入社8カ月で「LINE Pay」加盟店営業を束ねる責任者に―勢いある企業の驚きのスピード感とは?
LINEが展開しているモバイル送金・決済サービス「LINE Pay」。LINEを通じて、ユーザー間での送金、提携サービスや店舗での決済を簡単に行うことができる。同社が力を入れているFintech事業の中核を担うサービスであり、今後期待されている分野だ。
LINEで活躍するビジネスパーソンにインタビューするシリーズ第3回は、この「LINE Pay」の加盟店拡大を担う営業部隊の責任者に、業務内容や仕事のやりがい・醍醐味、そして「LINE Pay」で目指したいことについて語っていただいた。
LINE Pay株式会社 営業統括室 室長 清島雅晃さん
インターネット系メディア企業に入社し、2017年まで18年間勤務。その間、旅行領域、飲食・美容領域、人材領域などさまざまな事業の営業およびマネジメント業務に携わる。2017年12月にLINE入社、同時にLINE Payに出向し現職。
年内にLINE Payが使える場所を100万カ所まで拡大を目指す
LINE Payは2014年12月、「新たな決済インフラ」を目指してサービス開始。国内外JCB加盟店で利用可能な「LINE Pay カード」の発行や、QR・バーコードを読み取ることで支払いが完了する「コード支払い」の導入、10円以上の送金で人気商品がもらえる「10円ピンポン」キャンペーンの実施など、さまざまな取り組みを通じてユーザー数を拡大してきた。
現在、「LINE Pay」の登録ユーザー数は全世界で約4000万人。昨年の年間決済高は4500億円を突破している。国内での「LINE Pay」が使える場所も右肩上がりで増加しており、2018年7月時点で約9万4000カ所。年内には一気に100万カ所にまで拡大する計画にある。
その加盟店拡大のミッションを担う営業部隊を束ねているのが、営業統括室室長の清島さんだ。営業戦略の立案・実行、仙東名阪福にある営業拠点のメンバーマネジメント、提携している全国の営業代理店約60社の管轄など、業務範囲は非常に多岐に渡る。「LINE Pay」だけでなく、店舗・企業向けLINE情報発信アカウント「LINE@(ラインアット)」の拡販も併せて手掛けている。
清島さんがLINEに入社したのは昨年末。入社してまだ8カ月ながら中核事業の最前線を担っている格好だ。
前職のインターネット系メディア企業に入社したのは1999年。昨年退職するまで、約18年間勤務した。その間、旅行や飲食、美容などさまざまな事業を経験したが、歩んできたのは一貫して営業畑。営業マネージャー経験も長い。
「前職時代からずっと抱き続けているのは、不平、不満、不便、不都合などといった世の中の“不”を解消したい、世の中をもっと便利にしたい、インフラとなり得るサービスに関わりたい、という思いです。
LINE Payは、これから本格的に訪れるキャッシュレスの世界において、新しいインフラとなるサービスであり、私の思いにすべて合致する点に惹かれました。これからさらなる進化が予想されるサービスであり、自分の手でインフラを作り上げられる点にも魅力を感じ、転職を決めました」
モバイル決済サービス市場の拡大はまだ緒に就いたばかりであり、今後大きな成長が期待できる数少ない市場だ。一方で参入企業も多く、群雄割拠な状態にある。一歩抜きん出てトップに立ち、業界をけん引する立場になるには、ユーザー拡大、加盟店拡大を同時に進める必要がある。
「ユーザー数だけが増えても、LINE Payを利用できるお店が少ないと『LINE Payって使えない』というイメージがついてしまい、ユーザー離れを起こしかねません。私たち営業のミッションは、ユーザーのために、加盟店を1店でも多く増やすこと。まずは多くの人が利用する全国展開中のチェーン店、各地方に根付いている地場のチェーン店に、各拠点でアプローチしていますが、小規模チェーンや個人オーナー店にも、全国の代理店や営業委託メンバーが新規開拓を行っています。
また、コールセンターを活用して、国内30万件以上のLINE@のお客様となるクライアント企業にLINE Payのご案内も進めています。できる限り多くのクライアント企業にLINE Payの魅力をご理解いただくために、営業部隊が一丸となり取り組んでいます」
社内の意思決定が早く、やりたいことをすぐ実行できる環境
清島さんは前職でも、多くの営業メンバーをマネジメントしながら、広告掲載店舗の拡大に尽力し続けてきた。今までの経験はフルに活かせているし、社内の若くて活気ある雰囲気は前職とかなり似通っている。「違和感は全くなく、自分でも初めての転職とは思えないほどあっという間になじむことができた」という。
ただ、「スピード感は圧倒的に違う」とも。社内の意思決定が早く、やりたいと思ったことをすぐ実行できる環境なので、ストレスが全くない。ユーザーが本当に求めているものならば、裁量を持ってどんどん推し進めることができるという。
LINE Pay自体これからのサービスであり、現在急速に成長している最中。モバイル決済サービス市場自体も日に日に変化していて、それを敏感に察知しながら臨機応変に営業戦略を見直す必要もある。
「大変ではありますが、事業の成長スピードを日々肌で感じられるし、新しい市場をこの手で作り出しているという実感も得られます。加盟店や決済対応箇所数が右肩上がりに増えるとともに、営業メンバー一人ひとりがどんどん成長しているのも手に取るようにわかる。こんなに刺激的な環境に身を置けることに、大きな喜びを感じています」
クライアントである加盟店からの声も、日々の原動力になっている。LINE Payを導入したことで店舗のLINE@友だち数が増えて、販促が効率的にできるようになった、来店客が増え、売り上げが上がったという喜びの声を、担当営業経由で毎日のように聞くことができているという。
「ユーザーにとって便利で使いやすく、お店側もお客様が増えて嬉しい。双方にとってメリットの大きいサービスだと、改めて実感しています」
「どこでもLINE Payが使える」状態をこの手で作り上げたい
「年内100万カ所」という大きな目標に向かって一致団結し、突き進んでいる最中ではあるが、「100万カ所はあくまで通過点」と清島さんは言う。
「LINE Payが普及拡大するにつれ、ユーザーや加盟店の声を反映し、付帯サービスがどんどん生まれるでしょう。LINE Payが世の中にさらに大きな影響を与え、日本のモバイル決済マーケットを大きく変える存在になるためにも、1日でも早く『お金を支払うあらゆるシーンでLINE Payが使える』という状態を作り上げたいと考えています」
先日、QRコード決済とメッセージ機能を搭載したアプリ「LINE Pay 店舗用アプリ」の提供を新たにスタート。こちらのアプリは誰でも無料でダウンロード可能で、さらに、2018年8月からの3年間は決済手数料を無料化することを発表した。新たな取り組みにより、主にこれまで決済導入の初期費用や手数料がハードルとなって現金のみの取り扱いだった中小規模店舗の導入促進が期待される。「年内100万カ所」に向けて、決済対応箇所開拓に全方位的にドライブをかけている。
そのためには、「人」の力も重要だ。目標実現を担う営業職の採用も清島さんの重要なミッション。毎日のように面接を行い、毎月入ってくる新しいメンバーのマネジメントも行う。
「ありがたいことに、自分の手で世の中を変えようという、気概があるメンバーが集まってくれています。日本の決済マーケットが変わろうとする、このタイミングに関われるのは貴重です。熱い思いを持つ仲間たちとともに、これからもLINE Payの拡大・成長に尽力し続けたいですね」
取材・文:伊藤理子 撮影:刑部友康関連記事リンク(外部サイト)
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