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サマータイム(夏時刻)が司法制度に与える影響について考えてみる(弁護士 雨のち晴れブログ)

サマータイム(夏時刻)が司法制度に与える影響について考えてみる

今回は巨瀬慧人さんのブログ『弁護士 雨のち晴れブログ』からご寄稿いただきました。

サマータイム(夏時刻)が司法制度に与える影響について考えてみる(弁護士 雨のち晴れブログ)

 東京五輪をにらんで、与党内で検討されているという「サマータイム」制度ですが、

 「システム的に無理だよ」

 「それ体に悪いよ」

 「温度にあんまり差が無いよ」

などなど、合理的な反対意見が山ほどあるようなので、実現することはないんでしょうね、きっと。

 とはいえ、昨今のアレコレからすると、それでも法案が通っちゃうんじゃないかっていう懸念はぬぐえません。もう、どうすりゃいいんでしょうね、ほんと。

 法案成立の見込みはさておき、もしもサマータイム(夏時刻)が導入されることになったら、司法にたずさわる裁判所や検察、警察、弁護士会などからも、色んな不協和音が聞こえてきそうです。

 ブログ開設3周年を記念して、今日は、サマータイムが司法制度にどんな影響を与えるか、思いつくまま、まとめてみます(随時加筆予定)。私の今夏の自由研究です。

0.そもそもサマータイム(夏時刻)とは

司法制度にどんな影響を与えるかを考える前提として、そもそも、サマータイムってなんなのか、確認しておきたいと思います。

 サマータイム(夏時刻)とは、夏季に日照時間が長いことを有効活用するとともに、暑い時間帯に活動し過ぎてしんどくなることを防止するために、ある一定の期間に限って、通常よりも時計の針を1~2時間ほど進めてしまうという制度です。

 具体的に、どの期間、どのくらい時間を進めるのかは、国によって、制度によって、様々であるようです。

 なんと、日本にも、昔は、サマータイム(夏時刻)というものが法定されていました(夏時刻法)。当時は、「サンマ-タイム」と呼ぶのが一般的だったようです。

仙台高等裁判所昭和33年6月30日判決(最高裁判所刑事判例集14巻13号1861頁以下、判例時報166号5頁)には、「何時頃と時刻を示すのは、すべて当時のサンマータイム(夏時刻)によるそれである。」との前置きがある。「サンマ―タイム」は原文ママ。
#サマータイム

 サンマ-タイムって、字面の”秋時刻感”というか、”秋の風物詩感”がハンパないですが(たぶん当時もそんな冗談を言う人が絶対居たと思う)。

 夏時刻法(昭和23年法律第29号)は、次のような短い法律でした。法律の寿命も短くて、昭和27年に廃止されました(夏時刻法を廃止する法律)。よっぽどみんなの肌に合わなかったんでしょうね。

【夏時刻法】
第1条
 毎年、四月の第一土曜日の午後十二時から九月の第二土曜日の翌日の午前零時までの間は、すべて中央標準時より一時間進めた時刻(夏時刻)を用いるものとする。但し、特に中央標準時によることを定めた場合は、この限りでない。
第2条
1 四月の第一土曜日の翌日(日曜日)は二十三時間をもって一日とし、九月の第二土曜日は二十五時間をもって一日とする。
2 夏時刻の期間中その他の日はすべて二十四時間をもって一日とする。
第3条
 この法律の施行に関し、時間の計算に関する他の法律の規定の適用について必要な事項は、政令で、これを定める。

※「四月」→昭和24年のみ。昭和23年は「五月」(同法附則)、昭和25年以降は「五月」(夏時刻法の一部を改正する法律)

 
 夏時刻法で重要なキーワードになっているのが、「中央標準時」です。「中央標準時」からちょっと進んだ時刻というのが、夏時刻なのです。

 でも、「中央標準時」の具体的な定義は、実は、そんなにはっきりしていません。

 明治28年の勅令(標準時ニ関スル件)には、「今までの標準時のことを中央標準時って呼ぶよ」と規定されています。

【明治二十八年勅令第百六十七号(標準時ニ関スル件)】
第1条
 帝国従来ノ標準時ハ自今之ヲ中央標準時ト称ス
第3条
 本令ハ明治二十九年一月一日ヨリ施行ス

 じゃあ、今までの標準時ってのがなんなのかというと、「東経135度の子午線の時」なんだそうです。

【明治十九年勅令第五十一号(本初子午線経度計算方及標準時ノ件)】
一 英国グリニツチ天文台子午儀ノ中心ヲ経過スル子午線ヲ以テ経度ノ本初子午線トス
一 経度ハ本初子午線ヨリ起算シ東西各百八十度ニ至リ東経ヲ正トシ西経ヲ負トス
一 明治二十一年一月一日ヨリ東経百三十五度ノ子午線ノ時ヲ以テ本邦一般ノ標準時ト定ム

 で、現在、日本では、「中央標準時」を国立天文台が、「標準時」を総務省が教えてくれることになっています。

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