婚活で「価値観」はどこまで重要?何を相手に望むべきなのか

婚活で「価値観」はどこまで重要?何を相手に望むべきなのか

婚活でパートナー選びは慎重になるのは当然

婚活とは、結婚相手を選ぶ活動です。結婚適齢期となった独身男女が、生涯の伴侶となる相手を探し求める活動なのです。婚活は、生涯ずっと愛し合い、一緒に家庭を育んでいく事が前提で相手を探しますので、当然、相手選びは慎重になります。

さらに、結婚とは、愛で結ばれたパートナーと一緒に社会生活を育む契約でもあります。ただ、「好き」というだけではこの契約を一生守り続けるのは困難な側面もあります。病める時も健やかな時もお互いを支え合う関係。言い換えるなら、自分自身の人生を相手に捧げて愛を育んでいく。という意味でもあります。

人生において、こんな重要な意味をもつ相手を選ぶわけですから、自分の愛と人生を捧げる価値がある人を選びたい。誰もがこう思うのは自然な事です。

「価値観」を重視するとはどういうことか

真剣にパートナーを選ぶ際に登場するのが、「価値観」を重要視する。という概念です。価値とは、二つの意味合いがあります。まず、物事の役に立つ性質や程度。経済でいう商品価値や使用価値、値打ちです。もう一つは、「よい」「悪い」の判断基準を司る、人間的な好き嫌いの対象となる性質です。

この価値観の二つの意味合いは、婚活では、いわゆる結婚の条件にあたります。例えば次のようなものです。
生活レベル(住む場所、お金の使い方など)
学歴
職業
収入
性格の一致、不一致
物事の善悪の判断基準

結婚相手は、一緒に生活をしていくパートナーとなるわけなので、確かにこのような価値観が一致している事は重要なポイントです。

自分と同じような考え方や生活レベルの方の方がよいに越した事はないと思うのも自然な事です。

価値観にこだわるのは愛が始まる前のこと

ただ、ここで考えてみましょう。婚活での相手選びでは、確かに「価値観」は重要ですが、「価値観」にこだわるのは、愛が始まる前の話です。つまり、お互いをよく知り合う前の話なのです。

「世界に一つだけの花」というスマップの有名な歌があります。この世に一人として同じ人はいない。という内容の歌です。

自分と似た人はいるかもしれませんが、自分と同じ人はいません。違いを認め合う事が人間関係では必要な事です。相手の違いを認め合うということが実現するのが、愛の力です。愛の力は、お互いを認め合って支え合うという関係性を育くむ源泉となります。

価値観=条件を広げて自分の目で実際に会って相手を確かめる

婚活では、相手のプロフィールをみたり、知人から話を聞いたりなど、まずお互い会う前に、客観的情報から入ります。この時点では、相手を知らないわけですから、当然、自分と価値観が同じかどうか。という事が重要なポイントとなります。しかし、だからこそ、この時点で、価値観=希望条件を広げてみる事が大切です。

例えば、希望年収と違っていても、希望年齢と違っていても、趣味が違ったとしても、妥協範囲を決めておいて、実際にお会いしてみる事をおすすめします。

そして、お会いしてみて、自分と違う。この人とは価値観が違う。とすぐに判断せず、少なくとも3回は会い続ける事も大切です。

と言いますのは、実際にお会いし続けて、一緒に時間を過ごすうちに、お互い歩み寄りたい。というお気持ちに変わる可能性があるからです。一緒にいるためなら、自分のここを相手に合わせてもいい。合わせたい。という強い信念が生まれる可能性もあるのです。

これが、愛の力です。

愛が続くならお互いの価値観の違いは乗り越え続けられる

神谷美恵子さんという精神科医の方が、「生きがいについて」という著書で、生きがいは、目的にたどり着くことによって手に入れるようなものではなく、目的に向かって歩く道程そのものにあると語っています。つまり、生きがいは、理性や知性ではなく、「感情」のはたらきだと言っているのです。

結婚生活は人生です。一緒にいたい。純粋にそう思える関係になれる人が、愛を持続する秘訣です。愛が持続するなら、お互いの価値観の違いは乗り越え続けていけます。

一緒にいたい、というあなたの感情の扉を開いてくれる人。これこそ、相手に望むべきものです。そのためには、実際にお会いして自分の目で確かめていくしかありません。ですので、婚活においては、まずは、価値観=条件を広げて、あきらめずに会い続けて行くという事が大切です。

「人を赦して受け入れる」ことで人生が開ける

30代の婚活をしていた女性で、希望条件の範囲が狭い方がいらっしゃいました。私は、条件を広げて、できるだけ多くの人と会うようにお伝えしました。その後、彼女は、2年間で50人の独身男性とお会いしました。

しかし、お会いする度に、相手の欠点や自分と価値観が合わないところを見つけては、お断りを続けていました。

2年間の間に、結婚できる人なんていないかもしれない。という不安にも襲われたそうです。
しかし、彼女は50人目の最後にお見合いをした方と結婚されたのです。彼女は、この2年間で「人を赦して受け入れる」という事を学びました。その結果、ご自身の感情の扉を開けてくれた人と出会えたのです。

婚活において、価値観は出会う前のバロメーターに過ぎません。結婚生活を育むのは愛の力です。愛を育める人とは、あなたの感情の扉を開けてくれる人です。そのためには、あなた自身が自分の目で出会って確かめていくしかありません。だからこそ、価値観=条件を拡げて多くの人と会い続ける。これが、大切です。

(小西 明美/結婚コンサルタント、仲人士)

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