倒産も経験。人生のどん底でも、チャレンジする姿勢をつらぬいた、IT社長の”プロ”としての生き方

倒産も経験。人生のどん底でも、チャレンジする姿勢をつらぬいた、IT社長の”プロ”としての生き方

テクノロジーのプロフェッショナルとして技術をサービスに活かす、技術者をお客様ビジネスに活かす、それがテックファームの理念。2018年1月に創業20年を迎え、最初は6名だった社員も200名になりました。ただ、ここまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。創業者の筒井雄一郎が振り返ります。

※本記事は、「PR Table」より転載・改編したものです。

一躍有名になった会社がなぜ倒産?どん底からテックファーム社長のを立ち上げた

▲テックファーム立ち上げ時の渋谷オフィス

出世欲があるわけでもなく、昔から起業したいというわけでもなく社長になりたいわけでもなかった。ただシンプルに、常に新しい技術に触れていたい、チャレンジし続けていたかった。そしてITのプロフェッショナルとして誰かの役に立ちたい――

その想いのもと、僕と前職時代の仲間でテックファーム株式会社を1998年に立ち上げました。ただ、ここまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。

20代前半はとにかく開発が面白くて、エンジニアとして開発に没頭した日々でした。今でも入社したキヤノン株式会社でさまざまなことをさせてもらったことに感謝していますし、あのころの経験が今でも役に立っていると思っています。しかし、23歳ごろでしょうか。自分の技術力、スキルが上がってきて自分が思い描く理想像が出てきました。

シリコンバレーで最先端のトレンドを世の中に出す人たちの本を読んだりする中で、自分も裁量を持って、自分の意志を持って自分の仕事をしていきたいと思うようになったんですね。キヤノンのような大企業の中で仕事することも、自分にきちんと役割が与えられていて良い部分もあったのですが、もっともっと前に出たいと感じるようになってしまっていました。

結婚し子どももいたので、起業するか、ベンチャーに転職するか1年かけて考えました。

そこで僕が出した結論は、1993年、当時社員がひとりしかいなかった株式会社ハイパーネット(1993年当時)というベンチャーの会社への転職。いろいろな会社、人に出会ったけど、ハイパーネット以上にチャレンジしている会社はありませんでした。

ハイパーネットは、ダイレクト広告を利用した無料インターネットサービスを提供していた企業です。当時は有料でインターネットを使うことが当たり前だったため、一躍有名にもなりました。

当時、今の時代では考えられないほど、ものすごく働いていたなと思います。今ではブラック企業と言われるのでしょうけど、毎日朝から晩まで働いて、でも、常に目的を持って問題を解決するために、お客さんのことを想って全員が仕事をしていました。僕も今までにやったことがないこと、新しいことにチャレンジすることにとても興奮していたし、会社全体が士気高揚していました。

しかし、ハイパーネットに転職して5年。CTOを務めていた1997年の12月3日に倒産。倒産を目の当たりにし、企業を健全に存続させるために必要な事業展開のあり方や財務のあり方などを、体験とともに学びました。

ITのプロフェッショナルが必要になる日が必ずくる

▲1998年創業メンバー テックファーム技術顧問の小林正興

ハイパーネットが倒産して、新たにひとりで起業することを考えていたときに、当時の仲間が一緒に会社をやろう!と言ってくれました。仲間で共有していた「みんなが幸せになる」という志を胸に抱き、立ち上げたのがテックファームです。

1998年の当時、名刺にメールアドレスが入っているなんて3人に1人程度で、今ほど携帯電話が普及しておらず、インターネットを使う人も限られている時代でした。しかし、そんな閉ざされた情報世界からもっとオープンな情報世界に変わると、僕には確信がありました。

インターネットの使用が日常的なものになれば、世の中にいろいろなソフトが出始める。そのとき、このソフトをどう使っていくのか、どう有効活用できるのか、ということが顧客にとって必要になるな、と。

それぞれの端末、ソフトウェアを熟知し、システムインテグレーションをお客様に合わせて提供していくことの重要性を考えたとき、ITのプロフェッショナルが必要になる日が必ずくると思っていました。

