「女性が長く働ける仕事」とは?職種選びのポイント

「女性が長く働ける仕事」とは?職種選びのポイント

結婚や出産を経ても仕事を辞めず、長く働くことを希望する女性が増えています。女性の雇用環境が変わり続けている現在、「長く働ける仕事」を選ぶには、何を基準にしたら良いのでしょうか。

リクルートキャリアの女性リーダー採用・活躍支援プロジェクト「ジョカツ部」※に、仕事選びのポイントを聞いてみました。

※プロフィール

リクルートキャリア「ジョカツ部」(女性リーダー採用・活躍支援プロジェクト)

復職、共働き、そしてキャリア構築が当たり前の時代へ。

働く女性にとって、無理すぎず、誰かのまねでなく、自分らしいリーダーシップを発揮するチャンスが増えています。これからの当たり前を、私達だけでなく皆さんと一緒に創る、プロジェクトです。

今後もさまざまな切り口での女性活躍に関する情報発信等を予定しています。女性のライフ&キャリアのヒントを得たい方は、ぜひフォローしてみてください。

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「思い込み」で将来の可能性を狭めない!女性の転職・仕事選びのポイント

女性の転職活動において、キャリアアドバイザーへの相談で多いのは「今の営業・販売の仕事は長く続けられないから、事務職になりたい」「結婚・出産を想定して、残業が少ない会社がいい」という声です。

事務職は派遣スタッフを導入する企業も多いため、リクルートエージェントにおける8月のオフィスワーク事務職の有効求人倍率は0.42倍と、他職種と比較すると低い傾向にあります。0.42倍ということは、10人の事務職希望者に対して、4.2件しか求人がないことを示しています。競争率の高い事務職だけをターゲットにしていると、転職が長期化したり、選択肢が少ないため条件に不満を持ちながら入社を決めて後悔したりする可能性があるのです。

有効求人倍率

そこで、陥りがちな「思い込み」のご紹介とともに、仕事選びのポイントをご紹介します。

イメージ先行で職種を限定してしまうケース

営業経験があるなしに関わらず、転職を検討している女性の希望に、「長期的に働き続けることを考えると、営業系よりも事務系の職種がいい」という声があります。

営業経験のない方は「営業=外回りで大変そう」、営業経験をお持ちの方は、「これまでの営業経験から、長く働けるイメージを持てない」という印象を抱いており、それが職種選びの基準となっているようです。もちろん、全てが間違いというわけではありませんが、イメージだけで職種を選んでしまうと、選択肢を狭めることになってしまいます。

例えば、営業職といっても、単価100円の商材を個人商店に飛び込みで新規営業するスタイルと、単価1億円の商材を数年かけて複数のプロジェクトメンバーと一緒に大企業に提案するスタイルでは、活躍するタイプも異なりますし、身につくスキルも異なります。全く同じ商材であったとしても、社風や大事にしている経営理念が違うだけで、評価は変わってくるでしょう。

営業や販売経験をお持ちであれば、全く経験のない事務系スキルが求められる職種へのキャリアチェンジよりも、対人折衝スキルを活かした職種の方が転職先の幅の可能性も広がり、実力に応じて給与を上げられる余地もあります。

せっかくコミュニケーション力や提案力に長け、営業としても実績を上げていたのに、「ノルマが大変だった」「実績だけの評価だった」など、現状の不満だけで職種を変えてしまうのでは、これまでのキャリアを活かしきれません。具体的にどんな働き方を実現したいか、どんな瞬間にやりがいを感じるのかを考えた上で、幅広い視野で検討することをお勧めします。

将来を想定しすぎて石橋を叩きすぎてしまうケース

「結婚・出産を想定して、残業がない会社がいい」という声も、女性求職者から多く寄せられます。スリール株式会社の両立不安白書の調査※1では、実に92.7%の子どものいない女性が「両立することに不安を感じる」と回答しています。両立への不安や未来への不安は、誰しもが抱えているものです。

もちろん、何事も想定をして備えることは大事ですが、ライフイベントに関しては想定通りに進まないこともあります。残業が全くない代わりに、責任感もない、興味も持てない仕事を選ぶよりも、多少の残業は発生してしまっても、やりがいがあり、出産後も自身で時間をコントロール出来る裁量権がある仕事を選ぶ方が幸せな場合もあります。

例えば事務職の中にも、Accessなどの高いPCスキルや、ビジネスレベルの語学力や特定の領域に対して深い専門知識を求めるようなポジションもあります。正社員の事務職は、派遣スタッフのマネジメント等、管理職的な仕事内容がメインとなることもあります。また、営業職の中には、コールセンターやインサイドセールスなど、直行直帰が可能で残業が発生せず、外勤のない仕事もあります。

固定概念として持っている職種自体のイメージではなく、その会社、その求人での具体的な仕事内容はもちろん、どのような行動や成果が評価に繋がる仕事なのか、といったところまで確認し、自分の強みを活かせるか、やりがいをもって働けるか、といった視点でも考えてみましょう。

※1:スリール株式会社「両立不安白書」

https://sourire-heart.com/ryoritsufuan/

自分の「強み」を知るためには?

現在の職種のまま転職をするにせよ、キャリアチェンジをするにせよ、中途採用において企業は一般的には「即戦力」を求めています。

即戦力というと、「○○ができるスキル」「○○の専門知識を持っている」など、具体的な技能・知識をイメージしますが、選考基準はそれだけではなく、ビジネススキルとしてどんな「強み」を持っているかも判断のひとつです。仕事内容が変わっても“持ち出して活かすことが可能なスキル“という意味で、「ポータブルスキル」と呼ばれています。

例えば、月次、週次、日次と営業計画を立てて営業活動を進めていたという「計画性」の強みを持った営業経験者であれば、納期の決まったプロジェクトを確実に進めていくことを求められるシステム開発のプロジェクトリーダーの仕事でその強みを活かせるかもしれません。

応募求人の仕事内容と照らし合わせた時に、自分のポータブルスキルがどのように活かせるかがイメージできれば、選考の段階でも通過の可能性が高まり、入社後にミスマッチを感じることも少なくなります。

参考記事

転職活動に役立つ「自己分析」のポイント(整理シート付) 無料自己分析ツール「グッドポイント診断」 ポータブルスキル診断(一般社団法人人材サービス産業協議会)

「客観的な事実情報」の収集を

転職活動では、「とにかく今の仕事、会社以外であれば何でもいい」と勢いに任せたり、自分の中でのイメージ先行で転職先を選んだりすると、入社後の違和感につながる可能性があります。

転職は、複数の企業の働き心地を試してから比較検討できるわけではないので、実際に入社してみたら、「前職企業は意外と良い会社だったのかも…」と後悔をするケースもあります。

まずは自己分析を行い、客観的な事実情報の収集を行った上で、できれば周囲の人やキャリアアドバイザーなどにも相談し、慎重に行うことをお勧めします。 Edit&Writing:RCAジョカツ部 内田怜七

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