ガジェット通信 GetNews

見たことのないものを見に行こう

体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

口ずさまれる名曲がある限り「私たちのアイドルネッサンス」は終わらない/「アイドルネッサンス ラストライブ ヨコハマで感謝するネッサンス!!」レポート

アイドルの躍動する姿を“青春”という言葉で表すのは、まったくもって陳腐だと思う。しかし純白の制服を着た10代の少女たちがステージに立ち、10代から60代、70代に渡る世代にとっての“青春のうた”をひたむきに届け続けた場所。それを“青春”という言葉抜きに語るのは難しい。
 
初ライブから3年8ヶ月、そんな場であり続けたアイドルグループ・アイドルネッサンスが2月24日、横浜ベイホールで行われた「アイドルネッサンス ラストライブ ヨコハマで感謝するネッサンス!!」で解散した。

「ソニー・ミュージックアーティスツ40年目にして初のアイドル」として2014年に誕生したアイドルネッサンス。「名曲ルネッサンス」という過去の名曲を彼女らなりの歌とダンスでカバーする方針は、スタート当初こそ賛否あったが、今の時代と彼女らに合わせて“更新”したカバー曲とただのヒット曲カバーに終わらぬセレクト、そして何より「歌を届ける」ということに真摯に取り組み、パフォーマンスするメンバーの姿はアイドルファンたちを惹きつけた。
 
近年ではZepp Divercity、ディファ有明とワンマン規模も拡大し、2017年のTOKYO IDOL FESTIVALでは、同フェスの象徴的ステージ・SMILE GARDEN で3日間の大トリを努めるまでに。また同時期、満を持してオリジナル曲を収録したミニアルバム『前髪がゆれる』をリリース。全曲を手掛けたのは初期から彼女たちと深く関わってきたBase Ball Bear小出祐介。その中でも人気音楽番組『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)でも取り上げられた『前髪』は、繊細な私小説のようでありながら力強さのある彼女らにしか歌えない、これまでカバーしてきた過去の名曲と比べても遜色のない渾身の一曲。

オリジナル曲第二弾制作 についてもアナウンスされていただけに「さあ、これから」という想いのファンも多かった。そのタイミングでの解散発表はまさに不意打ちとしか言いようがなかった。公式サイトに書かれた内容から解散の理由と思われる部分を抜粋するならば「2014年5月のお披露目ライブから3年8ヶ月、メンバーの頑張り、やる気、情熱、制作スタッフ並びにレーベルスタッフの尽力があったにも関わらず、それらを活かして状況を大きく打開し、ブレイクスルーさせることが出来ませんでした」。いつの時代も熱い想い が、夢が叶うとは限らない。とはいえ、普段アイドルネッサンスに関心を持ってないアイドルファンも、この発表には驚きを隠せなかった。
  
収容人員1100名の横浜ベイホールで行われるラストライブのチケットは早々に完売。澄んだライトブルーの空が少し暗くなってきたころ、ラストライブは始まった。照明が落ちると同時にスクリーンに映ったのはステージ直前の8人の光景。円陣を組み「どっかーん!ラスト!わきあいあい!」と気合を入れて最後のステージに向かう様に歓声が上がる。一曲目は『ミラクルをキミとおこしたいんです』(オリジナル曲:サンボマスター)。2014年のデビューライブでも一曲目に歌われた、アイドルネッサンスはじまりの曲だ。いつもどおりのクラップにいつもどおりの掛け声の交換、しかし「悲しむより踊りまくって奇跡の日々を始めようぜ」という歌詞の聴こえ方がいつもと違うことで、いやがおうにもラストライブのスイッチが入ったことに気づかされる。
 
続いて4度の夏を共に駆け抜けてきた夏の代表曲『夏の決心』(大江千里)。メンバーの衣装はいつもの白の制服だが、セーラー服にブレザーなど8人すべて型が違う。2014年夏のファーストシングル『17才』衣装から2016年秋のZeppワンマン衣装まで、一目でこの3年8ヶ月を象徴させたような心憎い演出である。

