鮭やちくわが舞い踊る! 『バーチャルキャスト』の投げ銭機能“Vギフト”が8月1日にサービス開始
7月27日、東京・六本木のニコファーレにて、「ドワンゴのVR事業展開 記者発表会」が行われました。今回は、投げ銭を含む『バーチャルキャスト』の新情報の発表や、VR関連新情報、今後のVR事業の展開についての発表が行われました。
そもそもバーチャルキャストとは?
バーチャルキャラクターになったユーザーがVR空間のスタジオでリアルタイムにコミュニケーションできるVRライブ・コミュニケーションサービスです。 ニコニコ生放送などの生配信サービスを介してスタジオを公開したり、公開中のスタジオに“乱入”することも可能で、自由に好きなキャラクターになりきりコミュニケーションを楽しむことができます。
『バーチャルキャスト』では、『ニコニ立体』にアップロードされたVRM対応モデルを使用することも可能となっており、多様なキャラクターを利用して生放送を楽しむことができるサービスとなっています。
今回の発表会でも、開幕で登場した栗田穣崇さん(株式会社ドワンゴ取締役)、松井健太郎さん(株式会社インフィニットループ代表取締役)、岩城進之介さん(株式会社ドワンゴ)のうち、松井さんと岩城さんはその後のフォトセッションまでずっと『バーチャルキャスト』から登壇(?)していました。
配信者に“ギフト”を贈れる Vギフトがスタート
まずは、かねてより予告されていたギフティング、投げ銭機能の実装と詳細が発表されました。『バーチャルキャスト』対応のギフティングサービス、Vギフトが8月1日より稼働します。こちらの発表には、開発を担当しているみゅみゅさんも加わって、栗田さん含む全員が『バーチャルキャスト』内からサービスの紹介を行いました。
Vギフトは、視聴者が3Dアイテムを購入し、バーチャル空間内に贈ることが出来るというサービス。視聴者は、配信中にVギフトを購入することで生放送の画面内にVギフトを登場させることができます。Vギフトを贈って番組を盛り上げたり、ちょっといたずらをしたり、いろいろな楽しみ方ができるギフティングサービスです。
一般的に使えそうなVギフトもありますが、ほとんどは配信を盛り上げるのに役立ちそうなユニークなものになっています。開発者であるみゅみゅさんの遊び心が反映されており、今後のラインアップも期待されます。物によっては使い方を試されるようなギフトもあるので、贈る側も受け取る側も楽しめるのではないでしょうか。
Vギフトを受け取った配信者は、受け取ったギフトに応じた『クリエイター奨励プログラム』のスコアが加算されていく仕組みとなっています。『クリエイター奨励プログラム』は、スコアに応じて現金化することもできるため、『バーチャルキャスト』を使ってクリエイターを応援することで新しい創作につながる可能性があるかもしれません。
スマホでvtuberキャラクターをカスタマイズ! 『カスタムキャスト』が新登場
続いてはスマホでvtuberができるツールの紹介。『バーチャルキャスト』のリリース時より「スマホでやりたい」という要望がユーザーから多くあがっていたそうで、待望のツールとも言えるのではないでしょうか。
こちらは、S-court社によるスマホアプリ『カスタムキャスト』。その名の通り、アバターのカスタムが可能なアプリとなっています。『カスタムキャスト』はスマホの直感的な操作で好みのキャラクターを作ることが出来るアプリで、これまでハードルの高かったモデリング作業不要でvtuberになることが可能となります。
カスタム方法は、デフォルトでいくつかキャラクターが用意されているのでそちらをベースにするもよし、ゼロからカスタムして作り上げるもよし、ランダムなキャラクターを生成する機能も搭載されているので、どうしてもキャラクタークリエイトが苦手だという人でも自分だけのオリジナルキャラクターを生成することができます。
目や耳、髪型や髪の色などはもちろん、身長や衣装のカスタマイズも出来るため、理想のキャラクターを作るのに大いに役立ちそうです。キャラクターのクリエイトに関しては『カスタムオーダーメイド3D2』からのフル移植となっておりますが、健全なアプリなのでご安心ください。
口の動きは、カメラ認識とマイクの認識とを切り替えることが可能。PCで取り込む際などに重宝しそうな機能です。表情だけでなく、顔以外のモーションもプリセットで入っており配信中に動きをつけることができます。
