2018年も花粉のシーズン突入、今年は例年並みの花粉量。対策は?
今年も花粉症のシーズンへ。2018年の花粉量は例年並み
花粉症は、スギやひのきなどの花粉によって生じるアレルギー反応で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが生じるアレルギー性鼻炎と、目のかゆみ、充血が生じるアレルギー性結膜炎が起こります。
喉にかゆみが生じたり、ひどい場合には喘息発作を起こすこともあります。症状が起こるタイミングはひとによってまちまちで、花粉症の飛び始めから起こる方や、花粉が大量になってから起こる方もみえます。
花粉症の症状が強くなると、勉強・仕事・家事などに支障をきたしたり、集中力が保てなくなったり、睡眠障害がおこったりします。花粉症の原因の約70%は2月中旬から4月中旬まで花粉をまくスギが原因と言われています。今年は、例年通りの花粉量と言われています。
花粉症の薬での治療(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血への対策)
基本は抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)の内服・点鼻・点眼が中心となります。脳への薬剤の移行性の違いで眠気が出る場合があるので、薬剤によっては車の運転には注意が必要です。
診療所や病院でお薬を頂くときは、運転に支障がないお薬をリクエストしてください。症状が強いときは抗ロイコトリエン薬というアレルギー反応を抑える薬も追加されます。
鼻詰まりの症状が強いときには、ステロイドの点鼻薬や点眼薬が効果的です。点鼻薬が苦手といわれる人でも、最近の点鼻薬はいろいろあり、刺激の少ないのを選択してもらうといいでしょう。
マスク、メガネ、手洗いなど生活習慣でも体に入る花粉を減らせる
生活習慣では、マスク、メガネが有効です。マスクは鼻腔にはいる花粉の量を約1/3にし、メガネは眼球に着く花粉の量を1/2にします。花粉がたくさん飛んでいるときは、外出を控えることが望ましいですが、少なくともマスクを着用しましょう。
また、セーターのようなけば立った服装によって、家の中に花粉を連れてくることがあります。家に帰ったら、手洗い、うがいに加え、洗顔もすると予防効果はあります。こまめな掃除機による掃除、洗濯ものの室内干しにより、室内に花粉を持ち込まないようにすることも重要です。
近年では「舌下免疫療法」での治療法もある
お薬は苦手だけれど、来シーズンからの花粉症を予防したい方には、免疫療法があります。免疫療法とは、アレルギーの原因となるスギ花粉を含んだ物質を薄い濃度から徐々に様子を見ながら投与し、体質を徐々に変え、スギ花粉による反応をなくしていく治療法です。
従来は注射薬しかなかったものが、最近ではスギ花粉を含んだ舌の下にいれる舌下薬が保険適応となりました。「舌下免疫療法」は有効性が示されていますが、現時点では認定を受けた施設でしか治療を受けることができません。
また、スギ花粉以外では効き目がありません。治療を検討する場合は、2年間という長期の治療であり、全員が治るわけではないことを理解することが前提です。
(大西 勝也/内科医)
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