歓楽街のペットショップが深夜営業している理由

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どうもどうも、特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です!

各都道府県の繁華街には、必ずと言っていいほど深夜営業しているペットショップが存在している。

昼間や仕事帰りの夕方、週末などにペットを買いに行くのはわかる。しかし、真夜中に犬猫なんて買いにくるお客なんているんだろうか? 店を開いているだけで、光熱費や人件費がもったいないのではないだろうか?

だが、このようなペットショップにはカラクリがあるのである。今回は、このような深夜営業するペットショップの秘密について綴ってみたいと思う。

深夜の時間帯はキャバクラ嬢とお客の巣窟に

深夜に煌々と照明が点り、店先のショーケース内には、血統書付きの小さな子犬がゴロゴロいる。定番のミニチュアダックスや豆しば、秋田犬、ヨークシャーテリア、イングリッシュブルドッグなど犬好きにはたまらない犬種やスコティッシュフォールドやマンチカン、アメリカンショートヘア、ロシアンブルーなどの猫たちがひしめいている店。

こういったペットショップにはどのようなお客さんがやってくるのだろうか?
関東圏にある某ペットショップの店長さんに話を聞いてみた。

「そうですね、だいたい深夜2時くらいからやってくるのが、お店がハケたキャバクラ嬢とアフターするお客さんが多いですね。普通の人は、冷やかしのカップルくらいですね。しかも泥酔の……。全然別々のお店のキャバ嬢たちが灯りに集まる虫みたいに立ち寄ってくれるんですが、自分のお客さんとべったり腕組みして来ますね」

あわよくば、と大きな下心が見え隠れするアフター客を手玉に取り、超高級焼肉店を奢らせて、高い買い物をさせるキャバクラ嬢たちのテクニックは、離れたところで見ていてもやはりすごいという。

お好みの犬や猫をお客に購入させる

そこでおねだりするのが、ひとり暮らしのマンションで飼うペットだ。高級ブランドバッグをおねだりするのは転売目的のキャバクラ嬢がよく使う手だが、淋しさを紛らわせるために飼うペットであれば、まぁ可愛げもある。

そこで「キャー可愛い! ねぇ、この猫前から欲しかったんだよね~、お願いぃぃぃ!」と物欲しげにしていれば、この後にキャバクラ嬢から何かしらのアフターサービスが受けられるかもしれないと考えるのが男の性。

「そうですね、その場で即決。彼女たちはねだるのがうまいですから。できるだけ高くて可愛い人気の犬や猫を購入されますよ。現金で支払われる方もいますし、カードで支払われる方もいますね。お目当ての女の子をオトすためには、それなりの対価を支払う気でいるんじゃないでしょうか。そのあとどうなったかは、僕らにはわかりませんけどね(笑)」

彼女たちは好みのペットを買ってもらい、その日にはワクチン注射や登録手続き後に引き取りに行く。それで店側は儲かる。ここまではいい。しかし、それだけで済まないのが、この深夜営業ペットショップのシステムなのだ。

プレゼントされた犬を即現金化するシステム

なんと、今回取材したペットショップ、買ったペットをその場ですぐに買い取ってくれる“ペット即現金化”を行っている店だったのだ。この買取屋のシステムとはどのようになっているんだろうか?

「そうですね、例えば15万でお客に買ってもらった犬をワクチン注射がいるといいながら、お客と別れた瞬間に電話を入れてもらい、すぐさま買い取り。取り半ということで、キャバ嬢は7万5,000円を手にし、店側は7万5,000円の売り上げ+売り物の人気犬種が戻ってくるということです。もちろん、さらに高いペットになれば、それだけ買い取り額が高くなるということですね。損をするのは騙されたお客だけ。そのあとは、お客に見せるための犬の写メ画像を1ヵ月に一度ほど送ってあげるだけです。お客は、一緒に風呂に入っているとか、エサは何が好き、とか適当に話を合わせていればいいんですから」

キャバクラ嬢とペットショップ側が組んでいる。何と恐ろしいシステムなのか。
お客からクレームが入ったり、バレたりすることは果たしてないのか?

「ありますよ、もちろん。まさかペットで換金するシステムがあるとは思ってもいないことだから、数は少ないですけど。買ってやった犬がまた売られているとか、絶対にあのときの猫だ、とか。所詮は犬猫ですから、特徴的な模様でもあれば別ですけど、どれも見た目は同じですよ。何の証拠もありませんから、あしらいますけどね。猫を飼ってやったのにヤラせてもらえなかった、と的外れなクレームを付けてくるお客もいますよ」

キャバ嬢にキャッシュバックをしている店。このようなペットショップはまだ他にもあるのだろうか?
東京に限らず、全国の歓楽街には朝まで営業するペットショップが数多く存在する。
しかしながら、本稿で紹介したような業態のショップは、もう存在しないと信じたいところだ。

(C)写真AC

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(執筆者: 丸野裕行) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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