“使えないヤツ”って思われた…?仕事上の指摘を否定的に捉えず、心を保つ方法
「こうすれば良かったのに」と言われると、「こんなこともできないの?」と思われている気がしてしまう…
「次回は、気をつけるように」と言われると「使えないヤツ」と思われている気がしてしまう…
職場で上司や先輩がくれる指摘にふがいなさを感じ、心が痛んでしまうことってありませんか?
確かに、ビジネスの現場ではいろいろな相手と関わるので、指摘の全てが好意的な言い回しとも限りません。しかし、誰に何をどう言われても、それをどう受け止めるかは自分次第。捉え方によって、心をコントロールするしかないのです。
今回は、他人からの指摘を否定的に捉えてしまいがちな皆さんへ「心の保ち方」について、私自身の経験とともに紹介したいと思います。 丸山久美子(まるやま・くみこ)
まるっと空気を掴むMC、展示会専門接客アドバイザー、認知行動療法士
1982年、和歌山県生まれ。「人前で話せるようになりたい!」という憧れを叶えるべく、20歳で展示会プレゼンターとしてデビューするも、本番中に手が震えてマイクを落とすなど、さまざまな大失敗を繰り返す。「あがりを克服する方法」や「緊張をなくす方法」を模索するが、改善どころか逆にあがりに拍車がかかり、体調にまで悪影響が。しかし、憧れを捨てきれず、「あがり」や「緊張」と向き合い独自のメソッドを開発。再スタートを図る。以来、展示会やイベントへ3,000回以上出演し、リピート率90%を超える人気MCに成長。2015年から講師活動を開始。「人前で話せるようになりたい!」と願う全国の人々へ、「あり方とやり方」の両面から具体的なノウハウを提供している。
Twitter:Kumiko Maruyama(@maruyamakumiko)
他人からの「指摘」を意識すると、うまくいかなくなる…
こんにちは!まるっと空気をつかむ丸山久美子です。
私は16年間、イベントやラジオなど、人前で話すMCをしています。人前で話すのは苦手ですが、人前で堂々と話せる人になりたくて16年続けてきました。
しかし、もともと極端に緊張してしまう性格のため、本番では噛んでしまうことがあります。緊張すると筋肉が硬直する上にメンタル面にも相当な負荷がかかるため、「噛む」という現象が起こることもあるのですが、仕事中、噛む度に注意され続けてきました。
大人になってから受ける注意というものは、非常に重く感じます。経験から言っても、大人は、物事ができて当然。仕事であれば、その能力は賃金に変わるからです。私も、人前で話す仕事を選択した以上、噛まずに話すのが当然で、その能力を身につけねばプロ失格だと思っていました。しかし、現実は甘くありません。緊張をなくそうとしてもなくならないし、意識すればするほど、噛んでしまう回数も増えました。それに比例して周囲からの指摘もどんどん増えます。私は心を保てなくなり、嘔吐や神経痛に悩む日々を過ごしました。
皆さんの中にも、プロとして仕事がしたいのに、自分の実力が追い付かず、周りからの言葉に心が傷ついている人はいると思います。最近では、対面のみならずSNSなどインターンネットで指摘を受けることもあるでしょう。心は、1度傷つくと完治するまで時間がかかります。1日の大半を占める職場で、心が傷つくことが幾度もあれば、その傷はなかなか癒えずに残り続けてしまいます。
「否定されている」と感じたときは…
そこで重要なのが、指摘の捉え方です。
引き続き、私の場合を例に取るとMC中に噛むたび、「また噛んだね」「プロなんだから噛まないでよ」と指摘をされていました。そしてその度に、責任を感じた私は、謝罪をしていたんです。「謝罪」という行動は、「罪を認めて詫びること」。そのたびに私は「噛んではいけない、噛んではいけない」と考え続けていました。
しかし、人前で噛むのは、自分を責めなくてはいけないほど、罪なのでしょうか?
噛む原因は、緊張です。では、緊張するのも悪いことなのでしょうか?
私は、この疑問に何年も向き合ってきました。そして、自書(→)にも書いたのですが、緊張は、慣れないことへチャレンジする時に感じるもの、つまり「“緊張”はチャレンジの証拠」という答えを見出しました。
ーー人前で話すのは苦手だけど、チャレンジしたい。チャレンジするから、緊張する。だから、噛んでしまう。
このように考え方が変わったことで、「噛むこと」で自分を責めることはなくなりました。「長年MCをやっていますが、実は、すごく緊張しやすい性格なんです」と公言できるようになったのです。
すると、周りが変わりました。「私も!」と共感してくれる人や、「進行に支障ないから大丈夫」と言ってくれる人、「困ったらこっちでフォローするから」と協力してくれる人まで現れたんです。そして現在、私は多くの人に支えられながら「緊張しやすいMC」として仕事をしています。
完璧な人間はいない。だから、“デキるフリ”もしない
人は、大人になるにつれて完璧思考が強くなります。「なんでもできる、カッコイイ自分でいたい」と無意識のうちに思い込んでいるのです。
しかし、私たちはそんなに器用ではありません。得意なこともあるけれど、不得意なことだってあります。大切なのは、その不得意を隠さない。デキるフリをしない。そして何より、できない自分に罪を被せないこと。意味もなく、自分を責める必要はないのです。
自分を1番大切にできるのは自分です。あなた自身が物事をどう捉えるかによって、自分を幸せにも不幸にもできます。
誰かに「否定されている」と感じてしまったとき、ふと立ち止まってみてください。
無意識に謝罪して、自分に罪を被せ、心を傷つけていませんか?
何でもできる大人になる必要はありません。チャレンジしようと頑張っていることが立派なのです。これからは、コッソリ1人で頑張りすぎず、「不得意です!」と周りに宣言してみましょう。
それでもあなたが頑張る姿に共感してくれる人、助けてくれる人がきっと現れます。
【参考図書】
『上手にあがりを隠して人前で堂々と話す法』
著者:丸山久美子 出版社:同文舘出版
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