これまでに99.9%の種が絶滅!? 生物たちの「絶滅理由」がいろいろありすぎる!
地球にはじめて生命が生まれたのは、およそ40億年前。たったひとつの細胞が海の中で偶然生まれたのが、すべての「命」の始まりだったと言われています。けれど、始まりがあれば、必ず終わりもある。命の終わりは「死」であり、その種類の生き物ごとこの世から姿を消すことが「絶滅」です。
これまでに、地球上には強い生き物も賢い生き物もたくさん存在していたといいます。けれど驚くべきことに、その99.9%の種が絶滅しているのだとか。
では、どうして彼らは滅びたのでしょうか? それぞれの理由を知るべく、絶滅した生き物たちに直接、滅びた理由を聞いてみた(というスタイルの)一冊が『わけあって絶滅しました。』です。
読んでみると、一つとして同じ理由のないバラエティに富んだ絶滅原因にはビックリするやら笑ってしまうやら。生き物が絶滅する理由は「1、地球のせい」「2、ほかの生き物のせい」というふたつに分けることができ、圧倒的に多いのは「1、地球のせい」だそうですが、本書にもそうした生き物たちがたくさん出てきます。
たとえば、1844年ごろに絶滅したというオオウミガラス。海にもぐって魚をつかまえていた飛べない鳥だそうですが、人間に簡単に狩られることから北へ北へと逃げ、彼らが最後にたどりついたのはアイスランド島の近くにある島でした。しばらくは平和に暮らしていましたが、近くの海底火山がとつぜん噴火。大地震が起き、島ごと海に沈んでしまったのだとか……。なんという絶滅理由! 「ペンギンのように最初から人の少ない場所に住むべきでした」なんて後悔の弁を述べていますが、そうすれば今ごろは見た目も似ているペンギンのようにみんなの人気者になれていたかもしれません。
また、ワニのようなビジュアルをした「スピノサウルス」。白亜紀中期に絶滅したそうですが、彼らの絶滅原因は「川から出られなくて」。スピノサウルスは最大クラスの肉食恐竜だそうですが、陸上を歩くのは苦手。川や湖で暮らしていたけれど、数が増えたり獲物が少なくなったりしても陸上を歩いて他の川に移動することがむずかしく、そのまま滅びてしまったといいます。体が大きくて強ければいいって問題でもないんですね。
こうして見てみると、彼らが滅びた理由や事情は本当にさまざま! 生き残るのはたいへんなことで、むしろ私たちをふくめ今存在している生き物は奇跡とすら思えます。
けれど、絶滅はどんな生き物にも平等におとずれるものだと本書には書かれています。それに立ち向かうための「武器」として挙げられているのは「学んで考えること」。「いろんな生き物が絶滅したわけを知っておけば、これからの地球で生き残っていく方法を思いつくかもしれません」と説明されています。
実際、今も絶滅が心配されている危惧種は世界中にいます。私たち人間ですらこの先絶滅しない保証はないわけで……。この本をきっかけに、生き物やこの世界のことについて改めて考えてみてはいかがでしょうか。大人が興味を持てるのはもちろんのこと、漢字にはすべてルビが振られているので、小学生ぐらいの子どもも楽しんで読めそうです。
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