自惚れ、失望、無力感…「マーケティング」が教えてくれたのは、“比較すること”の無意味さ

自惚れ、失望、無力感…「マーケティング」が教えてくれたのは、“比較すること”の無意味さ

2018年4月マルケト初の新卒として入社、カスタマーエンゲージメント本部に配属された北川千博。彼は学生時代、消費者の満足度向上を追求するべく、産学連携プロジェクトに参加するなど、さまざまなデータ解析に専心する中、マルケトとの出会いに衝撃を受けました。今回は、北川がマルケト入社のワケを語ります。

※本記事は、「PR Table」より転載・改編したものです。

「アイデアだけではマーケティングを極められない」そう気づいた学生時代

▲2018年にマルケトに入社した北川

大学では、某大手通信企業で豊富なビジネス経験を積んだ教授のゼミに所属し、授業で習った理論を文理融合や産学連携プログラムでアウトプットしながら、マーケティングの感覚を身に着けていきました。

昔からアイデアを出すことは好きだったので、マーケティング施策をどんどん出してプロジェクトにも貢献できていたと思います。チームのメンバーからも、“アイデア力”を褒めてもらって、満足している自分がいました。

正直に言うと、「自分にはマーケティングのセンスがあるのでは?」と、自惚れていたんです。

でも、ある日先生から「お前はマーケティングの世界で“アイデア力”だけで勝負していくのか?」と問われた時、この先のキャリアを考えてぞっとしました。

アイデアはいつも当たるとは限らないし、将来自分が30〜40代になったときに優秀な若手にあっさりとアイデア力で負けるかもしれません。

そんな危機感から、私はアートなマーケティング思考から、よりデータ・ドリブン(データを可視化して課題解決に結びつけること)で、サイエンティフィックなマーケティングに軸をずらしていきました。

大学院への進学と、改めて思い知らされたマーケティングの高い壁

▲大学時代の北川(写真 中央右)。実は「自分にはマーケティングのセンスがある」と感じていたと振り返る

産学連携プロジェクトの一環で、規模の大きなアンケート調査を設計し、多変量解析をするチャンスが巡ってきました。

統計学とソフトウェアの使い方を同時に覚えるのは大変でしたが、解析技術を駆使して、マーケティング・リサーチとしてのアウトプットを出すことに成功しました。

そして、リサーチの結果に基づくマーケティング施策を考案し、企業の経営層の方へプレゼンをしたところ、社長の肌感覚とデータが合致。データに基づくマーケティング・プランにも賛同していただくことができたんです。

学生のプランを経営層の方に納得していただくには、アイデア力だけでは足りません。客観的でロジカルな指標であるデータのエビデンスがいかに必要であるかを、その時改めて痛感しました。

この経験から、私はデータを活用したマーケティングにどんどん魅了されていったんです。

その後、ゼミの教授に日々の活動を評価いただき、ありがたいことに大学院への推薦をいただくことができました。「よりアカデミックな観点からマーケティングを学びたい」「統計学に関する知見をもっと高めたい」そんな強い想いを持っていた私は、就職ではなく進学を決意することになりました。

大学院に入学後、ショックな気づきが3つありました。

1つめは、同じ経営学研究科の一部の学生がマーケティングを「広告やキャッチコピーを考えること」だと認識しており、彼らが専攻する戦略や会計、組織論よりも下の学問だと認識していたことです。同じ経営学研究科の学生でさえ、マーケティングに対する認識を誤っていることにショックを受けました。

2つめは、アンケート調査をしても、回答者がきちんと答えてくれるケースが思ったよりも少なかったことです。「統計学による推測がどれだけ正確だとしても、分析の元になるデータの信憑性が欠けているのであれば意味がないのではないか」そう思うようになりました。WEBトラッキングやIoTのセンシングによって消費者及び顧客の行動データが取れる時代なので、このようなデータを活用したマーケティングに興味を持つようになりました。

そして3つめは、自分がトライしたかったカスタマージャーニーやカスタマーエクスペリエンス研究は、想像以上に概念レベルのものが多かったことです。「この研究で実務の世界に役立つインプリケーションを導き出すことができるのか」「AI・IoTなどのテクノロジーの発展に伴い急速に変革を遂げる現代のマーケティングを、研究者として後追いできるのか」…。

そんなモヤモヤをいつも抱えながら、日々を送っていました。

顧客中心のエンゲージマーケティングに胸を打たれ、マルケトへの入社を決断

そんな私にも転機が訪れました。

大学院1年目の頃にMBAのTA(ティーチングアシスタント)をしていた際、マルケト代表取締役社長・福田康隆によるマーケティングオートメーション(以下、MA)の講演を聴講する機会が訪れたんです。当時の私は、「MAってなに?マルケトってどこの企業なんだ?」というレベルの知識しか持っていませんでした。

