引越し経験5回以上の猛者に聞く 「これだけは譲れない」地味だけど大事な条件・設備
引越しの際、いろんな条件を出して優先順位をつけるものの、見落としがちな重要ポイントは意外と多いもの。いざ住んでみてから後悔……なんてことは避けたいところです。そこで、引越し経験5回以上の猛者に「地味だけど大事だと思った条件や設備」について聞いてみました。
Yさんがこだわる「見落としがち」な仕様・設備って??
学生時代から5回の引越しを経験するYさんは、譲れない条件として次の3点を挙げます。
(1)玄関から部屋の中が見えないこと
(2)西日がささないこと
(3)温度設定機能付き給湯設備 【画像1】Yさん(30歳・女性)(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)【画像2】(画像作成/SUUMOジャーナル編集部)
「はじめはエリア以外、とくに条件はありませんでした。ただ、宅配便の方が来たときなどに玄関から部屋の中が見えるのは避けたかったので、1Rであっても仕切りで目隠しができる物件を選んでいました」と話します。
2件目の物件で、日当たりの重要性に気付いたそう。お部屋探しの際、「日当たりの悪さ」に目を向けることは多いと思いますが、Yさんの場合はその逆でした。
「住んでから後悔したのが、西日がすごく差し込むことでした。借りる前は大丈夫だろうと軽く考えていたのですが、夏場はとにかく暑いです。夜、家に帰って来たときの蒸し暑さも辛かったですね」と、当時を振り返ります。
次の3件目の物件で『温度設定機能付き給湯設備』の必要性を感じたYさん。「湯船にはあまり浸からないのですが、シャワーを浴びる度に毎回適温に調整するのが面倒でした。最初にいきなり熱いお湯が出ることもありますし、不便でしたね」と話します。
4、5件目の中目黒の物件は、3つの条件をすべてクリアした物件。「4件目は1Rでしたが、中がうまいこと見えない間取りになっていたので気になりませんでした。上の階の人のいびきが聞こえてくることはありましたが、賃貸で壁が薄いのはありがちなので。それを条件にすると物件数が減ってしまうため、入れていません」
5件目の物件については、エリアのわりに広い間取りや家賃の手ごろさ、風通しの良さも相まって、満足している様子でした。
「玄関から部屋が見えない」という条件は、工夫次第では自身でも回避できそうですが「温度設定機能付き給湯設備」と「部屋の向き」は、自力でどうにかするのは難しいもの。見落としがちですが、物件選びの際に意識したいポイントかもしれません。
「好みとライフスタイル」を反映する4条件とは
建築系の学校を卒業し、以前は建築やインテリア関係の仕事をしていたSさん(40代・男性)。
「建物を見ることやインテリアに凝るのが好きで、こだわりや『いろんな部屋に住んでみたい』という欲求も他の人より強いのだと思います」と話す通り、学生時代から現在まで、10回以上の引越しを経験しています。 【画像3】Sさん(43歳・男性)(写真撮影/スパルタデザイン)【画像4】(画像作成/SUUMOジャーナル編集部)
その中で、Sさんが譲れない条件として挙げるのは次の4つです。
(1)窓からの景色が豊かで、部屋の方角は東or東南向き
(2)個性のある物件
(3)キッチンとクローゼットが広い
(4)物件自体の立地
1つ目の条件は「窓からの景色が豊かなこと」と「部屋の方角」。
高円寺の物件では部屋の広さを優先したことで、窓を開けると隣の家がすぐ目の前に。「同じ部屋の広さでも、窓から見える景色がふさがっていると開放感がなく狭く感じます」と後悔したようです。
「部屋の方角」については、「10件目の物件(五反田:1SLDK)は西向きで、朝日が入らず寝起きが悪くなりました。反対に昼ごろからは日当たりが良くなるので家から出たくなくなり、休みの日もだらだらと過ごしてしまうことが多かったですね」と話します。さらに西向き物件については、Yさん同様「夏場の暑さ」もネックになったそうです。
2つ目の条件は「個性のある物件」。
