プレゼンの続きが聞きたくなるスライド作成のコツ──澤円のプレゼン塾(その21)

プレゼンの続きが聞きたくなるスライド作成のコツ──澤円のプレゼン塾(その21)

仕事のプレゼン資料を作ってみたものの、専門的になりすぎてしまったり、逆に一般的すぎてインパクトがないなど、面白みに欠けてしまうことが多いのではないでしょうか。澤円のプレゼン塾・第21回は、プレゼンテーマから「連想」を駆使したスライド作成のテクニックをお伝えしていきます。

スライド作成に使えるプロ御用達の画像サイト

前回までは、画像を使ったスライド作成についてお話しさせていただきました。あの後、画像検索についていろいろと調べてみたところ、ちょっと気に入ったWeb サイトに出会いましたのでご紹介します。

有料の画像をダウンロードできるサイトは数多くありますが、その中でもこちらは相当有名なようで、プロの方の御用達になっているサイトだそうです。

「Dollar Photo Club」というサイトがそれです。

このサイトの画像はとても手軽な値段でダウンロードが可能になっており、(1枚あたり1ドル)、また画像のクオリティも高いものが揃っています。フリーワード検索によって自分好みの画像を見つけることができ、著作権を気にすることなく使いまくることができます。

ぜひ、皆さんも自分のスライドにちょっと投資をしてみてはいかがでしょうか。

「連想力」を駆使したスライド作りのコツ

今回のテーマは「連想力」です。

これは第8回・第9回でもお話しした「想像力」に通ずるものです。今回はプレゼンのテーマや画像データなどからどのように話を膨らませていくか、という方法について考えてみたいと思います。

「連想」とはWikipedia先生によると以下の通りです。

人間の心ないし精神の働きのうち、見聞きするなど五感から得た情報や観念から、他の事物や概念を思い浮かべることである。

あるものを材料にして、別のものを思いつくことだそうです。これはプレゼンにとても使えます。使わない手はないと言ってもいいです。

材料となる情報というのは、すでにプレゼンテーションのテーマとして与えられていますし、プレゼンテーションの中の一つ一つのトピックもすべて材料となりえます。

仕事などのプレゼンテーションにおいて、その材料となる情報が単体でとても興味深かったり、面白かったり、分かりやすかったりすることは、あまり多くないように思います。

大抵の場合、専門的すぎたり、一般的すぎたりして、そのまま話しても今一つインパクトがない。なので、ここで連想していくのです。

澤はその昔、あるグループウェア製品をMicrosoft製品に移行するスペシャリストとして活動していました。その活動中、一貫して使っていた「連想力」を駆使したプレゼンテーションをご紹介したいと思います。

まず、何も連想せずにプレゼンを作るとどうなるでしょうか。

まあ、内容的にはそれほど大きな問題点はなさそうです。その代わり、全く印象には残りそうにないですよね。ビジネスの現場においては、大抵このような感じのスライドが多く流通していると思われます。

ここで、連想力を働かせてみましょう。

システム移行というのは、システムA からシステムBへと機能・UI・データを切り替えることです。

この図だけでは、右側のシステムに移行することでワクワクする要素は何もありません。

ここで連想です。人が「移る」ことでワクワクすることってなんでしょう。

移動が伴う楽しいことといえば、何といっても旅行ということになりますが、残念ながら旅行は帰ってこなくてはなりません。システムの移行で帰ってきてしまったら全く意味がありませんね。ということで却下。

では、移動したきり帰ってこなくてもいいとなると…まさに「引越し」がぴったりではありませんか?

引越しは、気持ちを新たにさせるようなキーワードと相性がよいです。

「新居」「新生活」「新天地」「新しい家具」などなど。

システム移行から引越しを連想するときに大事なポイントは、「移行に対するネガティブな感情を抑える効果のあるキーワードを選ぶこと」です。なので「ワクワクすること」が連想力を加速させる大事なスパイスになるのです。

移る、といっても「通常の病院からホスピスに移動する」なんて連想を働かせようものなら、ワクワクどころか続きの話なんか聞きたくなくなりますよね。

ということで、次回は「システム移行」と「引越し」を掛け合わせたプレゼンテーションの作り方を紹介したいと思います。

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著者プロフィール

澤 円(さわ まどか)氏

日本マイクロソフト株式会社 マイクロソフトテクノロジーセンター センター長   立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、マイクロソフト(現日本マイクロソフト)に転職。情報共有系コンサルタントを経てプリセールスSEへ。競合対策専門営業チームマネージャ、ポータル&コラボレーショングループマネージャ、クラウドプラットフォーム営業本部本部長などを歴任。2011年7月、マイクロソフトテクノロジーセンター センター長に就任。著書に「外資系エリートのシンプルな伝え方」「マイクロソフト伝説マネジャーの世界世界No.1プレゼン術」

Twitter:@madoka510

※本記事は「CodeIQ MAGAZINE」掲載の記事を転載しております。

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