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就活ルールを廃止したら何がどう変わるの?と思ったときに読む話(Joe’s Labo)

就活ルールを廃止したら何がどう変わるの?と思ったときに読む話

今回は城繁幸さんのブログ『Joe’s Labo』からご寄稿いただきました。

就活ルールを廃止したら何がどう変わるの?と思ったときに読む話(Joe’s Labo)

今週のメルマガ前半部の紹介です。
先日、経団連会長が就活ルールの見直しを表明して話題となりました。

【参考リンク】経団連会長、就活ルール廃止に言及「日程采配に違和感」
2018年09月03日 『日本経済新聞』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34913280T00C18A9EA1000/?n_cid=SPTMG002

意外だったのは、テレビから新聞、週刊誌まで、多くのメディアが競って取り上げたことです。筆者自身、テレビやラジオや週刊誌などトータル10社近くにお話ししましたから。おそらく多くの人が「いよいよ来るべきものが来た」と直感したからでしょう。

いったい就活ルール廃止は、これまでの就活時期見直しと何がどう違うんでしょうか。そしてこれから就活はどのようにその姿を変えていくんでしょうか。

就活ルール廃止がゆくゆくは新卒一括採用廃止に行き着くわけ

たぶん半分くらいの人は、今回の就活ルール廃止するかも宣言について「過去もいろいろ就活時期を見直したことはあったのでその延長線だろう」くらいに考えていると思います。でも、今回のは過去の見直しとは本質的な違いがあります。それは「時期を動かすんじゃなくて、そういう区切りそのものを無くす」という点です。

就活時期がどうあれ、経団連とは関係ない新興企業や外資は昔から好き勝手に採用活動を行ってきました。それを経団連が黙認してきたのは、なんだかんだいっても優秀層は最後には外資や新興企業を蹴って大企業の総合職に収まる道を選択してきたためです。就活の時期を後にしようが前倒ししようがどっちみち自分たちのところに来るんだから、そんなのどうでも良かったわけです。

でも10年ほど前から旗色が変わってきました。エリート層の中に外資系や新興企業を第一志望にする人間が急増し、サイバーエージェントやDeNAが東大修士の間で“新・御三家”などと言われるようになりました。最近だと直接スタートアップに流れる東大生も珍しくありません。

【参考リンク】「開成→東大→起業」東大生の成功パターン変わる
「「開成→東大→起業」東大生の成功パターン変わる
マネックス証券・松本大社長」2018年03月26日 『日経カレッジカフェ』
http://college.nikkei.co.jp/article/112790813.html

また(経団連未加入の)ファーストリテイリングみたく1年生に内定出してじっくりバイトを経験させた上で入社と同時に店長ポストに登用、なんて荒業を繰り出す企業も出現するようになりました。

ここにいたってようやく経団連も重い腰を上げ「もう就活ルールそのものを廃止する」宣言したわけです。だからその裏にある本音は「外資や新興企業に流れている優秀層をガチンコで奪りにいく。採用時期および戦略は各社の都合に合わせて決める」ということになります。

というと「採用活動の時期が早くなるだけでは?」と思う人もいるでしょう。でも時期を前倒ししたところで現状のままなら経団連側に勝ち目はありません。優秀層が経団連離れした背景には「例外なしの一律初任給で配属先も不明、全国転勤とか残業とかいっぱいこなしてくれたらたぶん将来出世とかするんじゃない?知らんけど」という終身雇用、年功序列カルチャーが、彼ら優秀層に絶望的に不人気である、という現実があるためです。

ちなみに以前書評を書いた「日本一学生が集まる中小企業の秘密」*1 は、その新卒一括採用の弱点を巧みに突くことで無名ながら大手内定者を自社に取り込むことに成功している企業の話ですね。

*1:「書評「日本一学生が集まる中小企業の秘密」」2018年08月01日 『Joe’s Labo』
http://jyoshige.com/archives/9197363.html

だからまあこれから試行錯誤はするだろうけど、最終的には日系大手も、事業部に数週間放り込んでインターンさせた上で配属約束付き内定出したり、インターンの評価で初任給+100万円にしたりといった個別待遇で、人材獲得競争に突入することになるというのが筆者の予想ですね。事実上の新卒一括採用の終焉です。

ああ、それから最後に、この話になると必ず「若者の就職率が下がるからダメだ」みたいなことを言う人がいるんですが、スルーしといてOKです。なぜって?今回の話は優秀層と大企業の話なんで、それ以外の人は関係ないから。文句があるんなら一生懸命勉強して企業に必要とされる人材になるか、政府に職業訓練とかしてもらってください。

というかはっきりいって優秀層からすると新卒一括採用なんて迷惑極まりない仕組みなんですよ。「ったくなんで東大出てるのに〇〇大の奴と同じ初任給なんだよ」って99.9%の東大生は腹の中で思ってますから。

で、今までは我慢してきたけどさすがに我慢しなくなって、採用する大企業の側も「よしじゃあ新卒一括採用見直すわ」と歩み寄りを見せようとしている時に、関係ない外野が「就職率ガー」とか騒いでも、エリートも企業も知ったこっちゃないというのが正直なところでしょう。

というわけで、もう「下に寄せる」時代は終わったんです。これからは「上を満足させるコースを作る」ことがどの組織にも不可欠です。それができない組織は淘汰されることになります。

以降、
新卒採用はこう変わる
そして、社会はこう変わる

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Q:「転職を認めない会社に対し退職代行サービスはアリ?」
→A:「普通にアリです」

Q:「仕事してないのに年上というだけで高給取りのいる職場に我慢の限界です」
→A:「まずは上司と交渉→転職活動の流れをオススメします」

Q:「上司が自分の年齢の半分以下です」
A:「プレイヤーとして成果を上げられればポストにこだわる必要はありません」

雇用ニュースの深層
・「派遣社員は同一労働じゃないから同一賃金にしなくていい」と労組が言うための3年ルール

気づいていない人が多いんですが、非正規の雇用期間を短くするというのは低スキルのままにして同一労働同一賃金を骨抜きにする効果があります。

・さすがに2倍に盛っちゃダメでしょ

役所の障がい者採用水増し問題ですが、どういう人が誤って認定され、どういった感じで働いていたのかをしっかり調査すべきでしょう。

 

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執筆: この記事は城繁幸さんのブログ『Joe’s Labo』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2018年9月16日時点のものです。

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