「人を招いたときに喜んでもらえる空間づくりを心がけています」と話す Sさん。部屋の中だけでなく、海沿いの好ロケーションな物件、都内では珍しい中庭付きの物件なども経験しています。また、先ほどの五反田の物件を例に挙げ、「ここは新築で、最初はキレイでいいなと思っていました。でも新築は最初の状態が最高で、住んでいくと慣れてきちゃいますし、汚れていきます。少しくらい古い物件でも、自分で部屋をアレンジして楽しむほうが合っているなと実感しました」と当時を振り返ります。
3つ目の条件は「キッチンとクローゼットの広さ」。
Sさんは部屋の広さよりも、キッチンとクローゼットの広さを重視しています。「料理が好きでよくするので調理スペースが広く、コンロは2口以上が条件。また、洗濯物は畳まずそのまま掛けてしまいたいので、狭くて奥行きのない収納はNGです」と話します。つい築浅物件や部屋の広さに目がいきがちですが、快適な暮らしのためには、自分の好みやライフスタイルも重視すべきと言えそうです。
4つ目の条件は「物件自体の立地」。
立地に関してSさんは「静かな住宅地は隣人への部屋の音も気になるので、少しくらいはにぎやかな立地」かつ「フットワークが軽くいられる環境」を重視すると言います。実際、田町の物件のときは程よい静けさがあったものの、駅まで徒歩16、7分と少し遠め。出かけるのが億劫になり、家にこもりがちになったそう。
一方、次の引越し先である浜松町では、徒歩2分の駅近物件。好立地なように感じますが「高速道路や新幹線などの騒音がひどく、窓も開けられませんでした。それに、物件の隣がオフィスビルだったこともあり、夜中でも働いている人が見えて落ち着かなかったです」と、苦い経験を教えてくださいました。
Kさんが譲れないのは1つ!「周辺環境の充実」
Kさん(30代・女性)は大学時代~29歳の期間に5件の物件を経験。その中で、自身の譲れない条件として「周辺環境がよい物件は気に入って長く住む、というのが経験則です」と話します。 【画像5】Kさん(38歳・女性)(写真撮影/スパルタデザイン)【画像6】(画像作成/SUUMOジャーナル編集部)
大学時代に暮らした茗荷谷と御茶ノ水の物件は、家賃の安さと大学へのアクセスの良さで決めたそう。
社会人2年目のとき、会社の先輩に勧められ三軒茶屋の物件へ。社会人になり、ある程度自由に使えるお金も増えたことから、今度はエリアや物件のキレイさも重視して物件選びをしたそうです。「三軒茶屋の物件はデザイナーズマンションで、仕様や設備も充実していました。駅まで歩く途中には飲食店も多く、オフの時間が楽しかったですね。自転車で下北沢や渋谷にも行ける距離なので、食事や買い物に困ることがありませんでした」しかし、毎朝の通勤ラッシュが辛く、引越すことに。
次の住まいである戸越銀座は、6年間も住んでいたほどお気に入りの街だったと言います。「通勤ラッシュも回避でき、商店街や飲食店が多く、充実していました。物件が戸越銀座と武蔵小山の中間くらいだったので、どちらの商店街にも通いやすかったことが何よりも良かったです。物価も安く、家賃も三軒茶屋のときとほぼ同額で1LDKに住めました」
5件目の旗の台は、彼氏と2人で住むために十分な広さと家賃を優先して決めた物件。しかし、わずか1年で引越すことに。「旗の台は三軒茶屋や戸越銀座に比べると、街が寂しかったんです。ここでようやく、私は部屋の仕様やアクセスよりも、商店街やお店など『周辺環境の充実度』が最重要ポイントなんだと自覚しました」と苦笑いのKさん。
通勤時間に目を向ける方は多いかもしれませんが、「自分自身が楽しめるエリア」であることも、重要なポイントだと言えそうです。
3人の引越し猛者たちの経験談、いかがだったでしょうか? 予算などを考えると、なかなか理想通りの物件に巡り合うことは難しいもの。引越した後の後悔を少なくするため、「地味だけど、ここは譲れない!」という条件を一度洗い出してみるとよいかもしれませんね。
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