初対面で10分間!自然に「話せる人」と「話せない人」の違いとは?
あなたは人と話すのが得意ですか?会話は人間関係を円滑にする重要なコミュニケーションツールと言いますが、「うまく話せなかったらどうしよう」と不安に思い、なかなか上手く話せない人は案外多いようです。特に初対面の人は、なおさら苦手と感じる人もいます。初対面なら軽く10分だけ話せば十分なのですが、苦手な人にとってはその10分が途方もなく長く感じるものですよね。そこで今回は広告代理店勤務時代に3,000人以上のVIPと交流し、彼らの会話術を研究している気配りのプロフェッショナル・後田良輔さんに「初対面の人と10分間自然と『話せる人』と『話せない人』の違い」について話を伺いました。
自然と10分話せるようになる鍵は、「線路トーク」にあり
誰とでも自然と10分間話せる人と聞いて、あなたはどんな人をイメージしますか?「アドリブ上手な会話の達人」「人懐っこくて笑顔の絶えない人」「勉強熱心で話題豊富な人」など、会った瞬間から人を惹きつける魅力的な人を思い浮かぶかもしれません。でもそれは間違いです。私が接してきた3000人のVIPたちは、その真逆の人が大勢いました。人見知りの雰囲気なのに、なぜか初対面の人と10分以上自然と話し、その後、和やかな雰囲気にしてしまう人ばかりだったのです。そんな彼らにはある共通点がありました。それは話題の選び方です。そのテクニックを私があえて命名するなら「線路トーク」です。線路とはあの電車の走行を支えるレールのこと。進むべき道があらかじめ決まっているレールのように彼らは毎回、初対面の方には同じ話をふり、10分間は決してそれ以外の話題に脱線しなかったのです。少なくとも私が知っているVIPたちはアドリブ上手な話題名人ではありませんでした。むしろその逆で、自分が面白い話をすることを捨て、相手の話をうまく引き出す、先述した「線路トーク」だけを黙々とこなす人ばかりだったのです。初対面の人と自然と話せる人は「線路トークで質問する人」、話せない人は「アドリブで初対面の人と会話する人」だったのです。ぜひこれからは最初に振るべき話題を決めておき、それ以外のアドリブ質問をしないことを試してみてはいかがでしょうか。たったこれだけで、誰でも10分間の自然な会話を成立させることができるようになります。では次からこの「線路トーク」の実例を具体的に見ていきましょう。
線路トーク「〇〇が素敵ですね」
ほめられると嬉しくなり、ほめた相手に好印象をいだく人は多いものです。その効果を活用するため、VIP達は必ず、初対面の人をほめていました。しかしそのほめ方が普通の人と異なっていました。その違いとは、漠然と全体をほめず、細かな点をほめるということです。具体例でいうとこんな感じです。「素敵なネクタイですね」ではなく「ネクタイの水玉が素敵ですね」という感じ。全体的に「素敵ですね」とほめると「誰にでも言っているかも?」と嘘くさく思われることがありますが、細かく限定されてほめられると「きちんと見てくれている」と相手は感じるものです。ぜひあなたも「初対面の人のここを具体的にほめよう」と最初に決めておいてください。たったこれだけでスムーズな好印象を引き出すことができるようになります。
線路トーク「出身地はどちらですか?」
自分のアイデンティティに誇りを持たない人は少ないと私は思います。そのアイデンティティを刺激し、相手の好印象を初対面で引き出せる質問が「出身地はどちらですか?」です。行ったことがある土地であれば、「私も行ったことがあります。良いところですよね」と答え、もし行ったことがない土地であれば、「〇〇県のどこのあたりか教えてください」と言えば、自分のルーツを知ろうとする姿勢を見せることができ、好感を引き出すことができます。またまったく聞いたことのない土地であれば、「漢字のつづりはどのように書くのですか?」と言えば、より知りたいという気持ちをアピールできます。相手のルーツに興味を持つ姿勢は、初対面で最も使えるテクニックです。
線路トーク「緊張しますね」
初対面だからこそ積極的に言いたいのが「緊張しますね」という言葉。自分が緊張しているということは相手も緊張している確率は高いはず。だからこそ本音の言葉が相手との距離を近づけてくれます。「初対面って、なんだか緊張しますね」と告白されて、嫌な気持ちになる人はあまりいないように私は思います。嘘偽りのない本心ほど、相手をリラックスさせることはありませんので、「話題がない」「緊張して言葉がでない」というシーンとなる場面では、積極的にこの言葉を使ってみてはいかがでしょうか。
線路トーク「昔から〇〇なんですか?」
初対面だからこそ意識したいのが「前の状況を質問する」という姿勢です。名刺交換した際に「営業」とあれば、「昔から営業一筋なんですか?」。あるいは「大阪支店」とあれば「昔から大阪にお住まいなんですか?」など、相手から受け取った情報をもとに、あなたのルーツを知りたいという姿勢を見せてください。出身地のところでもお話ししたように、自分の昔というアイデンティティは相手の自尊心をくすぐるものだと私は考えます。自分の自慢話は相手をドン引きさせますが、相手のルーツの話は相手を前のめりにさせる効果を持っていると私は考えます。会う前から「相手のルーツを質問する」と決めていれば、意外と簡単に「昔から〇〇なんですか?」と聞けるものです。ぜひこの質問を投げかけ、相手と親密になってみましょう。
まとめ
名作映画やドラマが緻密な台本に基づいて動いているように、初対面上手な人は「線路トーク」という計算された台本に沿って、最初の会話にのぞんでいます。自分をかっこよくみせようとアドリブを連発するとかえって墓穴を掘ることになりかねません。初対面だからこそ、事前に会話のネタを決めておきましょう。この決まった会話という安心感が、あなたに自信と余裕をもたらしてくれます。自信にあふれた人の会話には信頼感が宿ります。ちょっとした事前準備が、人生が変わる出会いを引き寄せることもあります。あなたの人生は出会いで変わることもあるのです。
後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト
1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。
著書に、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)『1秒内定面接術」』(インプレス)など。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界からキャリアの悩みをなくすこと」をミッションとする。
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