「フォロワー」や「ファン」が多い人はここが違う! SNS上の“セルフブランディング”って?
そもそも“セルフブランディング”とは一体何か?
ビジネスパーソンから経営者、個人事業主、主婦、学生まで、立場を問わず、SNSを使って「セルフブランディング」をする人が増えています。
そもそも「セルフブランディング」とは一体なんでしょうか。実は、SNS上のフォローワーやファンを増やすときには、この「セルフブランディング」が重要になってきます。
その定義はさまざまですが、筆者の定義は「誰かにとって特別な価値を与える存在になること。および、そこに至るまでのプロセス」のこと。特筆すべきは“誰かにとって”という部分です。“誰か”ですからSNS利用者全員でもありませんし、不特定多数でもありません。
例えば、昔から時間管理が得意なAさん。Aさんの場合、SNSを使って「時間の使い方がヘタだ」「もっとうまく時間を使えるようになりたい」と思っている人に「時間管理の方法」や「時間管理をすることで得られる効果」などを伝えていきます。このとき、「時間管理が得意な人たち」のことを考える必要はありません。Aさんがターゲットにすべき“誰か”は、ズバリ「時間管理がヘタな人/時間管理がうまくなりたい人たち」です。その人たちにSNSを通じて「特別な価値を与える続けること」が、セルフブランディングの活動です。
あなたの「好き」や「得意」で助けられる人がいる
時間管理が得意なAさん同様に、SNSを活用すれば、さまざまなテーマでセルフブランディングすることができます。
【SNSを活用したセルフブランディングの一例】
・情報発信のテーマ
仕事で信頼を勝ち取るファッション
・届けるターゲット
「自分のファッションって野暮ったいかも」「外見に磨きをかけて、仕事でメリットを得たい」と思っている経営者やビジネスパーソン
・主な情報発信内容
服の選び方やコーディネート方法、服が仕事に及ぼす影響
・情報発信のテーマ
コミュニケーションとしての中国話
・届けるターゲット
「国内外で中国人と会話を楽しみたい」と思っている人
・主な情報発信内容
中国語特有のコミュニケーション方法
・情報発信のテーマ
アレルギー改善の食生活
・届けるターゲット
アレルギーに悩んでいる人
・主な情報発信内容
アレルギー情報やアレルギーを改善するための食情報
このように、自分が得意にしていることや、大好きなこと、情熱を傾けていること、人よりも少し詳しいこと、人よりも少し上手にできること——などをテーマに、その情報を知りたがっている人に教えてあげることがSNS上でのセルフブランディングの第一歩です。
また、セルフブランディングするためには圧倒的な知識やスキルが必要だと思っている人がいますが、それは間違い(勘違い)です。
例えば、筆者は2009年ごろから「文章の書き方」をテーマにしたブログを書き始めましたが、当時は名もなき一介のライターにすぎず、出版デビューもしていませんでした。文章術を語れる著名な文筆家は、世の中に山ほどいたはずです。しかし、そんなことはおかまいなしに私はブログを書き始めました。なぜなら、“自分よりも苦手な人たちに喜んでもらえればOK”と考えていたからです。
そう、あなたが助けるべきも、あなたの少し後ろを歩いている人たちです。知識やスキルを磨く努力は必要ですが、現時点で“圧倒的”である必要はありません。
ファンが増えることで得られる強力なバリュー
セルフブランディングを実現するためには、ターゲットとなる人たちを「単なるフォロワー」から「ファン」へ育てていく必要があります。ファンとは、その発信者や発信内容に賛同・共感し、積極的に情報発信者の情報を受け取ろうとする人たちです。
以下は、自分のお気に入りの情報発信者に対してファンが取る行動の一例です。
SNS投稿を常にチェックする 公式サイトをチェックしよう 積極的に交流しよう(コメント、リプライなど) 発言を世に広めよう(SNSでのシェアやRTを含む口コミ) 提供する商品やサービスを購入しよう 出演するイベントに足を運ぼう 運営するコミュニティに参加しよう
「提供するサービスを購入する」「出演するイベントに足を運ぶ」ようなファンが増えてくれば、情報発信者は主体的にビジネス展開することもできます。また、発信する情報が良質で、SNS上での露出が増えれば、マスコミや企業などから声もかかるようになるでしょう。テレビやラジオ出演、新聞や雑誌でのインタビュー、出版依頼、講演依頼…などなど。SNSでセルフブランディングすることで得られる価値は計りしれないのです。
「貢献コンテンツ」でブランディングを極める
セルフブランディングを目的とした投稿記事は、単なる日記や雑記ではいけません。なぜなら、とりとめもない日記や雑記では、情報発信者の顔や活動が見えにくく、また、フォロワーが受け取れる情報も少ないからです(情報発信者にすでに知名度があるか、情報発信者のキャラクターやライフスタイルにエッジが立っている場合は別ですが)。
ファンを増やしていくためには、フォロワーが “喜ぶ情報”“役立つ情報”“共感できるメッセージ”“感動するエピソード”“楽しめる情報”“新鮮な情報”“目からウロコの情報”などを発信し続けること。筆者はそれらを総称して「貢献コンテンツ」と呼んでいます。
投稿を読んでもらうということは、その人に時間を使わせることです。その時間に見合った価値を提供することによって、セルフブランディングに必要な“貢献ポイント”が少しずつ貯まっていくのです。“貢献ポイント”が貯まれば貯まるほど、ファンが増えていき、口コミやRT(リツイート:発言を拡散すること)により、さらなるフォロワーの獲得につながるでしょう。
今この瞬間に、自分が発信するテーマが思いつかない、という人は、あまり深く考えずに、思いつくすべてのテーマで情報発信を始めてみてください。
見切り発車でOK。
発信していく中で、自分が「ワクワクするもの or ワクワクしないもの」、あるいは、投稿を読んだ人から「反応があるもの or 反応がないもの」などが多角的に見えてきます。そういう経験を積みながら、自然と自分の情報発信テーマが絞り込まれていくはずです。そんな「自分探し」の道中もセルフブランディングを始めるきっかけとしてお楽しみください。
著者:山口拓朗
『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』著者
伝える力【話す・書く】研究所所長。「論理的に伝わる文章の書き方」や「好意と信頼を獲得するメールコミュニケーション」「売れるキャッチコピー作成」等の文章力向上をテーマに執筆・講演活動を行う。『伝わるメールが「正しく」「速く」書ける92の法則』(明日香出版社)のほか、『残念ながら、その文章では伝わりません』(だいわ文庫)、『問題を解くだけですらすら文章が書けるようになる本』(総合法令出版)、『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(日本実業出版社)、『書かずに文章がうまくなるトレーニング』(サンマーク出版)他がある。
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