その講演の中で、 (1)Webの行動データを元にマーケティング施策を実施できる

(2)カスタマージャーニーを描き顧客ステージをマネジメントできる

(3)今まで可視化できなかったマーケティング効果を可視化できる

などの話を聞き、「これこそ自分が理想としていたマーケティングを体現する会社だ」と胸を打たれました。

もちろんマルケト以外にも、MAを提供する企業はありました。でも、他の外資系の企業はMAをあまたある取扱製品の1つとして捉えていたのに対して、マルケトはマーケティング全行程のエンゲージメントプラットフォームを提供する企業として「マーケティング一筋」で、世の中のマーケティングを変革しようとしていました。

そんなエッジの効いたマルケトに心底惚れて、新卒採用をしていなかったにもかかわらず熱心にアプローチを重ねた結果、2018年4月にマルケトに入社できました。

目指すは「マーケティングをマーケティングできる存在」

▲同期入社の小梁川裕也と。小梁川はマルケトでのインターン歴が長く、北川はレベルの差を感じてしまうこともあったと語る

入社直後は、いくつかの試練にぶちあたることもありました。

同じく新卒として入社したカスタマーエンゲージメント本部の小梁川裕也は、マルケトでのインターン歴も長く、マルケトの製品やビジネスによく精通していました。同じ内容の研修を受けたにもかかわらず、小梁川の方が気づきや質問内容に深みがあり、自分との差をとても感じました。

また、マルケトの会社概要と製品について説明を行なう社内試験がどうしてもクリアできないこともあり、スタートはとても順調とは言えませんでした。

落ち込んでいる私を気遣って、タレントエンゲージメント部の小池渚がオンライン・オフラインの両面で親身に対話をしてくれました。自身の経験談を織り交ぜて「他人と比べる必要性のなさ」について教えてくれました。他人との差分に目を向けて悲観するよりも、「私自身の経験やスキルからどうやって私にしかない価値を社内で創造できるかが大切だ」という考え方を聞き、とても前向きになりました。

また、終始「頑張れ!」ではなく「楽しんで!」と声をかけてもらい、日々の多忙な研修で忘れかけていた、「マーケティングへの想い」を再燃することができたんです。

その後、営業同行にて一部分を担当させていただいた際に、社内の資料だけでなく自分の体験談や、第三者機関によるマーケティング・リサーチの結果の解釈をお伝えすることで、お客様に刺さる良いプレゼンテーションができました。

また、サポートへの問い合わせケースの分析でも、分析前にきちんと仮説を立て、問い合わせ内容を定性データのまま分析し、コーディングを行ない、定量的な分析を実施することによって、お客様からよくある問い合わせの傾向をつかむことができました。

このような小さな成功体験により、自分が学生の頃に学んできたことは決して無駄ではなく、マルケト社内でも活かすことができることと実感し、少しずつ自信を取り戻してきました。

残る課題は、社内試験のみです。新卒のオンボーディングを担当してくれたタレントエンゲージメント部の千葉修司が、試験の数日前から毎日1on1をし、自分の会社説明に対するフィードバックをくれました。そして、最後の社内試験では無事に合格し、自分でも満足できるだけのアウトプットができました。

現在私は、お客様のMarketo活用支援を行なうカスタマーエンゲージメント本部に所属しています。まだお客様先で直接的に活用支援を行なう業務は担当していないのですが、製品を使いこなせておらず支援が必要なお客様や、解約兆候のあるお客様、直近でアクションを起こさないといけないお客様を、社内のデータを用いて発見しています。

このデータ処理を属人化させずにデータを自動更新させ、社員全員で共有できるようなダッシュボード作成や、カスタマーサクセスの活動を自動化するための仕組みづくりにも携わっています。

私自身、まだMarketoを十分に使いこなせていないので、活用に困っているお客様と同じ目線に立ち、現状のカスタマーエンゲージメント活動を見直すことができるのではないかと思います。

マルケトでの目標は、「マーケティングをマーケティングすること」です。

私は、広告やキャッチコピーを考えるクリエイティブだけがマーケティングだとは思いません。マーケティングが、テクノロジーやデータを活用したサイエンティフィックな仕事・学問でもあるということをもっと浸透させ、世の中のマーケティングに対するエンゲージメントを高めていきたいと考えています。

この想いは大学生の頃から抱いていたものなので、今後も初心を忘れずにこの目標をマルケトで実現したいです。MAを活用したマーケティングの良さを世の中に伝えるためには、お客様に成功していただくことが一番だと思います。

今後は、「マーケティング・データ・IT」3つの分野の知識を付けて、お客様の成功支援に全力で取り組んでいきたいです。

会社説明会では語られない“ストーリー“が集まる場所「PR Table」

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