火事の動画を『Twitter』に投稿したらTV局5社から「動画を使わせて」と連絡が殺到! 全社と真摯に対応したらこうなった!
先日夜、自転車で家に向かって走っていると、通り道の都営住宅から火災が発生している現場に遭遇してしまいました。
もうすでに119番通報されているかとは思ったのですが、周囲にはまだ消防車は来ていません。住民もあまり気づいていないようだったので、すぐさま人生で初めて119番に電話をかけて消防車を呼びました。
やばいガチ火事119番した… pic.twitter.com/EP2iqOBDKG— Shinichiro Nojima (@aochins8) 2018年10月25日
電話をかけてすぐその場を立ち去る気持ちにはなれず、そのまま待機していると程なくして都営住宅の非常ベルが鳴り始め、5分もしないうちに消防車が到着(早い!)。その様子を動画で撮影し『Twitter』に投稿しました。
もう消防車きた!がんばれ!みんな逃げて!! pic.twitter.com/zouo7YRNQN— Shinichiro Nojima (@aochins8) 2018年10月25日
TV局から「動画を使わせてください」と依頼が殺到
すると動画を投稿して5分後、ツイートにこんなリプライが飛ばされてきました。
突然のご連絡失礼致します。日本テレビ報道局です。ご投稿された動画についてお伺いしたいのですが、当アカウントをフォローしていただき、DMにてやり取りさせていただけますでしょうか?このような時間に恐縮ですが、何卒、よろしくお願い致します。— 日本テレビ報道局取材班 (@NTV_shakaibu) 2018年10月25日
日本テレビ報道局取材班
@NTV_shakaibu
突然のご連絡失礼致します。日本テレビ報道局です。ご投稿された動画についてお伺いしたいのですが、当アカウントをフォローしていただき、DMにてやり取りさせていただけますでしょうか?このような時間に恐縮ですが、何卒、よろしくお願い致します。
普段から『Twitter』を利用されている方ならよく目にする光景ではないでしょうか。注目されているツイートに対してマスコミが動画や画像の使用許可を得るためにリプライを寄せる行為なのですが、まさか自分がその対象になるとは思いませんでした。
しかし連絡があったのは動画を投稿してからわずか5分後ですよ。あまりのスピードの速さにびっくり。火事の一報が入ったらすぐSNSを検索する体制が整っているのでしょう。
最初に連絡があったのは日本テレビからでしたが、その後も他のテレビ局からの連絡が殺到。10分後にNHK、18分後にフジテレビ(FNN)、46分後にTOKYO MX、68分後にTBSからリプライが届きました。まさかテレビ局5社から同時に連絡がくるとは。
こんな機会はめったにないですし、協力すれば誰かに役立つ情報を提供できるかもしれません。全社に対して真摯に対応をすることにしました。
すると、各社対応がいろいろと違ったので、やり取りの詳細をレポートしたいと思います。
日本テレビの対応
まずは最初に連絡があった日本テレビとDMでやり取りを始めます。
現在は安全な場所にいるかどうかの確認から入り、動画を撮影したのは僕かどうか確認され、そして動画使用の許可を求められました。ここまでは想定内の展開です。
動画使用を承諾すると、なんと『Twitter』に投稿した動画の元データを送ってほしいと依頼されました。しかも動画を投稿するための専用サイトが用意されているとは……。
専用サイトを開いてみると、動画をすぐに送れるようにはなっておらず、撮影日時や撮影場所の詳細なども入力しなければならない仕様になっていました。これはめんどくさい! 投稿した動画をそのまま使ってくれれば済む話なのに、なんでここまで協力してるんだろう……という気持ちになりつつも動画を送信します。
すると直後に電話があり、現在の状況の確認や目撃談、動画についての詳細などをヒアリングされました。あと自宅の住所と本名もなぜか確認されましたね。なぜ自宅住所が必要なんだろう……。
そしてなんと、現在の状況も撮影して再び動画投稿サイトから送ってほしいと要望が。そこまでやる必要あるのかなと思いながらも再度撮影して送信し、再び電話で少し話をして終わりました。
NHKの場合
日本テレビからの取材を受けつつも、他のテレビ局からの連絡にも並行して対応をしました。NHKはDMで詳細を質問され、それに答える形で取材が行われました。電話はしていません。