3Dの背景を利用した配信だけでなく、背景をカメラからの映像にした配信も可能。ただし、背景にカメラ映像を利用する際は、顔認識が外れないように気をつける必要があります。また、AR機能を使えばキャラクターを外に配置して動かすこともできるようになります。
今後はvtuber用ビジュアルパーツや背景、アイテムなどの追加販売や、VRM出力も有料で対応予定。
商用利用可能なキャラクターが自由自在にメイキング可能 『Vカツ』
次は、IVR社の『Vカツ』。『Vカツ』は、3Dキャラククターメイキングからアニメーション、表情付けなどを無料で行える世界初の「Vチューバー支援サービス」です。先日、ベータ版の募集を行ったところ1週間で5000人もの応募があったということで注目度の高さが伺えます。
顔や身長や髪型、衣装やアクセサリにケモミミなど、キャラクター制作に必要な部分を細かくカスタマイズすることが可能。前髪を目の前に垂らしたり、前髪を目の前に表示するといったことまで細かく調整できます。また、『Vカツ』は、女性キャラクターだけでなく男性キャラクターも作成することが出来、筋肉量の調整などができるようになるようです。
『Vカツ』内でスタジオモードを利用するとvtuber的な動画を撮影することが出来るようになります。作ったキャラクターをそのままスタジオに持っていけたり、ヘッドマウントディスプレイを被ったまま配信中に衣装を変えることが出来たりと、生配信や動画撮影にも活躍しそうな機能が充実しています。
今後はVRM出力に対応予定で、『Vカツ』から生まれたキャラクターを『バーチャルキャスト』で使うことも可能になります。また、アバターパックも追加予定。アバターパックによってかわいい、かっこいい人間のキャラクターだけでなく、アンドロイド的なロボットも制作することが可能となり、世界観や表現の幅も広がりそうです。
そしてここまでの機能がありながら、商用利用OKというのもこれからvtuberを始めようと思う人にとっては朗報です。そして、スマホにも対応予定で、『Vカツ』から新しい人気vtuberが生まれるのも時間の問題かもしれません。
niconicoバーチャル関連今後の予定
ときのそらチャンネル開設記念公式生放送や、電脳少女シロさんの生誕祭イベントをニコファーレで実施など、今年の夏は“バーチャルな夏休み”ということで、バーチャルな番組が多数企画されています。詳細は8月1日に特設サイトがオープンするのでそちらをチェックしましょう。
総合力で最先端へ!? 『株式会社バーチャルキャスト』誕生!
今回、最後に発表されたのが『ドワンゴ』×『インフィニットループ』の合弁会社『株式会社バーチャルキャスト』です。
『株式会社バーチャルキャスト』は、“ちょっと間違った未来を作る”というビジョンと、“脳汁の最大化”をミッションを発表しました。
“ちょっと間違った未来を作る”とは、現実と地続きのVR世界ではなく、遊びやユーモアのあふれる新世界を目指していくというもの。人類を5度くらいズレた世界に導くことを目標にしています。
ミッションは“脳汁の最大化”。ネットスラングでもある“脳汁”ですが、エンドルフィンやドーパミンといった物質を表し、興奮、幸せといった感覚を表現する際に利用されます。テクノロジーを使って脳汁の分泌量を最大化、幸せな人を増やすということをミッションとしています。
また、日本だけでなくアジア圏の市場開拓も狙っており、VR先進国としての日本の強みを活かせるかが鍵となりそうです。
4月にリリースされた『バーチャルキャスト』からはじまり、統一規格のVRM、キャラクター作成の『Vカツ』、『カスタムキャスト』と続々発表が続くドワンゴのVR事業。vtuberの本格的なブームが始まって半年を超えていますが、vtuberの人数は続々増え続け、多方面での活躍を見せるなどその勢いは衰えるどころか増し続けているような感覚さえあります。
数々のサポートツールが登場してきている昨今ですが、これまでは「Unityの技術がないからなあ」とか「アバターがつくれないんだよね」とか、いろんな言い訳をしてきたそこのあなた! さすがに、ここまで整って来たらやるしかありませんね。
ネットで流行っているものを追いかけていたら、いつの間にかアニメ好きになっていました。 http://com.nicovideo.jp/community/co621
TwitterID: srbn
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