宮本茉凜のいつものグループ説明のMCも「1950年代から2010年代までの名曲をわたしたちの歌とダンスでパフォーマンスする名曲ルネッサンスにチャレンジして”きました”」と過去形。そんな端々に感じさせる“ラスト”、しかし今日の衣装の説明で心弾む8人を見てるとそのことすら忘れてしまう。特に原田珠々華のサードシングル『YOU』制服、野本ゆめかの5thシングル『Funny Bunny』衣装は、共に加入前だったので初披露だ。

「今日はとにかく4年間の感謝の気持ちと集大成をお見せできればと思っております。本当に本当によろしくお願いします!」の声から始まったのはオリジナル曲『Blue Love Letter』。そこから『Good day Sunshine』(SAWA)『6AM 』(堂島孝平)『太陽と心臓』(東京スカパラダイスオーケストラ)『手を打ち鳴らせ!!』(イナズマ戦隊)と、「ぐるぐるぐるぱんぱん! 」「会いたいだけ!」「な・な・な・ななこー!」にクラップと、ステージとフロアの掛け合いが楽しい曲が続く。

 続いて鮮烈なギターと共に始まったのが『The Cut』(Base Ball Bear feat.RHYMESTER)。もとはlyrical schoolとのコラボ「リリカルネッサンス」として披露された曲だが、1月にアイドルネッサンス単独で初披露。その披露わずか数回とは思えないラップスキルはアイドルネッサンスの次のステージを予感させる曲であった。そしてこのブロックの最後は、様々な会場でフロアを一体にさせてきた『あの娘ぼくが ロングシュート決めたらどんな顔するだろう』(岡村靖幸)。百岡古宵の「皆の一番の声聞かせて!」という煽りに「青春って1,2,3,ジャンプ」のコール&レスポンスが爆発する。

一度ステージから離れ、白いセーラー服に着替えて登場した8人。アイドルネッサンス初のオリジナル曲『交感ノート』『若者のすべて』(フジファブリック)、そして再びオリジナル曲『5センチメンタル』と8人の歌声をしっとりとしみ入らせるように聴かせる曲が続く。特に『若者のすべて』はディファ有明ワンマンで披露した最後の「名曲ルネッサンス」曲。「最後の花火に今年もなったな/何年経っても思い出してしまうな」そんな歌詞がひときわ胸に刻み込まれる。

そこから「最後の最後までみんなにだけモテたいぜ!」の声で始まる『愛はおしゃれじゃない』(岡村靖幸w小出祐介)。メンバーが2人見つめ合いおどけあう様が愛らしい曲、さらに曲中の原田珠々華のセリフも、本来は「伝えたいのは『あのさ…あのそのつまり…』」なのが「これからもずっと大好きです!」に。続く『金曜日のおはよう』(HoneyWorks)で男女の出会いをイメージしたシーンでは比嘉奈菜子・宮本茉凜がキスしてハッピーエンドに、とこの日ならではの演出が加えられた。
 
そこから『トラベラーズ・ハイ』(スキマスイッチ)『シルエット』(KANA-BOON)とフェス感ある人気曲でさらに場をヒートさせてからの『Funny Bunny』(the pillows)。「君の夢が叶うのは誰かのおかげじゃないぜ/風の強い日を選んで走ってきた」という歌詞を8人はどんな心境で歌っているのかは計り知れない。ただそのシンプルな振り付けの分力強く届けられる歌声は今目の前にいるファンの胸を刺してくる。

いつも通り7曲連続、8曲連続と名曲とパフォーマンスで魅せるラストライブ。事前にアンケートで選んだ曲だけに盛り上がりも一際だ。そんな中「名曲ルネッサンスの締めくくりとして75曲目の新しい曲を用意してきました」と最後の新カバー曲について明かされる。最後の曲は、アイドルネッサンスと深く関わってきた小出祐介率いるBase Ball Bearの『changes』。この日一度きりの披露となる。

1 2 3 4次のページ
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。