには、歌の細やかな表情の違いや温度の違いをより感じられるような、ゆったりとしたテンポの曲が多く並んだ。歌謡曲の持つ“わびしさ”を丁寧に表現した松任谷由実「雨の街を」、アコースティックギターとのデュオ編成で語りかけるように歌ったBUMP OF CHICKEN「ベル」、うずくまりながらエモーショナルを炸裂させた椎名林檎「ギブス」など、毛色の異なる楽曲を次々と披露。原曲の良さも自身の持ち味も、どちらも大切にしながら歌い上げていくその姿に、原曲アーティストへの深いリスペクトと、自身の枠を越えていこうとする挑戦心が感じられた。
本編ラストソングは「キスをする」、そしてアンコールには「リナリア」と、自身のソロ曲でこの日のライブは締め括られた。単なるカヴァーライブではなく、一つのショーとして成立していたからこそのエンディング。佐藤千亜妃というヴォーカリストのこれからが、ますます楽しみになるような一夜だった。
Photo:Viola Kam (V’z Twinkle)
Text:Mika Fuchii
◎公演情報
【佐藤千亜妃 Special Cover Live VOICE3 ~Luxury Banquet~】
2018年11月28日(水)
東京・Billboard Live TOKYO
<セットリスト>
01. 飽和 / Lily Chou-Chou
02. 甘い運命 / UA
03. 太陽に背いて
04. Automatic / 宇多田ヒカル
05. 雨の街を / 荒井由実
06. MOON WALK / きのこ帝国
07. ベル / BUMP OF CHICKEN
08. カブトムシ / aiko
09. ギブス / 椎名林檎
10. CROW / 鬼束ちひろ
11. キスをする
en. 1st stage – リナリア / 2nd stage – Summer Gate
関連記事リンク(外部サイト)
佐藤千亜妃(きのこ帝国)自身の誕生日に教会でソロカバーライブ開催
佐藤千亜妃(きのこ帝国)、ソロEPのアナログ盤が12月にリリース決定 ライブ会場での先行販売も
佐藤千亜妃(きのこ帝国)、夏の夜の街を疾走する「Summer Gate」MV公開
国内唯一の総合シングルチャート“JAPAN HOT100”を発表。国内外のオリジナルエンタメニュースやアーティストインタビューをお届け中!
ウェブサイト: http://www.billboard-japan.com/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。