動画も『Twitter』からダウンロードして使ってくれるようで、日本テレビよりも負担がかなり少なくすみました。
また、最後には「こちらがフォローしていることで、ご迷惑をおかけしてしまうことがあるため、こちらからはフォローを解除させていただきます」と細かな配慮も。
フジテレビの場合
フジテレビはDMを送るとすぐに電話でのやり取りを希望されました。電話が難しい場合はDMでも対応できるとのことでしたが、今回は電話でインタビューに答えることに。
電話では動画や現状についてのヒアリング、そして現状の動画をDMで送ってほしいという要望があったのですが、ここまで対応してきた日本テレビとNHKからはなかった謝礼の話もありました。
報道番組への協力ということで金銭での謝礼はできないものの、実際に動画を使用した場合は謝礼として粗品をくれるとのこと。そして放送したかどうかは必ず後日DMで連絡すると約束してくれました。
謝礼目的で協力したわけではありませんが、日本テレビから自宅住所も聞かれたのはもしかしたら謝礼を送ってくれる用なのかもしれません。
TOKYO MXの場合
TOKYO MXはDMのみのやり取り。詳細についてのヒアリングはなく、使用許可と内容の確認だけだったため、2回返信しただけですべてのやり取りが完了となりました。
上の画像がやり取りのすべてなのですが、動画を使用した場合も謝礼がないことをハッキリと名言しているのが特徴でした。
TBSの場合
最も連絡が遅くなったTBSもやり取りはDMのみで、TOKYO MXと同様に使用許可と内容確認をしただけ。2回の返信でやり取りが終わりました。謝礼についての言及はなかったです。
翌朝、2社がニュース番組に動画を使用
そして翌朝、『Twitter』で検索してみると日本テレビとNHKの2社がニュースとして報道していて、その中で動画を使用していることが確認できました。
共同住宅で火事、女性1人が死亡 清瀬市 https://t.co/GigWtVVoA9 #日テレNEWS24 #ntv— NTV NEWS24 (@news24ntv) 2018年10月25日
都営住宅で火事 1人死亡 清瀬 #nhk https://t.co/o6p5JehfN9— NHK@首都圏 (@nhk_shutoken) 2018年10月25日
NHKは一瞬使用されたのみでしたが、日本テレビは2本ともしっかり使用されていました。初動が速かった2社が報道し、かなり詳しく取材をされた日本テレビが一番長く使用していたということに。
しかしそれよりも、このニュースで初めて死者が出てしまっていたことを知ったので、なんとも悲しい気分になりました。空気が乾燥してきて火事が起きやすい季節になってきましたからね……。皆さまも火事にはくれぐれもお気を付けください。
その後連絡があったのはフジテレビのみ
その後ですが、ニュースとして動画を使用した日本テレビとNHKからは今のところ連絡がないのですが、動画を使用しなかったフジテレビからは約束通り連絡がありました。
内容は放送に使用できず申し訳ありませんという謝罪(謝ることないのに!)と、協力へのお礼、そして放送できた場合のみ謝礼を送るという話でしたが協力のお礼として粗品を送ってもらえることになりました。
その後もアカウントをフォローし続け何かあれば連絡を取れる状態にしてくれるという配慮も素晴らしく、協力してよかったなあと思えましたね。日本テレビやNHKも今後連絡があるのかもしれませんが、とりあえず現状はそんな感じです。
「ちゃんと取材しろ」という批判が多いテレビ局
今回のようにマスコミから動画や画像を使わせてくださいというリプライに対し、「ちゃんと自分で取材しろ」などと冷たく返されているのをよく見る気がしますが、個人的にはこういうのも今の時代に合った立派な取材なのではないかなと思います。もちろん例外もあるとは思いますけど。
謝礼をもらえることもあるようですし(どんなものなのかはわかりませんが)、もし皆さんのツイートにマスコミからリプライが届いたとき、紹介されて嫌なものでなければ協力されてみてはいかがでしょうか。
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(執筆者: ノジーマ) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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