AIが当たり前となるこれからの時代、私たちはどう生きていくべきか?

AIが当たり前となるこれからの時代、私たちはどう生きていくべきか?

 AI(人工知能)、仮想通貨、電子マネーなど10年前にはまだ一般的とはいえなかったこれらのワード。今では私たちの日常にありふれたものとして存在しています。少し前までは「AIが人間の仕事を奪うようになる」と言われてもピンと来なかったものですが、今セルフレジを導入するスーパーマーケットやアパレルショップなども日に日に増えているのが現状です。

 逆に言えば、これから先の仕事や会社、キャリアについてだって、10年後どころか5年先すら予期できない状況といえるのではないでしょうか。では、新たに始まる世界の中で私たちはどう生きていくべきなのか……?

 その手がかりを示してくれる一冊が、堀江貴文さんと落合陽一さんによる『10年後の仕事図鑑』。お金、職業、仕事、会社、学校など、今考えられる新たな社会の姿を、常に時代の先端を走り続ける堀江さんと気鋭の日本人研究者として注目を集める落合さんが、あますところなく語っています。

 少し前にAIでなくなる職業が話題になったことがありますが、実際に「自分の仕事はこの先も通用するのか?」「AIに取って代わられることはないのか?」と危機感を抱いている人も多いはず。本書では「消える職業」「生まれる職業」など含め、50近くの職業の未来をイラスト入りで紹介していて参考になります。

 たとえばビジネスマンの筆頭職ともいえる「営業職」。本書では「AIが信頼されるようになると、『この人なら買ってもいい』と思われるようなお客さんがついている営業職だけが生き残れるようになる」と予想されています。そしてこの兆候はすでに「YouTuberの動画コマースなどに表れているのではないだろうか?」とも。

 たしかにひと昔前であれば、何か商品を買おうとした際、営業職の人から説明を受け購入するかどうかを判断する場合が一般的でした。けれど今、ネットで少し探すだけで商品の情報が豊富に見つかり、購入者のレビューを見ることができ、さらに自分の好みや希望に合わせた最適な商品までオススメしてくれる。営業マンよりもYouTuberの動画紹介のほうがはるかに購買欲をそそられる場合もあります。将来的には「フォロワーのいる営業職だけが生き残る」というのもあながち間違いではないかもしれません。

 他はどうでしょうか。なり手がいないということでニュースなどでたびたび取り上げられる「介護職」。これについては「サービスのあり方が変わる」としています。行動にともなう安全管理といったAIに任せられる部分が増えれば、人がやるべきでない業務が減る。「仕事は最適化され、対話など、人間にしかできない仕事の価値が総じて高くなるだろう」と書いています。仕事の価値が高くなることで介護士の賃金が高くなる未来もありうるのであれば、AIの進化も悪いものばかりではないといえそうです。

 本書では、おとずれる未来に対して不安ばかりを煽っているわけではありません。今後、今のような形の仕事や会社はなくなるかもしれませんが、それを希望と見るか絶望と見るかはあなた次第だと説いている本書。この先、自分なりのポジショニングをどうすべきか見極めたい、これから社会にはばたく学生、将来の職業について考える10代など、幅広い人たちが生き方のヒントをもらえる一冊となっています。

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