エンジニアだったころに、シリコンバレーで仕事をしていたことがあるのですが、「プロフェッショナル」について意識する出来事がありました。ローファーム(弁護士事務所)で弁護士たちが法律を軸に、それぞれの専門知識を持って、高度なサービス提供をしていることに感銘を受けたのです。

テックファームもTechnologyのプロフェッショナルとして、高い専門知識を持ち、顧客サービスをしていきたい――Techfirmという社名もこういった考えに由来したものです。

だから僕は、今でも社員のみんなにこう言っています。各個人が仕事をするとき、またそれを振り返るときに忘れてはいけないこと。

それは、「われわれはプロフェッショナルである」ということだ、と。

時代が追いついた――飛躍の一歩となったiモードの開発

▲20周年記念でテックファームグループが全員集合した

創業当時、オープンテクノロジーに精通している会社は極めて少なかった時代でした。テックファームの飛躍の大きな契機となったのは、株式会社NTTドコモの「iモード」スタート時からのサービスシステム開発の受託。

私たちは、「数百万人を想定するユーザーを処理する携帯電話端末でのインターネットサービス」という取り組みにおいて、サーバーの設計など中心的なミッションを担うことになりました。その後の「iモード」の発展とともに活躍フィールドも拡大していったんです。

特に「おサイフケータイ」においては、大半のアプリケーションの開発を手掛けるという実績を残したことも大きかったですし、ビジネス上、ドコモの案件をやっていたというのはその後の信頼上すごく大きなものになりました。

現在も、さまざまな顧客企業向けに、基幹システムからモバイルアプリケーション開発、また運用・保守領域においてワンストップでサービスを提供して、2018年に20年目をむかえることができました。しかし、この20年でITサービスの形は大きく変わりました。

大手ベンダーのハードウェアとソリューションが中心の世界から、オープンシステム、WEB、ネットワークインフラ、そしてモバイル中心の世界に変わり、その分野で強みを持っていたテックファームもそのパラダイムシフトとともに成長してきました。

いわゆる堅い開発とは違う観点、そしてスピード重視でサービスを提供してきたことも、成長の大きな要因だと思います。しかし、モバイルの一般化、フレームワーク、ミドルウェアをベースとした構成、開発手法、オンプレミスからクラウドへの移行などにより、徐々に私たちの強みが相対的に目立たなくなってきました。

さらに、顧客企業が以前はコンサルティング会社やITサービス企業に頼っていたIT企業戦略を、自社でその部分を担えるようにこの10年で大きく役割を変えてきています。理由はいくつか考えられますが、自然かつ当然な流れであり、今後さらにこの傾向は強まるでしょう。となると、私たちITサービスを提供する会社もそのサービスの軸を変えていかなければなりません。

どこよりも早く、顧客に寄り添える企業へ

▲会長になった今でも社員との距離は近い。2018年キックオフMTGでは会長の想いを話すことも

今、テックファームはその軸を変えつつあります。言い換えれば、付加価値の主体を変えているのです。

IT部門やその企業のエグゼクティブの方々が求めるものをより具体的に、そして次の時代のテクノロジーを見据えた商品やサービスの提供が必須となり、テックファームもよりソリューション寄りのサービスに軸足を変えてきています。

新しい技術のキャッチアップ力、それを提案に活かす企画力はわれわれの強みの根幹であると思っています。だから、テックファームのエンジニアである以上、いろいろな技術を学んでいってほしいし、多少のリスクがあったとしても、提案していってほしい。

システムはつくることが目的ではなく、開発したシステムでお客様のビジネスを成功に導くことが基本姿勢。この姿勢は変わりません。成功からも、失敗からも必ず、得られるものがあります。そして次のステップにつながるものを必ず見いだせるし、多くの仲間と共有できる良い思い出話につながります。良い思い出話は、人生を豊かにする、大きなアイテムだと僕は考えています。

今いるテックファームの社員も、これからテックファームの仲間になってくれるメンバーにも人生の中で何か仕事でチャレンジすること、をぜひテックファームでやってほしいです。そして僕もチャレンジし続けたいと思っています。

会社説明会では語られない“ストーリー“が集まる場所「PR Table▼」

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